愛書家HPログ抄 1996年11月前半
 1996.11.1.〜11.14


「愛書家ホームパーティ」のログのうち、古書店に関連した話題を中心に愛書談義を転載しました。なお、まとまったものについては別ページに掲載しています。

《登場古書店》
彩の国古書まつり(所沢駅東口前西武ビル8Fくすのきホール)
BOOK OFF 新所沢店
本だらけ
京都古書研古書市
BOOK OFF 堅田店

260 [96/11/02 13:49] CXK02012 各地古書展さかんですね   クレイン
 昨日、所沢駅東口前/西武ビル8F「くすのきホール」にて開催の「彩の国古書まつり」をのぞきました。1〜7日までAM11:00〜PM8:00です。各地より30店参加、30万冊出品とのこと。目録の発行はありません。価格付け高し。チャリテイ・コーナーの棚は50円均一でした。中野サンプラザのおまけ本なんかもそうですが、この50円コーナーの本もチェックに下部にマジックで線引きしてます。何か古書店主のすることではないですよね。そうか、古書店主って愛書家とは限りませんからね。 50円のポケミス3冊、K・B・クラーク「ダーク・ゲットー」、マラマッド「フィデルマンの絵」、雑誌「新潮」S22年5月号、計550円を購入。「新潮」は千葉「中山古書店」出品で、ビニール入りでしたが稲垣足穂の「Xタ・マキニカリス」の号でした。編集後記には用紙がますます窮屈になってきた・・太宰治「斜陽」の1回100枚は2、3号先に延ばさねばなせなかった様子で66ページと時代を感じさせます。

 ついでに、新所沢のBOOK OFFの100円で、文庫の筑摩日本文学全集を4冊(稲垣足穂/内田百ケン/石川淳/太宰治)/その足で、[本だらけ]にて教養文庫・香山滋、他文庫3冊と彷書月刊のバックナンバーを3冊(何故か今回は@150円)。

 今朝、昨日より開催、年1回の地元古書交換回に立ち寄り。前もって持寄り(文庫本は1点、単行本は3点)点数カードにて単行本20冊ほど交換できます。カードなしは1点50円。初日の昨日は大盛況とのこと。フロム「ユダヤ教の人間感」、ウルフ「青髭ジル・ド・レー」、バラの文芸推理小説全集「横光利一・大岡昇平」なんか選んだあまりで、筑摩全集類聚・太宰治を戴く。

 どうも、冴えませんが、明日の航空記念公園での生協フェスタ会場には昨年のように古書出品あるのかしら。ともかく覗いてみましょう。

>BOOK OFFカードはチェーン店共用のようですネ。当地、1000円累積ごとに50円券ですから5%です。


266 [96/11/05 01:41] VEB02220 太田市のチャリティー古本市 LZFR
 群馬県太田市で、チャリティーの古本市があったので、そのレポートをしてみます。  この古本市は、運動公園内のグラウンドで行われてました。この公園内では、他にも様々な催し物がやっており、古本市は立ち並ぶテントの一つで行われていました。本の冊数はそれほどありませんでしたが、チャリティーだけあって値段はただ同然でした。おそらく、一般の人が要らない本を集めたのでしょう。ハードカバーの単行本が一冊50円、漫画や新書が一冊30円、文庫が一冊20円で売っていました。

 50円コーナーでは、中村真一郎という作家の新潮社の「永遠の処女」という短編集やF.レンジェルという人の「背徳学校」というポルノグラフィーを、内容も良く分からないのに衝動買いをしてしまいました。後は、昔読んで今はもう内容を忘れたレヴィ・ストロースの「構造人類学」、ウンベルト・エーコの「薔薇の名前(下)」と言った定番もの、ライフ写真講座シリーズを2冊買った程度です。

 文庫は、岩波文庫の古いものを中心にやはり衝動買いをしました。ベルクソンの「笑」、ハンスリックの「音楽美論」、トレルチの「ルネサンスと宗教改革」、デュルタイの「近代美学史」等です。他には、映画版は宮崎駿が衝撃を受けたと言っていた新潮文庫のアラン・シリトーの「長距離走者の孤独」、私の最好きな哲学書であるデカルトの「哲学原理」の角川文庫版等を買いました。「哲学原理」は、世界の名著に入っていない部分も入っていたので嬉しかったです。

 そして、漫画ですが、なんとガキデカで一世を風靡した山上たつひこの伝説的作品である「光風」のサン・コミックス版が売っていました。売っていてもプレミアが付いていることは確実なこの作品が一冊30円で買えるとは、なんとも幸運でした。1・2巻しかなかったので、3巻はまた探さなくてはなりませんが、一冊なら多少プレミアがついていても余り気にならないので、東京辺りで探そうかと思います。


