愛書家HPログ抄 1997年2月後半(2)
 1997.2.20〜2.28


「愛書家ホームパーティ」のログのうち、古書店に関連した話題を中心に愛書談義を転載しました。なお、まとまったものについては別ページに掲載しています。

《登場古書店》
BOOK OFF八王子長沼店
日本特価書籍、ブックブラザー、源喜堂


025 [97/02/20 14:10] KHB11772 書斎の話    散人
 Sammyさんの書斎、「マック3台、PC3台とプリンター4台、それにスキャナーが 並んでいるだけ!書斎には基本的に辞書とファイル以外置かないで地下と別棟の書 斎に置くようにしています。」とのこと。

 執筆と通信に的を絞った書斎で、趣味の読書は別の部屋でされるようですね。書 斎の話は、いつも色々想像をかきたてられますが、理想的なお住まいにおられるよ うで、羨ましい限りです。

 私のロンドンでの生活は短期でしたので、いわゆる下宿屋さんというか、民家の 間借りでだったのですが、どこも、漱石が住んでいたような下宿と少し似ているよ うな気がして、ちょっぴり嬉しい気がしています。

 一度目は、ACTON TOWNというロンドン西部の住宅地で、お酒屋さんの3階屋根裏部 屋。近所には大きな公園があり、環境の良いところでしたが、まさに寝床とは呼べ ても、書斎と呼ぶには相応しからぬ部屋で、1ヶ月滞在しただけでした。

 二度目も、同じくロンドン西部で、TURNHAM GREENという駅近くの落ち着いた住宅 地でした。ここはわりと大きな家で、裏庭のベンチで本が読めたり、応接間とかも 使えて、一番印象の良かった家でした。あの近所の風習なのか、表通りに面したレ ースのカーテンを引いた薄暗い部屋で、電気をつけないままソファーに腰を下ろし、 本を読んだり、外を眺めたり、ゆっくりした時間を過ごしている人が多いように思 いました。また、部屋から、裏の家の庭なども見えていたのですが、庭のベンチで 日光浴をしながら、読書をする人もかなりいたりして、陰と陽おり混ぜたロンドン 人のきままな読書のスタイルのような気がしています。庭には、時々、リスが来る こともあり、とても平和な空間でした。

 三度目は、ロンドン北部の CRICKLEWOOD という所で、大家さんはパキスタン系 の一家で、近所の家もイスラム圏からの移民やアイルランド人などが多く、少し殺 伐とした所でした。少し歩けば、HAMPSTEAD HEATH などもあり、いろいろ散歩で出 かけました。この時は、色々な図書館巡りをしていました。MayfairやCharing Cro ss の図書館などに足繁く通ったのはこの頃で、同じ City of Westminsterの図書館 といっても、地域によって、まったく違った顔を持っており、とても面白かったで す。上記の2館には、中国語に混じって、日本語の本もあり、驚きました。赤川二郎 なども、かなり借りて読みましたが、日本人らしい人に会ったことは一度もありま せんでした。懐かしい思い出です。

 現在の私の書斎は、寝室、書庫兼用で、通信用にデスクトップのPC一台を置き、 あと、執筆用にはノートPC2台を使い別けています。太陽が差し込まないように、 部屋の真ん中を御簾で区切り、こちら側は、足の踏み場もない、ほとんど物置状態 となっています。この薄暗い空間で過ごすのを楽しみとしているのですが、ノート パソコンを持って、家のあちこちの部屋を移動したり、廊下や縁側に本を持ち出し、 庭に来るメジロや雀を眺めながら、ぼんやりしたりもしています。書斎を薄暗くす るのは、ロンドン以来の風習のような気がしますし、庭のメジロや雀を見ながら、 ロンドンには、かわいいリスがいたなぁと思い出しています。

