愛書家HPログ抄

 1996年9月前半 1996.9.1〜9.14


「愛書家ホームパーティ」のログのうち、古書店や古書市に関連した話題など愛書談義を転載しました。なお、まとまったものについては別ページに掲載しています。


[96/09/01 01:30] KHB11772 RE:#124「古書店雑感」 散人
 それにしても、古書店のこと、いろいろ想像するのは楽しいですね。古書展出品の本 と、店頭売りの本の違いなど、なるほどと思いました。古書展にしても、青空古本市と デパートの古書展とでは、出品も異なるのでしょうが、目録に載せる本というのは、一 体どんな本を載せるのか、イマイチ私には判らないところがあります。例えば、京都キ クオ書店の『特選欧米古書目録』など、高価な洋書をよりすぐって載せていますので、 店頭では売れない本を全国の愛好家に周知するという意味で、目録発行の手間暇の価値 はあるように思うのですが、書店によっては、数百円程度の売り値の本ばかりを大量に 掲載しているところもありますが、店頭でも売れないでしょうが、目録に載せて、売却 しても、その手間の元がとれるのだろうかと不思議に思うことがあります。それでも、 全国各地で目録が発行されつづけていることを思えば、やはり商売として成り立ってい るのでしょうか……。古書店の方の生の声、聞きたいと思いながら、未だ聞いたことは ありません……。     散人


128 [96/09/01 01:30] KHB11772 RE:#125「古本マニア雑学ノート」 散人
 この本、私は、書店で少々立ち読みしました。私とも収集分野は異なりますが、やはり 「本を集める」という共通点は大きいように思いました。
 OYAGIさんが20年間会員を続けておられるという「蚤の市」、私も大いに興味をそそら れる部分が大きいのですが、自分自身滅多に本を処分しないのと、不要不急の本は、均一 コーナーに出まわるまで「待つ」ことにしているので、外からお話拝見するにとどめてい ます。この「古本マニア雑学ノート」、出品が多かったそうですが、皆さんやはり、数百 円の価格を付けておられるのでしょうね……。と思うと、これなどはきっと、均一コーナ ーで見かける様になる本でしょうから、やはり「待つ」のが得策で、どうしても読みたけ れば、図書館を利用するか、そこになければ、新刊本屋で立ち読みするかということにな りそうです。   散人


129 [96/09/01 07:11] GHF00401 本の「おまけ」/OYAGI
本の中の「おまけ」ですか。これは、いいテーマです。小生も、興味しんしん(^_^) 小生は、お金はありませぬが、以下のようなものを発見しました。

硝子戸の中 夏目漱石 珍袖本 で、大正の中期の再刊本。上海共同祖界の、  トロリーバス1等の半券。実は、この本、「上海内山書店」のシールが末尾に添付。  大正時代に上海に遊んだ旅人のお土産と思しき本でした。ちなみに、半券は鉄道マ  ニアの同僚へ、そして本自体は漱石の「論文」を書いてたバイトの女子学生に、  それぞれあげました。

〇1年半有 兆民 明治末の再刊本、この本には昭和20年8月の月めくりカレンダー  がしおりとして挟まれていました。名刺の倍程度のちいさなもの。この小さな、  紙切れが「歴史」を間近に感じさせます。また、書物には所々書き込みが、終戦後  に読み直して書き込んでるようでした。

〇書名不明。海の上に鮭が、ぴょん!と飛び上がった、ご存じ某社の「鮭缶」の、  引札です。印刷は稚拙で、大正頃のものか?

 後、名刺とか、映画などの半券も、結構ポピュラーですね。


131 [96/09/03 02:12] VEB02220 RE:125 「古本マニア」読みました LZFR
 唐沢俊一の「古本マニア雑学ノート」は私も図書館で借りて読みました。古本関係の 本を読んだのは始めてだったので、古書の探索のあまりの深さにクラクラしながら読み ました。古書店の看板の本を根こそぎ買っていってしまう棚荒らしと古書店主の知力を 尽くした戦いなど、異世界の話を読んでいるようでした。