268 [96/11/05 06:57] GHF00401 古書店探索マニュアル/OYAGI
東京古書店グラフィテイという本が出ました。著者は、イラストレーターの池谷伊佐夫 さん。出版元は、東京書籍です。内容は、氏のいきつけの都内の古書店80店ほどを 克明にイラスト入りで紹介しているほか(この棚には「文学」とか、丁寧に紹介あり) もちろん、氏の愛書談義も書かれています。職業がら、美麗挿絵本のことが、 多く取り上げられていて、興味深いものがあります。 そして、小生いきつけの「江口書店」は「変則開店の店」で「インテリジェンス溢れる 品揃え」として紹介されています。 さらに巻末には、紹介された書店の住所や番電話号、そして開店時間も掲載されており、親切な作りです。価格は1500円。一読の後、捜索欲が高まるにちがいありません。


269 [96/11/06 07:10] GHF00401 M.R.ジェームズ/OYAGI
M.R.ジェームズ全集 貝塚さん、ジェームズですか。古典的で重厚でペダンティックというのでしょうか、 ずっしりした怪談で、怪奇幻想ファンとしては書架に、是非とも欲しい本ですね。 それを、たぶん創土社版でしょうか、ご入手おめでとうございました。 小生は創元文庫版で持っています。前にも、書きましたがこの文庫の「怪奇部門」が 目立って本屋の棚から減っているので、あわてて神田古本まつりのかいためた、この シリーズのうちの1冊です。ということで、貝塚さんの書き込みを見てから、 ジェームズ本を取り出し、しげしげ。後書きの紀田順一郎氏の文章へ・・・。 「初版の選集はイギリスで1931年に刊行され・・」 「ふ〜ん。1931年ね。」 と、突然、小生の目は、書架の隅へ・・。そこには黒色に金で箔おしした古ぼけた本。 学生時代に、たぶんデパート古書店で買い求めたものですが、英語のジェーム選集。 取り出して見ると、刊行は1931、発行はイギリス。初版を持っていたようです。 古い本でしたので、捨てようと考えたこともあったのですが、今回のことで、大発見。 これも、このネットの効用ですね。


270 [96/11/06 11:37] CXK02012 航空公園の展示はなしでした  クレイン
 3日の航空記念公園での生協フェスタ会場、古書出展なし。格安の上、昨年あたり午後より無料になりました。最近、地元の立川、砂川BOOK OFF、格安コーナー半値コーナーともイマイチ。ドライブついでに久々、青梅のBOOK OFFに。美本の「直木三十五作品集」,文芸春秋,3200円、H1→300円/2冊 箱入「花のしとね」,駒田信二,現代企画社,2500円,1977→200円を購入。

 昨日、知人と再度、「彩の国古書まつり」をのぞきましたが、収穫なし。1冊のみ購入200円→「教化と江戸文学」,三田村鳶魚,大東出版社,180円,S17。これ新宿古書センター・高野書店出展でした。この古書まつり、今回第1回目、来年開催は今回の成果いかん。不況のようです。同行の輩は小生、以前150円買いにて1巻のみ所有の2巻もの1500円→「スペインにおける戦争と革命1936−1939」1/2巻,D・イリバル,D・イリバル,青木書店,1973。小生見送る。

 途中下車古書店で計1400円→(「クォ・ヴァディス」,シェンキー・ヴィッチ,聖バウロ女子修道会,S33/「聖なるものの社会学」,ロジェ・カイヨワ,弘文堂,S46/「聞き書き花岡事件」,野添憲治,御茶の水書房,1990/現代詩手帳[永井荷風]/現代のエスプリ[現代人の異常性/エロス/天皇制/日本思想の構造])

 余談ですが11/5蔵書登録件数(11234)−9/30(10720)=514冊ほど二ケ月にて購入ですが、リスト参照してみても、これといった掘出し本なし、NO173OYAGIさん「官職要解 講談社学術文庫」の御教示にて、回天堂書店にて購入の「江戸幕府役職集成」雄山閣3500円→700円あたりでしょうか。

 例のブロードウェイのストランド古書店新着カタログにては先月33冊ほどFAX注文済みですがTHE OLD BOOKS IN THE OLD WORLD,LEANA R他、到着楽しみです。それにしても、今回は恒例の$3.95セ ール、超厚手のハードカバーアンソロジーPLAY BOY STORYSなんか$3.95+送料$2.5ですから格安です。