散人


026 [97/02/21 21:35] KHB13403 わが家の庭にも鹿が (^_^;;
Sammy@Londonです。

>泰俊さん
「佛蘭西古書通信」とても楽しく拝読させていただいております。昨年の9月ロンドン にお見えになっていたそうですね。ロンドンでは毎月第2週の日曜日に午後2時からPBFA そして、ロイヤル・ナショナル・ホテルでブックフェアーが開かれています。私は英国に いるときは必ず出かけております。 英国の古書店で掘り出し物を見つけるには、田舎の古書市かディーラーを訪ねることです 。チャーリング・クロスは値段も高く少なくとも私の興味ある本は、なかなか出てきませ んね。大英図書館前には友人が古書店を経営しており、月一は訪れております。

025 書斎の話
>散人さん
 そうですね、ロンドンの建物はどこも古く重厚さはありますね。わが家も1904年に 立てられており昨年の8月下旬に引っ越したのですが、まだまだフロアーや壁を変えたり なかなか出費が続きます。わが家でも庭には野生のりすがよく遊びにきます。近くの友人 宅には鹿が台所に入り、食パンを持っていくので困るそうです。

Sammy


027 [97/02/22 22:16] KHB13403 愛書家HPを紹介しても?
Sammy@Londonです。皆さん忙しいのでしょうね。最近書き込みが少なくて寂しいです(ーー; )

>散人さんへ
現在連載のコラム「倫敦消息」「翰林書房」刊の「漱石研究」第8号に原稿を書こうと考 えているところ。締め切りももうそろそろ、発売は5月なのです。まだテーマは決めて居 ませんが「漱石と古書」なんかどうかと思いついたところ。

 途中で話をさりげなく「愛書家HP」に振って見ようかと思いますが、この雑誌で散人さ んのIDと「愛書家HP」をご紹介するのはまずいでしょうか? 当然パスワードは書きませ んので興味がある人が入れば、散人さんにメールを出してパスワードを教えて貰うこ とになるのでしょうが。

 この本の読者は殆どが国文学と英文学の研究者と大学生、院生のようです。文系の方が 殆どですので、どの程度パソコンにコンを使っている人がいるか疑問ですが、もしご紹介 して構わなければお知らせ下さいませ。

  それでは、今日も漱石記念館の留守番太郎@Sammyでした。


028 [97/02/23 06:46] GHF00401 ロンドン談義/OYAGI
雑誌・・・/OYAGI
 散人・泰俊・Summyの、お三方のロンドン古書談義もしくは町並み賛美、パブで 意気投合した仲間が、わいわいお話しているみたいで楽しいですね。そして何やら、 店の奥に、漱石先生がいて、ジョッキを持ち上げて、ウインクしているようでもあり ますね。

 そういえば漱石の草枕、春陽堂が明治28年に創刊した文芸雑誌「新小説」に掲載さ れました。その号(明治39年1月号)を、過日格安というよりほとんどタダ同然で 入手しました。

 現在の「文芸春秋」とかと同じサイズ、ページ数も200ページを超え、結構厚く、 カラー表紙で図案は「張り子の虎」そして絵葉書が2枚本文中に付録として綴じ込まれ、名所の写真、カラー大判挿絵2葉もあり、そして正宗白鳥の小説「旧友」と漱石の 「草枕」がメインの作りです。
 あの有名な書きだしを、この雑誌を開いた人々が初めて読んだんだな・・、と思うと 感慨が深いものがあります。また、結構広告も出ていて「金剛石」専門店のが2つ、 値段も「二千円」というのもあり、何やら「金色夜叉」の時代背景を感じさせます。
 そして、川上貞奴のフランスみやげ化粧水「やっこ」というのが、女史の写真を バックに宣伝されており、なんだか明治30年代が満喫できます。  これを買い込んだ店には、隣に「民芸」と「書物春秋」がそれぞれ数冊ずつ、共に ただ同然で並んでいて、すべて買い求めてしまいました。そして、それぞれ鉛筆で、 25.−とか30.−とか、書き込みがありますから、戦後のほどない時に、古本屋 で買い求めたものが、故あってこの店の棚に並んだのかな・・と、推察してます。  しかし・・・、この値段は・・。