 私も中学くらいから古本屋に行くのが一番の娯楽という様な生活を送っていましたが その時々に、店の棚に並んでいる本の中から自分の気に入った本を、たまたま見つける のが趣味だったので、ある特定の本を意地でも捜し出すという技は全然磨いておらず、 古書即売会のエレベーターの並び方にまで徹底的にこだわるという、この世界の奥の深 さに嘆息いたしました。

 実は、このHPの案内を見たのは、この本を読んだ直後で古本に対する興味がちょう ど湧いてきて、古本について何か読みたい!と思っていた時期でした。以来、皆さんの 書き込みを楽しみに読ませていただいています。


133 [96/09/03 07:42] GHF00401 その後/OYAGI
その後 1 「本のおまけ」
 明治時代の本には、片面に2頁分印刷した紙を半分に折る時、厚さを出すため間に別な紙を挟み込む場合があります。昭和初年、そんな挟み紙の中から「楚囚之辞 透谷」が、発見されたことは、余りにも有名な話です。その後、小生もなんのきなしに、ボール紙 表紙本「大岡政談 明治17年刊」を見てましたら、挟み紙。そしてそれは、明治10年代初初頭の「日本郵船の荷受け書」でした。依頼人氏名、受取人氏名・印そして印紙が、添付されています。文字はすべて筆で墨。都合64枚。海運黎明期の当時が彷彿とします。


137 [96/09/06 10:50] CXK02012 文庫掘出し本   クレイン
  岩男淳一郎「絶版文庫発掘ノート」1400円、青弓社、1983年刊、をパラパラ。著者、自ら古本屋にて掘出しの名著絶版文庫の紹介と、その掘出し経験譚てす。各々の絶版文庫、当時の古書価格 も言及してます。所ところ休話の[紙魚のつぶやき]でも、文庫本専門店の百円均一台で掘 出しては、店の主人はその道のプロだから故意にスキを見せたに違いない、と褒めるあとから、神保町の古書店はおしなべてスキがない、しらける、やりきれない、人間同様スキのない古書店 ほど面白味のないものはない、と貶しです。端から端まで、絶版文庫を求め、古書店めぐり、 格安発見、発掘のオンパレード。なかなか嬉しい本です。  日本の名随筆/別巻12「古書」1600円、 作品社、1992年刊、紀田順一郎編、も楽しめます。骨董化した古珍書・宮武外骨/古本評判記・ 永井荷風/掘り出し本・庄司浅井水/職業の秘密−私の雑本買い・磯田光一、麻布での古本即 売会・森銑三、など36名36点の古書にまつわる名エッセイ・アンソロジー、こちらもオンパレードです。この日本の名随筆シリーズ、1983年よりの「花」1期〜10期、100冊までタイトルは漢字一文字でした。「囲 碁」からの、別巻シリーズより、漢字二文字になりました。小生、1期〜5期までの50冊、某所BOOK  OFFにピカピカもの@100円で並んだ折(数冊すでに売れてましたが)まとめ買いしました。6期〜10期はなかなか出ません。別巻シリーズは別所BOOK OFFに並びましたが半額の800円、ポチポチ買い。アンソロジーでは、楽しみと冒険シリーズ第10巻「ポケットの本、机の本」丸谷才一編、920円、新潮 社、S54年刊、でもボチボチ古書逸話、楽しみました。

◎ *文庫やさん*の「文庫三昧」
月刊になり毎月25日発行、年会費として送料の一部負担(年1000円)のようです。☆見本誌、 資料一式、「文庫三昧」最新号、案内等、無料配付の様子。 株式会社ふるほん文庫やさん   〒800-02北九州市小倉南区葛原本町4-1-2TEL093-475-2583 FAX 093-475-2590


139 [96/09/07 01:07] KHB11772 RE:#137「ふるほん文庫やさん」  散人
 「文庫三昧」見本誌入手方法、ご教示有り難うございます。おそらく通販をすること はなくても興味津々ではあります。均一コーナーなどで名著の絶版本を掘り出すのは、 楽しみの一つですが、プレミアムのついた絶版文庫をあえて買ったことはいまだにあり ませんが……。本の買い方にしても、本当に人それぞれのスタイルがあるようで面白い 限りです。  散人


