Lynx バージョン 2.3 ユーザーガイド
Lynx は、カーソル位置指定可能な文字セル型表示デバイス (例えば vt100 端末、
PC や Mac 上で動く vt100 エミュレータ、その他 curses 指向の表示を行うもの)
を用いている人のための、完全仕様の World Wide Web (WWW) クライアントです。
ローカルのシステムにあるファイルに対して、同様に Gopher, HTTP, FTP, WAIS,
および NNTP サーバを実行しているリモートのマシンにあるファイルに対しての
リンクを含む、HTML (hypertext markup language) ハイパーテキスト文書を表示
します。Lynx の現在のバージョンは UNIX および VMS 上で動作します。DOS
バージョンは現在開発中です。
Lynx は World Wide Web 上の情報にアクセスするため、またローカルのアクセスを
基本に情報システムを構築するため、用いる事も可能です。例えば、Lynx は
いくつかの Campus Wide Information Systems (CWIS) を構築するために使われて
います。さらに、Lynx はひとつの孤立した LAN の中でシステムを構築するために
用いる事もできます。
主題を選んで下さい
Lynx はコマンド名に続けて表示したいファイル名を入力する事により起動
できます。例として、以下のコマンドは全て任意の ASCII テキストファイルを
表示するために使われます:
- UNIX
lynx myfile
lynx /home/my-dir/myfile
- VMS
lynx dua5:[my-directory]myfile
Lynx は、起動時されると画面を消去し、指定されたファイルの画面の大きさに
ちょうどよい量を表示します。下矢印キーを押すことによって、次の画面に進み、
ます。上矢印キーを押すことによって前の画面に戻ります。起動時にファイルが
指定されなかった場合、デフォルトのファイルが表示されます (デフォルトは
システム管理者によって、コマンドをインストールするときに設定されます)。
Lynx は、ファイル名が ".html" で終っている場合、HTML (HyperText Markup
Language) で書かれたファイルを表示することもできます。HTML は、(その他の
もののなかに) 他の文書へのハイパーテキスト・リンクを含むファイルを
作れるようにするためのファイル形式です。互いにリンクされたいくつかの
ファイルは、ハイパーテキスト文書として記述されます。
例えば、以下のコマンドは HTML ハイパーテキストを含む文書を表示するために
使われます:
- UNIX
lynx myfile.html
lynx /home/my-dir/myfile.html
- VMS
lynx dua5:[me]myfile.html
Lynx が HTML ファイルを表示する場合、「ハイライト表示」されたひとつの
リンクを除く、他のリンクを「ボールド」のテキストとして表示します。
「ボールド」や「ハイライト表示」のテキストは、反転表示、ボールド体、
あるいは色の違いなど、用いる表示デバイス (およびその設定) に依存した
方法によって表示されます。Lynx はリンクの表示方法を制御することは
できません。
「ハイライト表示」されたひとつのリンクは、その時点で「選択」されている
リンクです。右矢印かリターンが押されると、Lynx は選択されたリンクに
関連したファイルを表示します。あるリンクを選択するには、望みのリンクが
「ハイライト表示」されるまで、上または下矢印キーを押し、右矢印か
リターンキーを押すことによって、リンクされた情報を見ることができます。
HTML ファイルに含まれる情報が、リンクされたファイルが何処にあるか、
どのようなサーバがそれを提供しているか (例: HTTP, Gopher 等) を
Lynx に教えます。
バイナリファイルにであった場合、Lynx はユーザにファイルをダウンロードするか、
キャンセルするかを尋ねます。ユーザがダウンロードのため 'D' を選択した場合、
Lynx はファイルを一時的な場所に転送し、ユーザにオプションの一覧を示します。
唯一のデフォルトのオプションは "save file to disk" で、これは Lynx が匿名
モードで動いてる場合は利用できません。任意の数の追加ダウンロード法が、
システム管理者によって lynx.cfg ファイルの中で定義できます。kermit, zmodem,
FTP などのプログラムが利用可能なオプションです。 (目次)
文書を参照している間に、オンラインヘルプが利用できます。ヘルプ項目の一覧を
見るためには '?' か 'H' キーを押します。ヘルプファイル内での操作方法は、
6章の「Lynx によるハイパーテキスト文書の操作」を参照して
ください。(目次)
Lynx を終了するには 'q' コマンドを用います。本当に終了するかどうか尋ねて
