夢の中で、知らない誰かが飛び降りて死んだ。
わたしはその死に顔を見た。呪い系の映画なんかでよく使われるような、最後の最後まで苦しみ憎しんだような醜い顔。それがアップで映る。立ちすくむわたし。そういえば昔公園で見た猫の死体もそんな顔だった
眠ったまま死ねるのだったらそれはそれでいいと思う。死に顔は人生幸せだったか不幸だったかで決まるような気がしていたけれど、幸せな死なんて実際あるはずがない。死ぬことが幸せだなんて。
結局わたしには全く関係ない人の死。わたしは何もなかったかのようにその場を離れた。