ある残酷な物語での血の描写がまるで花の姿を描くように美しくて、それに思わず魅了させられてしまったわたし。口に含んだ甘い甘いチョコレート。少しずつ溶けてゆく。突然催してくる吐き気にももう慣れてしまった。たまごとケチャップを雁字搦めに掻き混ぜる。赤にまみれたぐちゃぐちゃのたまご。欲望なんていらなかった。何が欲しいのかわからないのに満たされないなんて。眩暈を起こしたときのようなぐるぐるとした世界の敗者であるわたしは永遠に倒れたままでいればいい。起き上がってもまた殺されてしまうのだから。わたしは何も考えたくないのです。常に、アルコールに酔って感覚がふわふわした状態でありたいのです。