インターネットの古書店関係のホームページ、たまにのぞいています。まだ目録を掲載している店はあまり多くないようですが、これからどんどん増えるのでしょうね。コンピュータとは無縁の古書収集家には、つらい時代の訪れですね。
国会図書館でもカードでしか検索できない中年以降の方々が、CD−romの端末の前で呆然としているそうです。
明日から、長岡に仕事でいくため、長岡の古書店をまわってみるつもりです。 6日からは3週間ばかりインドネシアに調査に行くため、戻りましたら、インドネシア書店事情(古書店を含む)でも書込しようと思います。 みなさん、暑さにめげず、古書店をまわりましょう。古書の包みを抱え、日陰でのむ缶コーラ、きっとおいしいはずです。
伊勢丹の大古本市の目録2冊(500円切手の分と無料送付分)とストランド書店の目録が届いてます。古書店ニューヨーク、プロードウェイのストランド・ブックストア、今回も2000冊ほどの紹介です。日本では見かけませんが、数年前よりトレード・マークの"8 MILES OF BOOKS"のロゴ・プリントのTシャツも$4.95で販売してます。白と黒でS、M、L、XL。どなたか着てみませんか。
THE LITHOGRAPHS OF MARC CHADALL 全4巻セツト1960-1974年刊 $5,000.00 オリジナル・リトグラフ(カラー17枚/モノクロ9枚)入り。 JOAN MIRO LITHOGRAPHS 全4巻セツト1972-1981年刊 $1,500.00 オリジナル・リトグラフ(カラー32枚)入り このあたり、日本では倍以上で売られそうですね。MARILYN MONROE:THE BIOGRAPHY HaperCollins '93 $7.95($25.00) マリリン・モンロー秘話・伝記、いくらでも出てきます。フィクション化したモンロー小説なんかも、今日でも次々と出てきちゃいます。生きていたマリリン・モンローなんかです。DREAM OF FAIR TO MIDDLING WOMEN By Samuel Beckett/Black Cat Press'92 $7.95 サミュエル・ベケット1932年執筆、未紹介小説。WRITER'S MARKET 1995 WRITER'S DIGEST BKS. '95 $7.95($26.99) WRITERのために作品売込先出版社を網羅したHOW TO本ですが各々出版社の定期雑誌、刊行本の傾向、編集責任者・・と米国出版界の縮図、1000ページ。この種の本、売れるようでTHE WRITER'S HANDBOOK/THE WRITER'S INC.も毎年でます。こちらはメジャー作家のアドバイスやショート・エッセイ多数入ります。目録では手元にある数年前の「THE READER'S CATALOG」大型1400ページ弱の新本オーダー用ですが、208カテゴリー40000冊の目録です。$27.95。但し流通本オンリーです。ストランド今回はとりあえずベケット他、20冊程購入予定です。
午後より、近くの馴染みの古書店を訪問、4300円購入。ダブリ買いのベケット戯曲集1,白水社/モリエール笑劇集、白水社/谷沢永一,「読書人の立場」桜楓社/「読書人の壷中」冬樹社/テイヤール・ド・シャルダン著作集9科学とキリスト/7人間の未来,みすず書房、その他40冊でした。(^_^)
》福島県只見の「たもかぶ本の街」という古書店ですが、春に雑誌「たかもく」とともに戴いたパンフレットによると1坪1,670円でした。小生、過日、奥只見ダムの長い地下通路を通過して温泉には滞在しながら、只見には残念ながら訪問しませんでした。CD,LDは定価の20%デスネ。
昨日は早朝より、なにかと大忙し。陽が暮れてから気晴らしに、BOOK OFF立川店。100円コーナーにて「天国の話」,イツィク・マンガー,社会思想社/「汚穢と禁忌」メアリ・ダグラス,思潮社/「チベット仏教・岩波講座東洋思想11」他2冊計500円購入(^_^)。
ダブリの伊勢丹大古本市目録を手土産に、武蔵藤沢の古書店「夢屋」も久々訪問。「本の雑誌」48号以降16冊@50円、100円コーナーでも昭和23年の7月の「読物雑誌」,読物雑誌社あり(^_^)(^_^)。他にも100円多数/旅の話・犬の夢,講談社/成熟と喪失・母の崩壊,江藤淳,河出書房新社/常識的文学論,大岡昇平,講談社/文庫そのすべて,矢口進也,図書新聞/古書街を歩く,新潮社/図書館活用法,新潮社/読書戦争,三一書房/知の職人たち,紀田順一郎,新潮社/巨人の肖像・双葉山と力道山,石井代蔵,講談社/全国アホバカ分布考,松本修,太田出版/実存主義的人間,ジャン・ヴァール,人文書院/別巻プロレタリア文学資料集・年表,新日本出版社(コレ800円)他30冊+16冊計4850(いつもの様に850円おまけして下さり4000円)でした。
関西方面では
◎京都 南区/下京区/宇治/舞鶴 ◎大阪 高槻/岸和田/八尾
◎滋賀 彦根/近江八幡/守山/大津2店
関東方面
東京 立川/立川砂川/青梅
八王子(片倉/長沼/上野原)
町田4店/中野2店/新宿/港区
埼玉 熊谷/鴻巣/鶴ケ島/大宮/越谷/草加/川口/新座/所沢