 神田古書街は連載6回で終了しました。玉英堂・小川図書・誠心堂・高山書店・ 中野書店・東陽堂の6店のエピソードで、なかなかいい企画でした。まえに、UPしま したが、もしコピー希望の方がおられましたら、A3で1枚20円のコピー代×6= 120円と郵送料実費(たぶん190円)を折り返しお送りいただくということで、 郵送します。

歓喜の明治愛好家ことOYAGI


031 [97/02/24 00:46] KHB11772 RE:#027 愛書家HPの紹介  散人
Sammyさん
執筆されているコラムに愛書家HPを紹介してくださるとのお話、有り難い限りです。 ぜひ宜ろしくお願いします。

「漱石研究」に連載されているという「倫敦消息」、ロンドンの古書店や図書館など のことも書いておれるのでしょうか。また一度、拝見させて頂きます。

ロンドンで漱石関連のBBSを主宰されていると以前書いておれましたが、私の場合 は日本からアクセスするには、やはり先立つものの心配もあって、アクセスをためら ってしまうのですが、そちらでも、もし宜ろしければ、是非、このHPのこともご紹 介頂ければ幸いです。もっとも、NIFTYに加入している人はあまりおられないのかもし れませんが……。BBS運営の秘訣とかございましたら、こちらでもまた宜ろしくお 願いします。

ところで、現在、この愛書家ホームパーティの参加者の内訳を見れば、NIFTYのBBSの 宣伝を見てメールを下さる方が一番多いのですが、ROMして下さる方はあっても、新た に書き込みをして下さる人と巡り合うことが少ないので、最近は、BBSでの宣伝回数は 減らしています。

あと、FBBSUやインターネットのホームページを見て、新たに参加して下さる人は継 続的にあるのですが、皆さん、ROMばかりのようです。HPリニューアル後、一週間程 度経ちましたが、GUESTコマンドで見てみると、やはり、30名余りの人がROMして下さ っているようです。新たに参加する人もあれば、ROMを辞める方もあり、各地の古書 情報などを書き込んで下さる人も滅多にないようですが、君子の交わり水の如しと言 われるように、時々でもHPを覗いて下さる人がある限り続けていきたいと思っていま す。

と言いながらも、あまりにも書き込みが少ないと少々寂しいので、皆様も、HP活性化の 何か良いアイデアなどありましたら、ぜひ宜ろしくお願いします。

散人


033 [97/02/24 11:50] KHB13403 
Sammy@Londonです。深夜の3時なのですがまだ読書中でして、今日も徹夜になりそうです 。どうも読み始めたら終わるまで止められなくて・・・・。

「漱石研究」の連載は全く字数、テーマに制限なく気が向いたときに執筆しております。 出来るだけ毎号各様に書くように依頼されているのですが遅筆でして・・・。

私が運営しています無料のBBS "SOSEKI UK"はFIRST CLASSと言うソフトを使ったBBSです 。日本では東京のFTT-NET Access No. 03-5431-7793から参加できます。ここの他広島大 学、筑波大学、国立民族博物館その他何カ所かでも読めるようですので、わざわざロンド ンに電話する必要はありません。私が毎日国際回線を使って日本とアクセスしているので す。いぜん以前ちょっと不調でしたが、最近回復しておりますので、是非ことらもお暇な 方お立ち寄り下さいませ。