くるでしょう。'y' と答えれば終了、'n' と答えればもとの文書に戻ります。
確認なしで終了したい場合は 'Q' か CTRL-D を使います。
(目次)
ローカルファイルの参照を経ずに、リモートのファイル (あなたが Lynx を実行
しているマシンと異なるコンピュータシステムにあるファイル) を参照したい
場合は、ファイルを URL (Uniform Resource Locator) を用いて指定する必要が
あります。URL は一般的に以下の形式を取ります:
PROTOCOL :// HOST / PATH / FILENAME
ここで
PROTOCOL
- ファイルを提供するサーバが用いるプロトコルを定める。前に
注意したように、Lynx (および他の WWW クライアント) は、様々な
サーバと、それぞれ異なるプロトコルで交信することができる。
HOST
- サーバが動いているコンピュータシステムのインターネットアドレス
PATH
and FILENAME
- 望みのディレクトリパスとファイル名を定める。
以下、URL のサンプルをいくつか挙げる。
- HTTP (HyperText Transfer Protocol)
http://www.cc.ukans.edu/lynx_help/lynx_help_main.html
- Gopher
gopher://gopher.micro.umn.edu/11/
- FTP (File Transfer Protocol)
ftp://ftp2.cc.ukans.edu/pub/lynx/README
- WAIS (Wide Area Information Service protocol)
wais://cnidr.org/directory-of-servers
以下のように、コマンドライン上で Lynx に URL を示すこともできる:
lynx http://kufacts.cc.ukans.edu/cwis/start_kufacts.html
(目次)
Lynx のスタートファイルを WWW_HOME 環境変数で指定することもできる。
- UNIX
- ksh
export WWW_HOME=http://info.cern.ch/default.html
- csh
setenv WWW_HOME http://info.cern.ch/default.html
- VMS
define "WWW_HOME" "http://info.cern.ch/default.html"
ハイパーテキスト Web 内での移動、選択とリンクの表示は「操作」として知られ
ている。Lynx では、ほとんど全ての操作を矢印キーと数字キーパッドによって
行うことができる。
+-------+-------+-------+
| TOP | /|\ | Page |
arrow keys | of | | | UP |
| text 7| | 8| 9|
+---------+ +-------+-------+-------+
| SELECT | | | | |
| prev /|\| | <--- | | ---> |
| link | | | 4| 5| 6|
+---------+---------+---------+ +-------+-------+-------+
| BACK | SELECT | DISPLAY | | END | | | Page |
|<-- prev | next | | sel. -->| | of | | | DOWN |
| doc. | link \|/| link | | text 1| \|/ 2| 3|
+---------+---------+---------+ +-------+-------+-------+
これ以外にも、操作を助けるためのキーボードコマンドがいくつかあります。
これらのコマンドのうちいくつかは、Lynx が訪れたファイルの一覧を「history
リストとして」保存していること依存しています。「バックスペース」または
「デリート」キーによって、history リストが表示されます。表示されてる文書は
どれも、history 画面から選択することによって、再訪することができるでしょう。
キーコマンド 'm' で始めの画面に戻ります。
'i' キーは文書のインデックスを表示します。デフォルトのインデックスは通常
世界中のいくつかのサーバを指した文書ですが、インデックスはシステム管理者、
または -index
スイッチを使うことによりコマンド行から、また
使っている Lynx がどう設定してあるかによって変わります。
もし active access authorization 付のサーバを選んだ場合、Lynx は自動的に
ユーザ名とパスワードを尋ねます。正しい情報を入力すれば、要求した情報を
受け取ることができます。同じサーバに対して再度ユーザ名とパスワードを要求
された場合、Lynx はこれを自動的に送ります。(目次)
文書は 'p' コマンドを用いて出力することができます。'p' を押した後、出力