142 [96/09/08 06:59] GHF00401 絶版文庫/OYAGI
絶版文庫を高額なお金を支払って買う・・・、小生も経験ないですね・・・。 ただ「文庫マニア」という方が結構おられますので、その足元を見るように、岩波文庫 などでは1000〜3000円の値段つけたものが結構ありますね。しかし、旺文社文庫が絶版決定と共に値上がりしてそのすべてが500〜2000円というのは、マニア価格の最たるもののように思います。小生の知り合いにも「旺文社文庫完備」をめざし、ガンガン金にいとめをつけず買い込んでいる人がいます。(^^;;;;;;)小生も随分とりあげられました・・。そして、あと40冊ほどで揃うというので、さらに拍車が・・おおこわ・。さらに「サンリオ文庫」「創元社推理文庫の初期の推理小説もの」になりますと、様相がちとちがって、SFファン・推理小説ファンが買い求めるようです。このあたりに触手を伸ばすわけですから、これはかなりのファン!。古書店はそれを十分承知してますから、5000円なんて値段が平然とつけてることもあります。またそれを買う、中学生みたいのがいたりもします。(^^;;;) 小生は「めずらし文庫本」探索一本槍で、先日報告した「風流志道軒伝」や、随分前に 披露しました「カムチャッカ探検 満州日々新聞社刊」「改造社世界文庫」など買い込み読んで、楽しんでいます。


143 [96/09/08 07:21] GHF00401 幸田成友本/OYAGI
 幸田露伴の弟、成友は近世日本史の研究者で、当初「大阪府史料編纂所」に勤務し、 そこでの研究成果をもとに、明治の末にいくつかの著作を出しました。「江戸と大阪」はその代表作の一つで、江戸時代の「江戸と大阪」を経済や文化の面などで比較分析した 名著の誉れも高い本です。

 これらの本は、昭和に入って、出版社の勧めで何冊かが「増補・改訂」され、再刊されました。いずれも、学究が丹念に冷静に分析し書き記した本という風情で、端正な文章 ともあいまって、小生お気に入りの本となっています。

「大鹽平八郎 創元社 昭和17年刊」を先日買い求めました。カバーつきの奇麗なもので、価格は500円。昭和16〜19年にかけて、統制下の出版界では何種類かの「名著選集」が刊行されていました。この本もそのシリーズの一冊で、このタイプの本は500〜2000円が相場ですから、ちと安い程度の値段でしょうか。 大塩平八郎の家系・家族関係、与力としての仕事ぶり、若くして隠居してからの開いた塾のこと、そして決起・敗退・自刃まで、淡々と史料もとに筆をすすめていきます。 自刃の後、幕府は沙汰書を出しますが、その一節には「息子の婚約者を妾にし子供も、 もうけた」というくだりがあります。翁は、史料的には事実無根で、幕府は陽明学者 としての清廉潔白のイメージを壊すための姑息な手段をとったものだと、一喝! 胸がすくものがあります。翁の外の著作、「フランシスコ・ザビエル伝」「日歐貿易史」読んでみたいものです。


144 [96/09/09 06:56] GHF00401 ややっっ/OYAGI
 早稲田&青蛙房/OYAGI
 秋の古本祭の第一弾の「早稲田」は、今年も10/1〜10/6まで、穴八幡神社境内で開催されます。その目録が早くも店頭に登場!。先着順ということで、さっそく購入しました。

 岡本綺堂の子息、経一氏が経営する「青蛙房」は、江戸情緒あふるる良本を、限定版で刊行してきました。その本が、どうやら、ゾッキにながれているようなのです。たとえば、「女芸者の時代 定価4200円」古書店で2000〜3000円が、なんと1500円・・・。思わず買い込みましたが、嬉しいような寂しいような・・・。

 店長いわく、この本屋の本少なくて、すぐに売れちゃうから、今度は値上がりするよと。卿らよ、買い時かもしれませぬぞ。


145 [96/09/09 10:16] CXK02012 付録です   クレイン
 平凡社の雑誌・別冊太陽「近代文学百人」1975年、初版本、自筆、原稿、カラー写真で楽しめます。これ、特別付録も素敵です。太宰治の佐藤春夫宛てのはがきの複製/夏目漱石「椿図」/芥川 龍之介「鼻」自筆原稿複製・冒頭1枚が添付されました。別冊太陽、あちこちで見かけますね。

