第4回ハウス・ラビット・ソサエティ
「ラビット・ケア」会議

(NYタカホー地区/4月25日)

レポーター:西岡 聖子

この会議は、マンハッタンから30分のタカホーという場所の公民館で行われた。会場には約100人の熱心な飼い主さん達が詰めかけ、中にはカップルで参加していた人、ロックンローラー風カップルもいて、うさ飼いの幅広さを見た感じ。男性はそのうち3割程度か? 日本人は、私と、写真を撮ってくれたネザドワ、モモちゃんの飼い主Izumiさんの2人。ロンドンからも医薬関係の方が見学に来ていた。ちなみにイギリスにはうさぎ健康保険があって、月々4、5ドル程度の掛金で1500ドル程度までカバーしてくれるそう。グレート!アメリカにはまだありません(馬はある)。


ハウス・ラビット・ソサエティNY地区の代表者であり教育者、マリー・コッターさん。NY地区の飼い主さんに困った事が起きると彼女が全てを担当する。Izumiさんが緊急電話をした時は「どこに住んでるの?クイーンズ?ではクイーンズ地区の担当者を送ります!」と返答してくれたとか。知識豊富、うさぎの飼育に全てを注いでいるといった感じの女性。家では保護したうさぎを含め17匹を飼っている。

ギル・スタンジオーネ医師の弁。「アメリカ獣医の中でもエキゾチックアニマルのトレーニングはここ2、3年前から盛んになった」そうで、うさぎがペットとして認識され出していることを示唆した。

聴診器でお腹の音を聴くスタンジオーネ医師。
  聴診器でお腹の音を聴くスタンジオーネ医師。

ここではすでにHRSのホームページにあることは簡略化もしくは省きました。

健康診断時のチェックポイント

耳: 
通常の耳垢は黄色がかった白でクリーム状。病気の時は異臭がある。
   家庭でも綿棒で掃除をすることをお勧めする。
換毛期: 頚から後ろの部分で、ドッサリ抜け替わっても下から短い毛が
   見えているのはノーマル。
爪のチェック時: 飼い主が左手で前足を、右手で後ろ足をホールドして、
   必ずアゴをうさぎの頭の上に置くこと。うさぎは必ず飼い主が
   ホールドしてあげること。飼い主に抱いてもらうのがうさぎにとって
   安心である。

抱き方を実演するコッターさん  「うさぎの頭にアゴを 置いて」と抱き方を実演する
  コッターさん。



性器周辺: 通常は濃いコーヒー臭がある。病気の時は異臭がある。

餌について

ローリー・ヘス医師
「ナッツトリートやおやつの類いは一切与えなくても構いません。うさぎはそれらが大好きです。が、長い目で見てよい結果は生みません。エンザイムパパイヤタブレットについてはよいとも悪いとも言えない」。で、私はエンハンサーについて質問。「これもなんとも言えません」…だった。餌についてはいろんな飼い主さんからたくさんの質問が挙がったが、アメリカ人でも抱える悩みや疑問は日本の飼い主さんと一緒だなあと言うこと。「うちのこはシリアル大好きなんですけど、あげ続けていいですか」とか。

HRS、獣医さんともオックスボウのペレット、ヘイを強力にお勧めしていた。

シリンジでの薬の飲ませ方
  1. バスタオルを広げ、その真ん中にうさぎを置く。
  2. バスタオルの両端でうさぎをくるむ。この時アゴの下にバスタオルがくるようにする。
    アゴの下にタオルが
     アゴの下にタオルがくるよう にくるんで…

  3. 上下の歯の間、口の端から薬を流し込むとうさぎは自動的に薬を飲む。
    口の端から流し込む
     口の端から流し込む
斜頚うさぎ

マリー・コッターさん
「斜頚の原因はいろいろありますが、一番多いのは耳(内耳)の感染症(ear infection)。他にはE. Cuniculi も最近取り沙太されています。でも多くの場合、斜頚は治ります。他の病気と比較して最も治療しやすいものです」。

斜頚うさちゃん
耳の感染症が原因で重度の斜頚になった。いきなり回転を始め、ずっと回転し続ける(この場合頚が左に曲がっているので右方向にずっとくるくる回り続ける)。困ったオーナーはマリーさんに電話をしてアドバイスをあおぐ。2か月間根気よく治療を進め回転し続けることはなくなった。治療の中心は抗生物質によるトリートメントだそうだ。「治療をあと4、5か月続けると必ずよくなります」とマリーさん。でも時おり身体全体がバタッとローリングする。会場、ちょっと沈黙ムードになってしまう。