オプションメニューが表示されます。メニューはいくつかの事実に深く関係して
います。まず、ローカルの情報システムにアクセスできるようにユーザが Lynx を
実行できる特別のアカウントを用意しているサイトがあります。通常これらの
アカウントはパスワードを必要とせず、ユーザの同定を求めません。結果として、
このようなアカウントは「匿名 (anonymous)」アカウントと呼ばれ、ユーザは
「匿名」ユーザとみなされます。ほとんどの設定では、全ての (匿名ユーザを含む)
Lynx ユーザは自分自身にメールを送ること、ファイル全体を画面に表示することが
可能となっています
自分自身のアカウントで Lynx を使っている (いわば「非匿名ユーザ」) の
ために、追加の出力オプションが利用できます。まず "Save to a local
file"
は文書をディスク上のファイルとして保存します。システム管理者は
いくつでも出力オプションを追加することもできます。(目次)
Lynx では2つのコマンド "/" と "s" が検索を実行します。通常の文書を参照
している場合、現在の文書の中から語句を検索するには "/" を使います。検索の
方法はオプションメニュー (下記参照) の検索オプションの設定に依存します。
検索オプションは case sensitive か case insensitive です。「インデックス付
文書」になっている文書があります。これらの文書は、インデックスサーバから
得られる追加情報を用いて検索を行うことができます。"s" キーがインデックス付
文書の検索を行います。(目次)
'o' キーを押すことによって、Lynx のオプションメニューにアクセスできる
でしょう。現在の Lynx オプションメニューは、以下の設定可能なオプションを
含んでいます。
Options Menu
E)ditor : emacs
D)ISPLAY variable : aixtest.cc.ukans.edu:0.0
B)ookmark file : home_page
F)TP sort criteria : By Filename
P)ersonal mail address : montulli@ukanaix.cc.ukans.edu
S)earching type : CASE INSENSITIVE
C)haracter set : ISO Latin 1
V)I keys : OFF
e(M)acs keys : OFF
K)eypad as arrows
or Numbered links : Numbers act as arrows
U)ser mode : Advanced
L)ocal execution links : Always off
オプションは、設定したいオプションの大文字になっている文字を入力すること
により (例:Editor なら 'E') 設定できます。テキストを入力するフィールドは
単純にキーボードからテキストを入力して下さい。バックスペースおよびデリート
キーが間違いを正すために使えます。CTRL-U で行全体を消去します。変更を
入力し終えたら、リターンキーを押せば Command?
プロンプトに
戻ります。
選択肢の中から値を選ぶフィールドは、適当なキーを押せば選択肢が切り替わり、
リターンキーを押すことによって確定します。
オプションの設定が終れば、'r' コマンドで Lynx に戻り、'>' コマンドで
オプションを .lynxrc
ファイルに保存して Lynx に戻ることが
できます。
以下の表は、オプションメニューで利用できるオプションについてです:
- Editor
- 参照しているファイルを編集する場合、またメールやコメントを送る
場合に起動されるエディタ。可能ならばフルパス名を指定すべきである。
- DISPLAY variable
- このオプションは UNIX システムのみで利用可能で、X Window ユーザ
にのみ関係する。DISPLAY 変数は、あらかじめセットされていた場合、
環境から拾い出されて自動的に設定されます。
- Bookmark file
- 個人の bookmark ファイルのファイル名と場所です。bookmark
ファイルにより頻繁に訪れるリンクをアクセスしやすい個人のファイルに
収納しておくことができます。'a' コマンド (下記参照) を用いて任意の
リンクを bookmark ファイルに保存することができます。指定されたパスが
スラッシュで始まらない場合、パスはホームディレクトリを基準に参照
されます。
- FTP sort criteria
- このオプションは FTP の一覧がどのように並べられるかを指定します。
現在 "
By Filename
", "By Size
",
"By Type
", "By Date
" の選択肢があります。
- Personal mail address
- このメールアドレスは自分自身にファイルを送る助けとして、また
メールやコメントを送る場合の From: のアドレスとして用いられます。