 「愛書げ犯P」の紹介"SOSEKI UK"でのご案内、了解しました。明日でも書き込んで起き ます。 オンラインにて、
Sammy


034 [97/02/24 16:38] CXK02012 八王子 BOOK OFF クレイン
 八王子のBOOK OFF長沼店100円コーナーにて「彼等もまた出馬した」アーヴィング・ストーン,早川書房, 750/「世界の中の日本文学/その優れたシステムとはたらき」弘文堂,1500,S55/「月曜閑談」サント・フ ゛ーヴ,富山房,750,S53/カード提示にて5%引きです。285円でした。  八王子のBOOK OFF片倉店。この片倉店、1Fをコミック・ビデオ・CDに配置、一般書は2Fに移りまし た。100円コーナーも広くなり、2F専用フロアーの半分ほどありました。100円にて30冊ほど購入→。/「 預言者,イェールジ・コジンスキー」角川書店,1200,S52/「死父,ドナルド・バーセルミ」集英社,1200,1978/「マタ ゛ム・ザビエラ」 ザヴィエラ・ホランダー,二見書房,800,S48/「赤い小人」ミシェル・トゥルニエ,早川書房,1600,S54/「乱読すれ ば良書に当たる」百目鬼恭三郎,新潮社,1150,1985/「芸術家の私生活」金森誠也,大陸書房,1 300,S53/「ジャズ西遊記」坂田明,晶文社,1200,1979/「調書」ル・クレジオ,河出書房新社,700,1966 /「今東光代 表作選集/第4巻弓削道鏡」今東光,読売新聞社,950,S47/「今東光代表作選集/第2巻はぜくら ・生きろマンション」今東光,読売新聞社,950,S47/「裁かれた七三一部隊」多数,晩聲社,2060,1990 /「裁かれた南京大虐殺」多数,晩聲社,1545,1989/「夢の逃亡」安部公房,徳間書店,980,S43/「 発想の周辺 」安部公房,新潮社,700,S49/「水商売からの眺め」J・D・モリー,サイマル出版会,1800,1987/「少年殺 人事件」ローレンス・ヤップ,晶文社,1500,1989/「ヘリオズバルス」アルトナン・アルトー,白水社,880,1989/文庫は「 女性諸君!/モラヴィア傑作選4」アルベルト・モラヴィア,早川書房,360,S59/他文10冊でした。  先日の土曜日より、地元図書館にて廃棄本・サービス開始。4月10日迄ですが、単行本類、初日 に殆ど並んだようでした。雑誌と単行本専門書、児童書の類が大分残ってありました。毎日、 いくらかは補充されるようです。週刊金曜日他いただきました。
035 [97/02/25 09:59] CXK02012 金曜日他   クレイン
 先日、「週刊金曜日」バックナンバーををいただきましたけど、例の本多勝一氏が大江健三 郎氏の”反核”に散々苦言した雑誌です。

 雑誌「リテレール/特集・短編小説ベスト3」1993年冬号では、気の毒な事で、本多勝一 氏も毎日新聞側サイドより受けた、「週間金曜日」出版のいきさつを語ったインタビュー 記事の掲載許可、不許可をめぐり、<ファシスト、本多勝一の横暴/「無茶修業」原稿ボ ツ事件の真 相>のタイトルで、その経緯、「ボツ」になった文,新聞掲載文と並べたてられました。 本多氏、少々,てこずったようです。

 小生、いささか違和感をおぼえること多い、文学者の政治的発言傾向ですが、先日パラ パラした、100円買いの江藤淳「批評と私」S62,新潮社にはホットした気分、うなずいち ゃいました。その一文、「ペンの政治学」、ここには大江健三郎他の提唱する日本ペンクラ ブ”反核”決 議案(日本開催の第29回国際ペン大会のために用意された)に江藤淳氏、一人のみ反対 した経緯が述べられてます。”文学者であり得るはずがない他目的な権力構造である{オ ロチX}”の仕事は”言葉の正確な意味に置いてそれは政治であり、決して文学ではあり得 ない”なんて 。併録の他文「ユダの季節」にては「私語の構造」として{自己検閲システム}を、「言葉 と小林秀夫」では{かたち}日本人の{生きた己れの言語組織},「退屈の美学」にては {個人が実在する、という命題が、文学認識ではなくて政治的主張、あるいは要請}とし て、文学者 の政治的な傾向に鋭い批評をしてました。評論家、かくありきといったとこでしょうか。

 雑誌「リテレール」は1992年秋号<特集・私の偏愛書/41人によるジャンル別・ベス ト10>が面白号でした。


036 [97/02/26 09:52] CXK02012 いただいた本です。   クレイン
 先日よりの図書館廃棄本、いただいたもの以下です。”複本あり”のシオリが各々に挟んであ りますから、ダブリ本の整理のようです。