2か月間の治療で
  2か月間の治療でここまでよくなった斜頚うさちゃん

下半身麻痺うさぎ

バリーちゃん
(ミニレッキスかな?)
飼い主さんの車庫に捨てられていたところを発見。バリーは両後足が伸び切ったままで全く動かない。でも前足のみでボチボチと移動する。犬猫用の車椅子を付けるとそれでどこでも行く。食欲旺盛で、シャンツァイ、ニンジンを食べていた。うんちはちょっと小さめだった。

車椅子バリーちゃん
  車椅子で好きなところに移動するバリーちゃん

ウィリナくん(4歳のミニロップ)
去年12月に背骨の病気(spine disease)になり片足ずつ麻痺していった。バリーちゃんが両足伸び切っているのに対し、ウィリナくんは曲がったままになっている。人間の新生児用おしめの真ん中を切り抜き、前後逆にして使用している。それでもおしっこが付くので飼い主のイレーヌさん(他に20匹飼っているそう)が回りの毛をカットしている。普段はじっとして動かない。が、車椅子を付けると早い早い。普段動けない分、動きたい欲求がそうさせるのか…?

駆け抜けたウィリナくん
  車椅子を付けるとステージを一気に駆け抜けた
  ウィリナくん

「障害うさぎにはcecal pellets(盲腸糞)の給餌が重要です」とマリーさん。

この2匹には大きな拍手が沸き起こった。

爪の切り方
健康診断時と同様に抱き抱える。ポイントは手足の先を水で濡らすこと、くらいか。会場からは「うちのコは抱くことも難しいのに…」と不評。

その他、気がついたこと。各うさぎを壇上に上げて紹介する時、タオルをひいて、その上にうさぎを置いていたが、次のうさぎを上げる時は、別のタオルを使うか、タオルを裏返していた。病気の感染を避けるためだと思う。よくよく考えれば、うさぎ同士を会わせることも、状況によってはよくないかもしれないと思った。

会場にはデモ用の身障うさぎのみが来ていたが、他に、生まれた直後に兄弟か親に両耳を噛られたドワーフホットット君がいた。最初はうさぎに見えなかった。今傷はすっかり癒えている。巨大なうんちをしていた。「耳がないため体温調節ができにくくなってしまったので夏場は特に室内温度に気を付けてる」と飼い主さん。

もう一匹、ひときわ大きなミニロップ君(3キロは軽くオーバーしていると思う)がいた。おとなしいので爪きりのデモにもモデルで登場していた。このコは公園で猫にいじめられ迷子になっている所を警察官が見つけ、HRSに保護を依頼してきたそう。発見当初は毛が抜け落ちて、耳の病気にもなっていたが、6か月をかけてかなり回復したそうです。

うさぎ飼いのための初歩10か条

  1. 松、杉チップはうさぎや小動物には使用してはいけない。
  2. 去勢、避妊は全てのうさぎにお勧めする。
  3. トイレのしつけは簡単にできる。
  4. 成人うさぎの食事に最も大切なものは牧草。ティモシー、Brome、オーチャードグラスなど。ペレットは少量でよい。もしペレットを与えるならナッツやコーン入りのものは避ける。
  5. うさぎのいる場所に注意する。家庭内のあらゆるものを噛るのが好きなので。また屋外で飼うことも勧められない。屋内の方がより健康で長生きできる。
  6. うさぎに罰を与えてはいけない。うさぎに恐怖を与えたり、自分を守るため噛みに走ったりする。
  7. うさぎに詳しい獣医さんが必要。
  8. 食欲不振、水様下痢は非常事態。
  9. 小さい子供にうさぎを扱わせない。
  10. よく起こる病気。耳ダニ(時に身体にも)、耳の感染症、尿路感染症、膿瘍、前歯の不正咬合と、奥歯の摩耗不足によるトゲ、子宮ガン(去勢してない雌の場合)、上気道感染症 (いびき、鼻水をチェック)、胃腸運動の低下および胃腸内容うっ滞、平衡失調や歩行失調


Copyright: 西岡聖子さん
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編集:セイロガン同盟
update:99.05.03

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