 はがきは裏表カラー複製で昭和11年9月16日消印------------   小石川区関口町   二0七  佐藤春夫 様      ゴルゴダの丘、太宰治 二十八歳の秋、スデニ肌ノ ヌクミ ナツカシク ヤット オノレノ ワルイトコロ ワカッタ. 私タチ不幸デスネ. 重箱ノ スミノミ ホジクッテ 反発 愛憎. ヨスギテ 不幸。  イツカノ言葉ノママ。文壇サヨナラ −−−−−−−佐藤春夫の死後、発見されました。

 原稿用紙複製では、高価な出版物ありますが、入手しやすい物、ほるぷの名著復刻シリーズ、S47年刊、名作自選・日本現代文学館・別冊、川端康成「眠れる美女」。170枚ほどの原稿用紙復刻です。これ、セット販売シリーズの別冊ですが、特別付録の類でしようか。小生、この巻のみ古書入 手2000円。A3、3センチほどで、布はり平箱に納ってます。 ◎訂正 「波のまにまに」は平成元年,内田春菊,朝日ソノラマ,800円でした。青林堂の本、「闇の まにまに」1986,850円にも「波のまにまに」シリーズの一部入ってます。


147 [96/09/09 12:17] CXK02012 文庫やさん、ありがとう   クレイン
 先日、《株式会社ふるほん文庫やさん 資料一式、「文庫三昧」最新号、案内等、無料配付の様子》と御紹介させていただきましたけど、同日に小生も資料請求のFAXをしました処、 早速昨日、佐川急便にて到着。ありがとう、ほんとに益々、恐縮しちゃいます。 「文庫三昧」通算第16号・祝・続・続々・続々々・又・又々売上新記録謝恩特大号/5000冊在庫目 録(90ページ) 「文庫三昧」通算第3刷の11号、前略手紙特集号6年5/20〜7年7/1日付/臨時増刊号(96ページ) 以上、最新刷り2冊と12ページ「文庫やさん」営業案内、新聞に紹介されたトピックス記事5枚も同 封でした。小生、よいお客ではありません。1冊の文庫購入もなしで、創刊号より再三、いただいております。「文庫三昧」次号より、年8回(45日)発行の様子です。年1000円は変りません。  OYAGIさんも御言及のように文庫の絶版を察しての、法外な価格付け往々に見かけます ね。時には、同店で格安にて単行本入手可能なものまで、文庫本高価格なのには、笑ってしまいます。とはいえ絶版文庫本リストの類、未知の面白本探索の予備知識には絶好の資料です。なにしろ文庫本ですから、並みの価格付けですと、殊更に安価です。ところで《文庫やさん》 の価格、上限にて1280円の方針。ちなみにサンリオSF文庫、今回50冊ほどですがオール1280円。「ママ・グランテの葬儀」集英社文庫になると160円。店主・谷口雅男氏、すべての文庫本を網羅する、文庫本の大図書館をつくる、壮大な夢をお持ちの方です。

>昨日、「推理小説の誤訳」古賀正義、サイマル出版会400円/新潮文庫「世界文学をどう読むか」ヘルマン・ヘッセ30円/新潮文庫S32年「アルベエル・カミュ」ロベール・ド・リュペ100円/古書購入。(^^)