 「ボビ・アン・メイソン短編集」ボビー・アン・メイソン,彩流社,3200,1989/「盗まれた記憶」イゴール・ボグダノ フ,白水社,2200,1987/「詩魂紺碧」塚本邦雄,花曜社,3600,S58/「日曜日だけの一カ月」ジョン・アフ ゜ダイク,新潮社,1600,1988/「潮流の王者/上下」パット・コンロイ,早川書房,3200,1988/ 「虚栄の篝火/上下」トム・ウルフ,文芸春秋,4400,1991/「新しい時代の文学」野間宏,岩波書店,180 0,1982/「青春は川の中に」ジャック・H・N・ヘミングウエイ,TBSブリタニカ,2200,1990/「私が愛したクリンゴ」カ ルロス・フエンテス,集英社,1400,1990/「アメリカ小説をどうぞ」晶文社,3200,1990/ 「小説家ヘンリー・ジェイムズ」中村真一郎,集英社,2600,1991/「死者の歌,エリ・ヴィゼール」晶文社,1500 ,1970/「シャロック・ホームズの生まれた家」ロナルド・ピアーソン,新潮社,1050,S58/「私の小説作法」丹羽文 雄,潮出版社,1200,S59/「鉄の踵,ジャック・ロンドン」新樹社,2200,1987/ 「孤島/改訳新版・井上究一郎訳」ジャン・グルニエ,筑摩書房,1960,1991/「蛍」ディヴィット・マレル,早川 書房,1600,1992/「コミックブック・キラー」リチャード・A・ルボフ,早川書房,1900,1990/「妻は二度死ぬ」ジョル ジュ・シムノン,晶文社,1600,1985/「流れる水のように」マルグリット・ユルスナール,白水社,2400,1991/ 「中世の食卓から」石井美樹子,筑摩書房,1700,1991/「日の沈む街へ」ジョン・ガードナー,東京書 籍,1400,1991/「西洋の落語・ファブリオーの世界」松原秀一,東京書籍,1100,S63/「十字軍の歴史, S・ランシマン,河出書房新社,2900,1989/「富士日記」武田百合子,中央公論社,1200,S52/ 「パロマー」イタロ・カルヴィーノ,松籟社,1200,1988/「マウントオリーヴ」ロレンス・ダレル,河出書房新社,,1976/「エスタ ー・ウォーターズ/シリーズ・ヒロインの時代」ジヨージ・ムア,国書刊行会,3400,1988/「フランス幻想文学傑作選2」 白水社,2200,1983/「帰ってきたウサギ/T・U」ジョン・アプダイク,新潮社,3600,1973/ 「ウエスタン・ランド,ウイリアム・バロウズ,思潮社,2480,1991/「シティーズ・オブ・ザ・レッド・ナイト」ウイリアム・バロウズ, 思潮社,2480,1988/「人生のルール,フエイ・ウェルタン」福武書店,1200,1990/「メリディアン/北米黒人女性作 家選」アリス・ウォーカー,朝日新聞社,2100,1982/ 「私ひとりの部屋」ヴァージニア・ウルフ,松香堂,2300,1984/「タナトス・シンドローム/上下」ウォーカー・パーシー,角 川書店,4000,1989/「壊れたヨーロッパ」クルツイオ・マラパルテ,晶文社,4500,1990/「ミセス・キャリバン」レイチェル・イ ンガルス,福武書店,1600,1991/「武器の交換」ルイサ・バレンスエラ,現代企画室,2060,1990/「カネック・ある マヤ男の物語」 エルミロ・アブレウ・ゴメス,行路社,1850,1992/ 「本をめぐる輪舞の果てに2」アイリス・マードック,みすず書房,3090,1992//「ハード・キャンディ」テネシー・ウイリ アムズ,白水社,1500,1981/「つかのまの悪夢・ビアス短編傑作集/上下」アンブローズ・ビアス,東京書籍 ,1812,1989/「末期の眼」岡庭昇,批評社,2500,1981/ 「アロンの杖」D・H・ロレンス,八潮出版社,1900,1988/「出版年鑑1994」出版ニュース社,14000,1994/「日本 書籍総目録1993/索引篇」日本書籍出版協会,52530,1993/「総合日本民族語彙/1・2・3,,平凡 社,,S52/「東京多摩図書館・逐次刊行物目録/新聞・雑誌1992年1月現在」東京多摩図書館,,H4 /「東京中央 図書館・逐次刊行物目録/新聞・雑誌1993年9月現在」東京多摩図書館,H6/ 「東京中央図書館・逐次刊行物目録/索引篇/新聞・雑誌1993年9月現在」東京多摩図書館,,H6 「東京中央図書館・逐次刊行物目録/年鑑・年報1994年1月現在」東京多摩図書館,H6/