神奈川 海老名/横浜2店/相模原4店/柏4店/座間/厚木/横須賀
平塚/大野/伊勢原
千葉 流山/佐倉/船橋/習志野/千葉市/横須賀/鎌ケ谷
他の地方にも沢山あるんですね。
それと、もっとビックリ、殆どのBOOK OFF店がシステムに加入したフランチャイズ店なのでした。それで特価本の扱いが各店舗マチマチなんですね。
実は今まで古書目録を買いたいと思いながらも、買ったことが一度もないのですが、見るのは本当に楽しいとつくづく思っています。地図を見ることは、それ自体として、旅行に行くこと以上の楽しみがありますが、それと似ているのかもしれません。
この目録を見ていて思うのは、赤尾照文堂の目録、個人全集が多くて底力を感じますが、『ウィトゲンシュタイン全集』全12冊(\30K)など欲しくなる品物です。福田屋の荷風『腕くらべ』ガリ版刷り(\5K)も欲しくなる一品ですが、当時削除された部分を補う私家版とのことで、検閲や自主削除、新字体新仮名使いへの改訂とか、その軌跡を見るためにも、こういう古書は欲しくなります。それで思ったのは、赤塚不二夫の漫画『天才バカボン』は、問題表現などを改めた形で現在刊行されていますが、これなども是非原本を手に入れたいと思えます。そう思って石川古本店のページを見ていたら、「信濃毎日新聞大正13年頃、31枚というのがありましたが、タダなら欲しい気がしました。\9Kとは、ちと高いと思うのですが……。
いつも目録を見て思うのは、今回の目録も店舗順になっていましたが、分野別と比べて、探求書の検索には不便な形態だということです。『古書通信』の目録にしても、各店がどんな出品傾向かを把握するにはいいのですが、検索用としての機能は果たしていないなぁとつくづく思えます。作る手間や宣伝効果などは、店舗別目録に軍配が上がるのでしょうが、利用者としては各店共通の分野別の目録を見たいものだと思えます。
インターネットでも無料で目録が入手できますが、広島の文窓堂さんの目録をダウンロードしました。LHA圧縮版で49K、1527点収録されています。分野別にも目録が見れ、定価より高い品物に印がついているのは、とても参考になる気がしました。 無料の目録ということで思い出したのは、キクオ書店の『特選欧米古書目録』。定価は千円位で写真入りの立派なものですが、年遅れのものをここ数年、古書市で貰っています。その中から知り合いが探求書を見つけて発注しましたら、在庫がまだあったそうです。インターネットにしろ、出版物の目録にしろ、なかなか自分が欲しいと思う本に出会うのは難しいのですが、果たして、どれくらい売れているのでしょうか?
キクオ書店の目録など高価で滅多にお目にかからない本が多いのですが、手間暇と印刷郵送の経費をかけて、数百円の本ばかりの目録を作っても、果たして元がとれるのかと思うのですが、如何がなものなのでしょうか? 自分で私用につくっている蔵書目録がやっと三千件ですから、更新を繰りかえさなければならない販売用の目録となれば、大変な作業なのだろうとつくづく思われます。 散人
植草甚一さんのことが話題になつてゐましたが、かれのことでも想ひ出があります。大学院生のころ、神田の古い洋書の文庫屋さんの泰文社にJJをぢさんが蔵書を払ふことがあると聞いてゐたのでしたが、通ひなれたこの店で或る日かれの旧蔵書を一冊掘り出したことがあります。それは確か19世紀のイギリス作家の文学評論で、見返しに蔵書印が押されてあり、かれがエッセーで書いてゐるとほり、本文中に「ちよいちよいと鉛筆でしるしをつけ」てあつて、ある単語にラテン語の語源を赤鉛筆で書き込んであるページもありました。その頃僕が家庭教師をしてゐた東洋文化研究所のO教授のお嬢さんにこの本を自慢げに見せると、いたく面白がつたので気前よく上げてしまひましたが、今になってみると少し惜しかつたやうな気もします。このときは日夏耿之介の訳したポオの大烏などをテクストに使ふなどかなり趣味に走つた教へ方をした覚えがあります。JJをぢさんがなくなつた後で、かれの収集品の売り立てが確か西武デパートであつたとき、たぶん60年代アメリカ製と思はれるコンパクトを入手して、これは今でもとつてあります。
フランスにゐると日本の古書とは疎遠になりますが、こちらならではの古書世界が予想を越えて広がつてきました。古書や自筆物の目録が幾つか届くやうになつて、これらをながめてゐると信じられないやうなものが売りに出ます。博物館クラスの14、5世紀のmanuscritsなどといふ微笑んで見送るほかないものから、19世紀末の署名入り文学書など、少し頑張れば手の届くものまで実に多種多様の古書の饗宴です。今回は1月の半ばから5月半ばまでに購入したもののリストを同封しますので、見てください。書物のまとめ買ひをすると、当然のことながら予期せぬ雑本も混じることになりますが、それも嬉しく止められさうにありません。日本に帰るときのことを今から心配してか妻は、大汗をかきながら宝の山を持ち帰つてくるぼくを半ば諦めたやうな面持ちで白眼視してくれます。「子供より古書が大事と思ひたい」といふ鹿島茂氏の詠嘆は他人ごととは思へません。