273 [96/11/09 16:49] KHB11772 京都古書研古書市  散人
 火曜日に最終日を迎えた百万遍の古書市ですが、期待の五百円袋売りはなく、寂しく 終わりました。今回は共通の百円均一コーナーがなく、各店ごとの売り場が中心でした が、その分、本の質は例年よりもよかった気がします。入札コーナーは、例年通りでし ょうか……。岩波旧版『荷風全集』一部欠けているもの、全巻揃のものも、ともに1万円 の最低落札価格がついていましたが、いくらで落札されたかは不明です。相場の売り値 は\25K前後だと思いますが、8月の『古書通信』に\15Kというのがあったので、弱気にな っているのかもしれません。岩波『アリストテレス全集』\48Kも売れてしまったようで す。私の収穫の方は、雨降りが多かったためか、百円本ばかりを少々。萩書房、キクオ 書房、赤尾照文堂にて、11冊。とりたてたものはありませんでした。

 萩書房で貰った目録のコラムには、niftyのことも出ており、京都の古書店の有志が、 「本と雑誌のフォーラム」5番会議室に古書情報を流しているが、反応はいまいちとか。 私自身、見たことがありませんが、どなたかご覧になった方はおれるでしょうか……? 課金が高いnifty、今までもフォーラムに書き込みをすることもROMすることもほとんど ありませんでしたが、どんなものなのでしょうね……。以前PCVANでは入会当初は色々な SIG(フォーラム)に書き込んだりROMしたりしてましたが、多量の情報の中から自分の 好みのものに出合うことが少ないので、いつしかほとんどやめています。そういった中 niftyには知人とのメール交換とBBSの「売ります買います」目当てに入会し、今日にい たっていますが、二年くらい前にHP&PATIOの存在を知り、その面白さにはすっかりはま っています。  散人


276 [96/11/10 07:03] GHF00401 バザーめぐり/OYAGI
 昨日は区内のある福祉法人のバザーへ行ってきました。この法人は、戦前に 孤児院としてスタートし、後には結核患者の療養所、そして今は老人専門病院に、 特別養護老人ホーム2ヶ所を持つ総合的な老人福祉施設として活動している法人です。

 その秋の恒例のバザー、本も1000冊ほど、それも古いものも結構出るので、ここ 10年ほどは皆勤です。  雑誌ユリイカの1970年のもの2冊各30円。(シュルレアリスム特集のものは、 渋沢の「悪魔のいる文学史」が連載中で、また裏表紙には1200円と鉛筆で値付が) そして早川のサイエンスフィクション全集が揃いではなく20冊でしたが、箱・帯つき で状態は並ながら2000円。この全集は高校時代の愛読書でしたので、重さも省みず 購入。年末年始、折りに触れ再読しようと考えています。

 そして昨日、「ふるほん文庫やさん」から連絡あり、9月に蔵書として譲った200 冊の査定が出て、当方の指示どおり、所蔵の文庫を送るとの由。書棚すっきり、探し本 多数入手。ほんとうに、有り難いことです。到着が楽しみです。


280 [96/11/13 00:25] KHB11772 関西 BOOK OFF 紀行 堅田店 散人
 10月某日。あまりにも穏やかで天気の良い昼下がり、鯖街道(国道367号線)を走って、 小浜へ抜けようかと思って、バイクで外出。途中どうもエンジンの調子が悪く、朽木村 にて休憩。バイクを止めて古い宿場街をぶらぶら散策。なかなか風情ある集落でした。 結局、安曇川町へ出て、引き返すことにしました。

 安曇川町には、中江藤樹の記念館などがありますが、それらはパスして、町立図書館 にて休憩。新しく立派な図書館でした。郡内一の大きさだそうで、800(240坪)平米で、 10万冊の収容能力があるとか。なかなかいい図書館なのに、どこか違うなと思っている と、なぜかクラシック音楽が鳴っているのが耳につきます。音楽というものは、たとえ クラシックであろうと、有難迷惑なことがあるとつくづく思われます。

 図書館の案内を見ていて思い出したのは、流行歌のやかましい奈良の大型古書店ブッ ク245。音から売り場の面積の記憶も蘇ります。確かに1000坪、100万冊と書いているの ですが、見るからに安曇川町立図書館より大きいことは確かでも、面積にすれば4倍、蔵 書数では10倍以上ということですから、果たしてどうなのか気になるところです。神田 神保町の三省堂本店の売り場面積920坪とのことですが、ブック245はホラを吹いている のでしょうか……。(どなたか行かれた方はおれるでしょうか?)

 それはともかく、琵琶湖畔に沿いながら、161号線を大津へと向かうこと少々。堅田 ダイエー近くにて、BOOK OFF発見。大津石山店よりも、均一コーナーは充実している感 じですが、ここも派手に音楽が鳴っています。そうしたことを気にしながらも、1時間 近く、いろいろ物色して、百円均一を中心に9冊購入。宮脇俊三氏『車窓はテレビより 面白い』などもあり、満足。この宮脇氏の紀行文、なんとなく集めています。 散人


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《愛書家ホームパーティー過去ログ総目次》