また、HTTP の get リクエストの From: としても用いられます。
- Searching type
- 検索タイプは CASE INSENSITIVE (デフォルト) または CASE SENSITIVE
のどちらかが指定できます。検索タイプは内部文書検索のみに効果があり、
文書内の単語の検索が case-sensitive か case-insensitive のどちらで
行われるかを決定します。
- VI keys
- 'ON' に設定された場合、小文字の h,j,k,l キーが、左、下、上、右に
それぞれマップされます。
- Emacs keys
- 'ON' に設定された場合、CTRL-P, CTRL-N, CTRL-F, CTRL-B キーが、
上、下、右、左にそれぞれマップされます。
- Keypad as arrows or numbered links
- このオプションはキーパッドによる操作と、それぞれのリンクに
番号を振り矢印キーで移動する代りに番号で指定する方法を選択します。
- User Mode
- Novice, Intermediate, Advanced の3つの値が選択できます。
- Novice
- Novice モードでは、画面の最下行に2行のヘルプが表示されます。
- Intermediate
- Intermediate モードではヘルプ行は表示されません。
- Advanced
- Advanced モードでは画面の最下行に、現在選択されている
URL を表示します。
- Local execution scripts or links
- ローカル実行スクリプトはシステム管理者によって使用可能に
することができます。使用可能になっていない場合、このオプションは
メニューに現れません。ローカル実行スクリプトにであった場合、
Lynx はスクリプトを実行してもよいかどうか、ユーザオプションを
確認します。ユーザは以下の選択肢があります:
- Always off
- ローカル実行スクリプトは実行されません。
- For Local files only
- ローカル実行スクリプトは、ローカルマシンにありURL が
"file://localhost" で始まるもののみ実行されます。
- Always on
- ローカル実行スクリプトは全て実行されます。
- ユーザオプションがスクリプトの実行を許可していた場合、
Lynx はシェルを起動してスクリプトを実行します。スクリプトが
実行できない場合、Lynx はウィンドウにスクリプトを表示し、
ユーザにスクリプトの実行が許可されていないことを示し、オプションを
確認するよう伝えます。 (目次)
文書を参照している最中いつでも、参照している文書の作者が文書の持ち主を
指定してある場合、その持ち主に 'c' コマンドを使ってメールを送ることが
できます。持ち主が指定されていない場合には、コメントは利用できません。
"mailto:" と呼ばれるリンクも、他の人々にメールを送ることができます。
Lynx はメール機能を直接利用できます。
コメントを送ろうと、あるは "mailto:" リンクを選択すると、誰宛にメールを
送ろうとしているのかを示す、新しい画面が現れます。Lynx はあなたの名前、
電子メールアドレス、メッセージのサブジェクトを尋ねます。オプション
メニューの "personal mail address" という項目を登録してあれば、電子メール
アドレスは自動的に書き込まれます。以上の情報を入力した後、オプション
メニューで Editor を登録してあり、匿名ユーザでない場合は指定したエディタ
が起動されます。エディタが定義されていないか、または匿名ユーザの場合は
簡単なラインモード入力法によってメッセージを入力することができます。
メッセージの送信を完了するには、起動されたエディタを終了するか、ライン
モード入力の場合には "." (ピリオド) のみの行を入力します。メッセージを
送ってもよいか最終確認が現れるでしょう。"y" を押せばメッセージが送られ、
"n" を押せばメッセージは削除されます。(目次)
Lynx でニュース記事を読んでいると、"Reply to user@host"
というリンクと "Reply to newsgroup(s)" というリンクを目にするでしょう。
- Reply to user@host
- user@host は、実際にはニュース記事を投稿した人のメール
アドレスが表示されます。このリンクを選択すれば、現在参照している
メッセージを書いた人にメッセージを送ることができます。オプションと
して、リプライ中にもとのメッセージを引用することができます。
- Reply to newsgroup(s)
- このリンクを選択すれば、現在読んでいるニュースグループに、
メッセージがクロスポストされている場合には任意のニュースグループに
記事を投稿することができます。オプションとして、リプライ中にもとの
メッセージを引用することができます。メッセージを入力し終えると、