 早速、入手の「日本書籍総目録1993/索引篇」にて気になったレイチェル・インガルスを引きますと、 上記「ミセス・キャリバン」の他にも1冊、「悲劇の終わり」として翻訳本ありました。この「悲劇の終わ り」、ひょっとして”THE FACE OF MADNESS”は収められてるのかしら。といいますのも”THE F ACE OF MADN ESS”って、タイトル<悲劇の終わり>でも結構な、とても風変わりなラブ・ストーリーなんです。


037 [97/02/26 13:12] VEB02220 京都からの帰りに LZFR
 こんにちわ、LZFRです。先日京都に行ってきまして、これからの住処を決めてき ました。京都の円町のあるアパートで、三部屋あって家賃3万円というところです。 広いのは良いのですが、調子に乗って本を買いすぎてしまいそうで怖いです。大学 からもそんなに遠くないし、中央図書館もそんなに遠くないようなので、本に浸る には良い環境になってしまったようです。

 で、京都からの帰りに東京によって、性懲りもなく神保町に行ってきました。廻 る書店はいつも通り、日本特価書籍にブックブラザーと源喜堂、そして神保町の総 本山とも言える三省堂です。あと、すずらん通りに新しく出来た書店にも寄ってき ました。

 先ず最初にブックブラザーに行って、変な写真集や本は無いかと探しました。そ れで見つけたのが、フランソワ・ジレの写真集です。薄い写真集ですが、1200 円と非常に安かったです。この人は、前に東逸子目当てに買った「イラストレ」に 紹介されていたので、なんとなく名前や写真を覚えていました。はっきり行って、 俗っぽい綺麗な写真を撮る人ですが、私はそういう俗っぽい写真は好きなので買い ました。

 次は、美術古書店としては私が最も気に入っている源喜堂です。いつも通り、洋 書の棚から見ていったのですが、相変わらず面白そうな本が並んでいます。名前だ けは聞いていた「イエローブック」や20世紀初頭のドイツの挿絵本などをペラペ ラと見たりしました。

 今回源喜堂に行って驚いたのは、沢渡朔氏の写真集『少女アリス』のオリジナル プリントが売っていたことです。確か8万円位だったと思います。近くに寄ってジ ィーっと見たのですが、結構大きく引き延ばしているので粒子が結構目立ってまし た。しかし、写真の艶や明瞭性みたいなものは、やはり印刷と本物では大分違うな あと思いました。

 今回大収穫だったのが、東逸子さんが挿絵をしている『ビリティスの恋歌』が手 に入ったことです。この本は、ずっと名前だけは知っていたのですが、実際にお目 に掛かるのは始めてだったので、嬉しかったです。東さんは、最近は紙に絵を描く ことが多いのですが、やはりこの本の挿絵のようなエッチングは良い雰囲気だなあ、 と思いました。彼女は、単色で絵を描く方が作品の完成度が上がる感じがします。 この日は、やはり東さんが挿絵をしている『シェイクスピア幻想』もあったので、 一緒に買ってきました。