148 [96/09/11 09:20] CXK02012 目的によってちがいますね。
 昨日たまたまパラパラ2冊、横田順彌「探書記」1992年、本の雑誌社、出久根達郎「古書法楽」19 90年刊、新泉社、共に本間久「小説 枯木」(良朋堂書店、明治43年刊)に言及あり。  <「枯木」の作者と読者>他の著書にても、再三御教示のように出久根氏、個人全集の最終巻 [雑纂]の類を古書屋の寅の巻、商売のヒントが至る所ちりばめられていると熟読のお薦め。そ こから、鴎外全集「雑纂」収録の「枯木」跋文(−−余り世間へ推薦しにくい書だと思う−− と義理に読まされたにしても、とても賛辞とは言えぬ、ひどい跋文)から、昨今、にわかには 見つからぬ菊判の厚手の本を、たまたま百円で寄せ集め雑本の内より手にして読書。うんざ りして巻を置いてしまいます。その電車内で偶然に老人に声をかけられて・・・(当エッセイ珍談 省略)。−−主人公が中学時代野球に熱中したあまり放校される顛末がでてくるが、当時珍 しかった野球の描写はお座なりで雰囲気がない。観察不足なのである。現代の私たちが昔 の小説を読む場合、ストーリーの展開を楽しむのは勿論だが、風俗をなつかしむ気持ちも大いに ある。だから物語としては駄作だが、風俗資料としては第一級という、そんな見方も許され るだろう。「枯木」には共に備えていない。−−漱石全集「雑纂」収録の序文のあるポーの翻訳 書の訳者・本間久四郎は本間久ではなかろうかと考察があります。/<小説 枯木の奇々怪 々>当時の野球少年の熱狂ぶりが描かれているらしいと、横田氏は明治の野球資料として15 年来の探究書、古書入手。−−小説そのものは、あまり感心しなかったが、−−野球資料とし ておおいに役にたった−−として、氏も鴎外の跋文に言及。/両人の言によりますと、どう やら、マシュー・ア ーノルドの詩、天馬桃太、馬場孤蝶、徳富蘆花の前書き、夏目漱石との対談、鴎外の作品感想文、 著者らしき写真8枚も掲載の独創本の様です。/勿論小生、特に欲しません。


149 [96/09/11 18:54] VEB02220 早稲田古本祭の目録購入 LZFR
  先日、神保町に行ったときに、早稲田青空古本祭の目録を買ってきました。私が古本市 の目録を買ったのは、これが始めてだったので、目録の大半がエッセイなどで占められて いるということに少し驚きました。古書店の店主さんのエッセイが色々と載っていたの で、古書店の裏側が少し覗けた気になって面白かったです。しかし、皆一様に不景気なこ とばかり書いているのは、店主の性格のせいなのか古書店そのものがもうからない商売 だからなのか謎です。

  後半半分は、ズラーッと書名の並んでいる目録ですが、さすがに目録に載せる本だけ あって値段の高いものが多いです。数万円もする本がズラズラーッと並んでいるのはな かなか壮観です。しかし、そういう本は私には手が出ないので、そういう本は「凄いな 」と感心するだけにして、私好みの値の張らない本を捜します。すると、虹書店さんの本 の中に私の欲しかった、みすず書房の「カミーユ・クローデル」があるではありませんか。ここでは 、何故か定価9785円のところ3900円で売っていました。あまりに安いので、みすずが私が 知っているのとは別の「カミーユ・クローデル」を刊行していたのか?と思いましたが、出版された 年度を見てみるとやはり9785円のレーヌ・マリー・パリスの書いた本らしい。状態が悪いのかもと も思いましたが、目録には特に記述がありません。これなら、大丈夫だろうと思ったので 、これまた生まれて始めて注文をしてみました。

  すると、その本が、注文してから数日で届きました。包みを開けてみると、ちゃんとレー ヌ・マリー・パリスの「カミーユ・クローデル」が入っていました。状態も特に悪いということもないよう です。かなり値の張る本だったので、自分では買えないかと思っていたのですが、送料 込みで半額以下とかなり安く買えたのでラッキー!という感じでした。


150 [96/09/12 01:11] KHB11772 赤尾照文堂  散人
 9/9の「京都新聞」に赤尾照文堂の店主の記事が出ていました。なんでも脱サラして、 家業の古書店を継いだ3代目とか。京都府古書籍共同組合のインターネット利用研究委員 会の会長とのことで、図書の検索が出来るようになればという抱負などを語っておられ ました。私もインターネットは本探しに適しているという思いが強いのですが、京都の 組合のホームページでも、35店が目録紹介にまで参加したとのこと。リンク先に加えさ せて貰っていますが、最近は覗いていないので、図書の検索が出来るのかどうかは未だ 確認していません。