メッセージをニュースホストに送るために inews プログラムが
呼ばれます。
(目次)
HTML 文書を参照しているときに、'\' キーを押すことによって、文書が整形される
前の (もとの HTML) ソースを参照することができます。文書はサーバやディスクから
再ロードされ、整形されずに表示されます。文書のソースを読んでいる場合にも、
通常の文書の場合と同様に、出力することが可能です。
出力メニューから "Print to a local file" を選択することによって、
文書のソースをローカルのコピーとしてディスクに保存することができます。
注意:HTML 文書を保存する場合、後で Lynx を使って読むためには、文書の
名前が ".html" という拡張子を持っていることが重要です。
Lynx はローカルにある文書を編集することが可能です。編集を可能にするためには、
下記の2つの例のように、文書はコマンドラインから "file:" URL か plain な
ファイル名で指定されている必要があります:
lynx file://localhost/FULL/PATH/FILENAME
lynx path/filename.html
さらに、Lynx にどのエディタを使うのか教えるために、オプションメニューで
エディタを指定しておく必要があります。ファイルが正しく指定され、エディタが
定義されていた場合、'e' コマンドを用いて文書を編集できます。'e' コマンドが
入力されると、ファイルを編集するために指定したエディタが起動されます。
変更が完了した後エディタを終了すれば、Lynx に戻ることができます。Lynx は
変更をすぐに確認できるように、ファイルを再ロードして整形します。
(目次)
CTRL-R コマンドは、現在参照しているファイルを再ロードし、整形しなおします。
CTRLーL と CTRLーW は画面をOSやその他の問題によって乱れた画面を再描画、
または消去します。(目次)
ある文書にすばやく戻る必要があるといった場合、bookmark ファイルを置くことが
しばしば役立ちます。bookmark 機能を使うためには、まずオプションメニューで
bookmark ファイルを指定します。
bookmark を置きたい文書をファイルに保存するためには、'a' キーを押します。
Save D)ocument or L)ink to bookmark file or C)ancel? (d,l,c):
と尋ねて来ますので、現在参照しているファイルへのリンクを保存する場合は 'd'、
現在ページ上で選択されているリンクを保存する場合は 'l' と答えて下さい。
'c' を選べば何も bookmark ファイルには何も保存せずにキャンセルします。
保存した bookmark を参照するには、'v' コマンドを使います。bookmark 一覧を
参照中も、他のリンクの場合と同様に bookmark を選択できます。
(目次)
- !
- '!' が押されると、デフォルトのシェルが起動されます。シェルを
中断、または終了すれば Lynx に戻ります (通常 UNIX では 'exit'、
VMS では 'logout' が使われます)。このコマンドは通常、匿名ユーザは
使用不可能です。
- g
- 'g' コマンドで任意の URL を参照することが可能です。'g' コマンドを
押すと、URL を尋ねるプロンプトが現れます。参照したい URL を入力して
下さい。
- =
- '=' コマンドは参照中の文書と、もしあれば選択しているリンクに
関する情報を示します。ファイル内の行数、URL、タイトル、持ち主、型
が表示されます。
- z
- Lynx は完全に割り込み可能な I/O 処理をサポートしています。
接続や転送処理の途中いつでも 'z' キーを押すことによって、処理を
停止できます。割り込みの前に転送されたデータがあれば、表示されます。
(目次)
Lynx コマンドの基本的な文法は、以下のどれかで表されます:
lynx [options]
lynx [options] pathname
lynx [options] URL
ここで
-
pathname
- ASCII テキストファイルか、ハイパーテキスト.ネットワークに入る
ための HTML ファイルです。
- ファイルが指定されなかった場合、Lynx はインストール時に
定められるデフォルトのベースディレクトリとファイルを用います。
- 指定されたファイルがローカルの (URL でない) 場合、Lynx は
そのファイルを表示し、ベースディレクトリとしてそのファイルの
あるディレクトリを用います。。
- URL が指定された場合ファイルが探索され、以後のアクセスには
サーバのベースディレクトリのみが関係します。
options
-
can be selected from the following list, where items in all-caps
indicate that a substitution must be made.