 後は、『THE WORLD OF EDWARDIANA』という19世紀末から20世紀始めの家具や ポストカードやポスターなどの装飾品を扱った本を買いました。この本の裏表紙に は着物を着た芸者らしき女性が扇子を持って踊っているヘンテコな絵が載っていて、 おかしいです。中にも、かつらを被って着物を着た変な女性の写ったポストカード が載っているので、この時代のイギリスでも日本趣味が流行ったりしたのかな?な んて不思議に感じます。

 さて、源喜堂を出て次に向かったのは、三省堂です。ここでは、フォト・ミュゼ・ シリーズの小野一郎の『ウルトラバロック』やジョック・スタージスの『満ち足り た午後』といった写真集や、『ある首切り役人の日記』や『イギリス農民戦争』と いった歴史書を買いました。『イギリス農民戦争』は、1979年に発行された本 なのですが、最近出版社の倉庫から出されたのか、棚に並んでいました。消費税の 表示もついてないので、本当に古い本のようです。

 すずらん通りにいつの間にか出来ていた古本屋に入ったのですが、ベルネリの 『ユートピアの思想史』が売っていたので、買いました。最近、フランスの痙攣派 や千年王国の本を読んでいるので、「ユートピア」というのは、凄く魅力的に響き ます。ある理想を目指す時の人間の過剰な情熱というのは、巻き込まれるのは嫌で すが、本で読むには面白く感じます。

                           VEB02220 LZFR


038 [97/02/26 20:01] KHB13403 下宿見つかったんですね。
こんにちはLZFRさん
Re:037 京都からの帰りに
京都にアパートが見つかったそうですね。おめでとうございます(^_^;) それに3部屋で3万円とは安いですね。ロンドンですと場所によって大きく違いますが、Imperial College大学院で学んでいます友人はSouth Kensingtonに住んでおり、スチューディオ(1部屋で小さなバス・トイレ付き)が付きに600ポンド払っているそうです。約£1=200円ですので12万円ぐらいです。

英国のGNPは確か2年前の統計でUS$26,000だったような? 同年度の日本はUS$37,000 でしたがね。それにしてもロンドンの住居費は高いですね。九州大学の友人教授が来月末に来英するのですが、下宿代が余りに高いので呆然としていました。散人さんが滞英されていた頃はいかがでしたか? 1£がいくらのころでしょうか?

>京都からの帰りに東京によって、性懲りもなく神保町に行ってきました。廻る書店はいつも通り、日本特価書籍にブックブラザーと源喜堂、
*私も源喜堂には訪日したら必ず立ち寄っています。左に階段をちょっと上がるところですよね。入って左側に展覧会の図録があり、ここでめぼしい図録を見つけるのが楽しみ。1月訪日の時は「ベル・エポック」の本3冊を購入。右側の小さな部屋(?)に明治時代の美術本がどっさりと置いてありましたが、残念ながら完結していませんでしたので購入しませんでした。
 私は美術雑誌「みずえ」も全巻揃えたいのですが、どこかに売っていませんかね? またいくらぐらいするんでしょう?

> 後は、『THE WORLD OF EDWARDIANA』という19世紀末から20世紀始めの家具やポ ストカードやポスターなどの装飾品を扱った本を買いました。この本の裏表紙には着物を着た芸者らしき女性が扇子を持って踊っているヘンテコな絵が載っていて、おかしいです。中にも、かつらを被って着物を着た変な女性の写ったポストカードが載っているので、この時代のイギリスでも日本趣味が流行ったりしたのかな?なんて不思議に感じます。
*この本は私も所蔵しています。18世紀の後半から日本人の「大道芸人」がヨーロッパで活動していたようですよ。中興文庫から本が出ていましたが、確か九州で旅館を経営していた人が著者。漱石滞英時代にも川上音二郎と貞奴(っこ)がロンドンに来ていますからね。17世紀後半から18世紀にかけてはフランスでも東洋趣味(ジャポニズム)が流行し、ゴッホやホイッスラーなど日本の浮世絵に多大な影響を受けていますからね。