 話しは変わりますが、東京古書組合のホームページの連合目録、先日試しに検索して みたらかなりヒットしていました。何冊ぐらい入力しているのかどうか知りませんが、 インターネット古書情報として名を売っている「有限会社紫式部」の「新源氏物語ホー ムページ」のサーチエンジンよりも、コンテンツが豊かなような気がしました。組合や 業者の間で色々勢力争いのようなことがあると聞いたりしたのですが、我々客としたら 豊富なデータの中から、欲しい本が探せて、《安く》で購入できることが何よりの願い です。現段階では、送料などのことを考えれば、まだまだ店売りにはかなわない気がし ています。   散人


151 [96/09/12 01:11] KHB11772 本日の収穫  散人
 先日、京都寺町電気街のバーゲンにて、光磁気ディスク(PD)を\35Kで購入したので すが、本日はその市場調査をかねて大阪日本橋に行ってきました。ソフマップなどを覗 くと、PD本体は中古でも5万円、230MのMOでも4〜5万円するので、かなり格安で購入した ことになります。PDのディスクは2枚で\6.5Kより。京都では1枚\4K弱で購入したので、 こちらはさすが大阪、安売りの都です。PDディスクは容量が650Mと大きく保存期間が30 年と長いのが特徴ですが、MOやZIPドライブに押されて、βビデオのような運命をたどる のではないかと不安なところです。

 それはともかく、せっかくの日本橋ですので、いつもの如く古書店散策も行ってきま した。まずは、近鉄日本橋駅北の昭和書籍日本橋ブックセンター。アダルトや漫画や文 庫、色々な雑本のなかに、ちょっとした文学全集などもあったりする支店が3つほどあ りますが、ここでは時々欲しかった本を見つけています。今回は、宗教関係のムック本 など。例えば、学研Books Esotericaシリーズ『チベット密教の本』『ヒンズー教の本』 、それぞれ\1200→\840。今年の3月、東京早稲田のいこい書房にて、\700で買った本で した。講談社の『禅』というムック本。\1100→\400、写真も多く、見ていて面白い本で す。その他、『図解仏像のすべて』PHP(\1300→\900)、『山岳霊場御利益の旅』小学館( \1500→\1000)など。なかなかいいコレクションになりそうです。ここから、電気街まで 歩き、帰りは、難波大阪球場の古書店街。丸富書店にて、朝日新聞社「朝日美術館シリ ーズ」で『フリードリヒ』と『クレー』を購入。どちらも大好きな画家。在庫が沢山あ るようで、『フリードリヒ』は友人の分も含めて2冊購入。それぞれ\1800→\500、ほと んどカラーで、1996年4月発行ですので、かなり得した気分です。   散人


159 [96/09/14 13:06] KHB11772 「ふるほん文庫やさん」   散人
 「ふるほん文庫やさん」、見本誌と案内の無料送付を依頼したところ、同じく翌日に は佐川急便にて到着し、そのすばやい対応驚きました。送ってもらった資料は、クレイ ンさんが#147でお書きのものと、おそらく同じだと思われますが、最新の『文庫三昧』 と、バックナンバー1冊、新聞雑誌の紹介記事のコピーと営業案内などでした。そういっ た資料を読んでいると、文通のような形で始まった通販とのことですが、今でも手書き の手紙まで同封されており、恐縮しました。

 『文庫三昧』は、古本業界の話など、なかなか面白く拝見。「文庫やさん」も買い取 査定が遅れて麻痺状態とのことですが、街の一般古書店による買い叩きに、不信を持つ 愛書家が多いことの裏返しでしょうか……。福島の「たもかぶ」も買い取り依頼が多く て処理が遅れていると書いていたように思いますが、買い叩かれた自分の本が高値で売 られているのを見たくないという心理の裏返しか、それとも、自分の愛蔵書が目の前で 古書店店主に値踏みされるのが堪えられないのか、心理的な問題かもしれません。

 『文庫三昧』は、インターネットのホームムページより、ダウンロードできるそうで すので、次回はそちらを利用しようと思いました。営業案内を詳しく読んでみると、前 売りのチケットを必ずしも購入する必要はないようですので、探究文庫を見つけたとき は利用するかもしれませんが、今のところは、百円均一コーナーで探してやろうという 気が強いので、当方も、おそらくよい客にはなりそうにありません。  散人


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《愛書家ホームパーティー過去ログ総目次》