-anonymous
- 匿名アカウントであることを指定します
-case
- case-sensitive 文字列検索を可能にします
-cache=NUMBER
- メモリ内に cache される文書の数を指定します
デフォルトは 10 です。
-cfg=FILENAME
- デフォルトの lynx.cfg 以外の設定ファイルを指定します
-display=DISPLAY
- X 画実行するプログラム DISPLAY を指定します
-dump
- デフォルト文書や、指定した文書の整形された出力を
標準出力にダンプします。UNIX では次のように使えます:
lynx -dump http://info.cern.ch/default.html
-editor=EDITOR
- 編集モードで指定したエディタ (vi, ed, emacs など)を
使えるようにします
-emacskeys
- emacs ライクなキー操作を可能とします
-exec
- ローカル実行スクリプトを利用可能にします
-locexec
- ローカルファイルのみ実行スクリプトを利用可能にします
-noexec
- ローカル実行スクリプトを利用不可にします (デフォルト)
-help
- Lynx コマンドの使い方を表示します
-index=URL
- デフォルトのインデックスファイルを URL に設定します
-noprint
- 出力オプションを使用不可にします
-print
- 出力オプションを使用不可にします (デフォルト)
-restrictions
- 使用できるサービスを、以下の形式で選択的に指定します:
"lynx -restrictions=[default], [all], [inside_telnet],
[outside_telnet], [shell], [editor], [bookmark], [option_save],
[print], [file_url], [download], [exec]"
- all
- すべてのオプションを制限する
- bookmark
- bookmark ファイルの変更を使用不能にする
- default
- -anonymous オプションと同様に、匿名ユーザに対しての
サービスを使用不能にする。現在 inside_telnet, outside_telnet,
goto 以外すべて制限するようセットされている。デフォルトは
userdefs.h で設定可能
- download
- ダウンロードメニューの中からディスクへの保存を使用不能
にする
- editor
- 編集を使用不能にする
- exec
- 実行スクリプトを使用不能にする
- file_url
- G)oto で file: URL を使用不能にする
- goto
- 'g' (goto) コマンドを使用不能にする
- inside_telnet
- ドメイン内部からの telnet を使用不能にする
- options_save
- .lynxrc へのオプションの保存を使用不能にする
- outside_telnet
- ドメイン外部からの telnet を使用不能にする
- print
- ほとんどの出力オプションを使用不能にする
- shell
- シェル・エスケープを
-show cursor
- 指定されるとカーソルが右隅に隠れず、かわりに現在選択されて
いるリンクの開始点に位置するようになる。show_curser は
FANCY_CURSES 無しのシステムではデフォルトになっており、
これは userdefs.h で変更できます
-source
- dump を同様に動作するが、整形された出力の代りに HTML の
ソースを出力します
-telnet
- telnet コマンドを完全に使用できなくします
-term=TERM
- Lynx に使用している端末のタイプを指定します (これは例えば、
Lynx が別の Lynx を起動するようなスクリプトを実行する、リモートの
TCP/IP ポートに接続する場合などに有効でしょう)
-trace
- WWW トレースモードに切替えます
-vikeys
- vi ライクなキー操作を可能とします
-version
- バージョン情報を表示します
オプションもスタートファイルも指定する必要はありません。
上記のオプション一覧の=記号は、全て空白文字に置き換える事も可能です。
(目次)
Lynx はカンサス大学で学内情報システムを構築するために生まれました。
Lynx の最初のバージョンは、curses 指向の表示デバイスを用いてマルチユーザの