Sammy@漱石記念館留守番太郎(26/2)


043 [97/02/27 11:20] KHB11772 RE:#038 ロンドンの下宿  散人
私がロンドンに一番長くいた時(1989年)は、1£=250円くらいだったような気がし ています。始めていった時(1980年頃?)は、1£=500円くらいで、1£のコインを見 た時は、これが、岩倉具視と同価値なのかと、驚きました。Sammyさんが、渡英さ れた頃といえば、もっとポンドの価値が高かった時代だったのでしょうね。漱石が 滞英した時は、貨幣単位では比べられないかもしれませんが、国費留学生といえど も、もっと生活は厳しいものがあったのでしょうか……。

今でもロンドンの住居費は確かに高いようですが、私の場合は、高くても光熱費や 朝食のパン・紅茶代込みで月額5万円以下だったように思います。古びた民家の間 借りですので、バス・トイレは共同、台所の使用も制限つきでしたが、そんなに悪 い所だったとも思えません。東京でも風呂なしトイレ共同のアパートなら、2万円 台でありましたから、そういう格安のアパート形式の物件を見つけるのは、ロンド ンではかなり難しいように思いました。

一番印象の良かったCHISWICK(地下鉄TURNHAM GREEN駅)の家は、不確かな記憶では、 週50ポンドぐらいだったように思います。台所の使用は制限つきでしたが、庭と応 接間でくつろぐことが出来たので、とてもいい印象を持っています。さすがに鹿は いませんが、リスの姿は本当によく見かけました。私の部屋は、途中何度か変わっ たのですが、天井の高い大きな部屋で、ゆっくりと本が読め、飽きれば、窓から庭 を眺めたり、裏の家を眺めたり、また、庭に出たり、通りに面した応接間に行った り、一日、家に居ても、そこにいるだけで嬉しい気がしました。季節によって、下 宿人の数は変わりましたが、多い時で5人くらい、少ない時は私一人で、大家さん まで旅行に出かけてしまって、まったくの一人暮らしもありました。

CRICKLEWOODの家では、途中から値引きしてくれ、週30ポンドぐらいまで下がった と思います。イスラム教徒の家ですので、豚肉とアルコール類は厳禁でしたが、台 所なども自由に使えて、生活の便利は良かったです。ただ、この家は、日本の建て 売りの家のように狭く、庭も芝生と菜園だけしかなく、洗濯物が干してあると、ど うも、くつろぐ気にはなれない所でした。といっても、重厚なレンガ作りで、漱石 の下宿さながらの面影を持っていました。

Sammyさんのお知り合い、South Kensingtonのスチューディオに600ポンド払ってお られるとのこと。勝手な想像ですが、漱石の下宿というのも、ロンドン中心部なら こういうKNIGHTSBRIGEやMAYFAIRといった高級な所や、郊外ならサリーの様な所を 想像していたのですが、あの時代は、今とは比べものにならないぐらい質素で堅実 なものだったのだろうかと思いなおしています。

散人


044 [97/02/27 18:31] KHB13403 SOSEKI BBS
散人さん>
 SOSEKI UKはFirst Classのソフト(無料)を使ったBBSです。そのままアクセスしても 読めませんのでご注意下さい。画像が一杯あり楽しいですよ。でも最近静かなんですよね。Sammy

散人さんの「ロンドンの下宿」大分古いですが(8年前)あの頃は安かったのですね。現 在では極めて辺鄙な場所で4畳位の部屋だって月にしますと300ポンドはかかるようで すね。ま〜ポンドが現在200¥前後ですから66万円位ですかね。(間違い6万円)

 South KensingtonにはImperial Collegeと言いましてロンドン大学では極めて優秀な学 生が学ぶ理工系の大学があります。ここの大学院で学んでいるんです。ちなみにSouth Ke nsingtonはかっての渋谷とか青山と言った知人がいましたが、ちょっと雰囲気は違います かね。でも東京都ろんどんだから・・・

Sammy


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