システム (UN*X や VMS) に接続するユーザに、ユーザフレンドリな分散ハイパー
テキストインターフェイスを提供しました。ローカルのファイルおよび
リモートの Gopher サーバ上のファイルへのハイパーリンクをサポートする
独自のハイパーテキスト形式が開発されました。分散ファイルサービスに
Gopher サーバを用いる事によって、情報提供者は様々なプラットホーム
(UN*X, VMS, VM/CMS, Macintosh を含む) から情報を提供する事が可能と
なりました。さらに Lynx は、Gopher は追加機能でしかないにも関わらず、
もっともユーザフレンドリなクライアントとなりました。
この分散アプローチは、提供者に完全な情報のコントロールを可能としますが、
ユーザと提供者の間のコミュニケーションを難しくしました。続いてカンサス
州立大の Neal Erdwien の指揮により、Lynx のハイパーテキスト形式は
それぞれのファイルに持ち主情報へのリンクを含むようになりました。
この情報は Lynx を実行しているユーザに、電子メールを使って情報提供者に
コメントや提案を送る事を可能にしました。
この Lynx の初期のバージョンは、リモートのシステムで動くプログラムへの
ハイパーリンクをサポートする主旨もありました。これは telnet 接続を
開く事および、同様に rexec, inetd からや直接ソケットをつなげて
プログラムを実行する機能を含んでいました。これらの機能はユーザに、
データベースや、特化されたプログラムのインターフェイスにアクセスする
事を可能としました。
次のバージョンの Lynx は、WWW サーバの全リストにアクセスできるよう、
さらに Lynx 独自の形式でなく HTML でハイパーテキスト文書を作れるように
するため、World Wide Web ライブラリを取り込みました。HTML は非常に
広く使われるようになり、独自形式は使われなくなりました。WWW ライブラリを
追加する事によって、Lynx は完全な WWW クライアントとなり、制限は curses
環境の機能によるものだけになりました。
カンサス大学では、ユーザが学内情報にアクセスするために、Lynx が
いくつか違った方法で使われています。まず、ローカルサーバにあるスタート
ファイルを指すいくつかのローカルなクライアントが "kufacts" という
スクリプトから実行されます。また、ユーザが kufacts.cc.ukans.edu
というマシンに "kufacts" というアカウントを用いてログインする
ことにより実行されます。ローカルのアカウントを持たないユーザは、
システムを用いて Lynx を経験し、KU CWIS を探索することができます。
Lynx はカンサス大学 Academic Computing Services の Lou Montulli,
Charles Rezac および Michael Grobe らによってデザインされました。
Lou Montulli によって実装され、現在は Garrett Arch Blythe によって
保守されています。
Lynx は様々なソースを取り込んで来ました。Lynx の最初のバージョンでは、
UNI*X 環境上に HYPERREZ を実装した Saskatchewan 大学 Computing Services の
Earl Fogel によるコードを含んでいました。また、これらのバージョンは
ミネソタ大学が開発した UN*X Gopher クライアントライブラリも含んでおり、
Lynx の後のバージョンでは、Tim Berners-Lee らおよび WWW コミュニティ
による WWW クライアントライブラリを使うようになりました。
Lynx は現在、ftp2.cc.ukans.edu
から匿名 FTP で入手する事ができます。
(目次)
HTML 入門: HTML_guide.html
HTML クイックリファレンス:HTML_quick.html
HTML リファレンスガイド:
http://info.cern.ch/hypertext/WWW/MarkUp/MarkUp.html
Garrett Blythe
Lou Montulli
Michael Grobe
Stephen Ware
Academic Computing Services
The University of Kansas
Lawrence, Kansas 66045
日本語訳:あさだ たくや asada@icsd6.tj.chiba-u.ac.jp
(目次)