「雄介の幸福なる受難の日々」


 ご縁がありますように。
 そう願って放り込んだ5円玉は小さな放物線を描き、賽銭箱の中へと音を立てて消えていった。
 まだ日の光すらも差さない早朝。寒さに震えながら近所の神社に初詣に来た伊藤雄介は、鐘をがらんがらんと揺らすと手を合わせ、そんな事を祈った。もっともポピュラーでいてありがちな願い。けれどそれは、雄介にとって切実な願いでもあった。
 今年こそは彼女を作りたい……もとい、童貞を捨てたい!
 人生18年。早いもので高校も今年で卒業である。思えば剣道ばかりに明け暮れた3年間。確かに地区大会で優勝、県大会で準優勝を収め、名実ともに内容の濃い充実した高校時代であった。しかしここは伊藤雄介、やはり男である。大学に入るまでに童貞くらい捨てたいと思うのも無理ではないであろう。その為には可愛い女のことのご縁、これがなくては始まらないって訳だ。ついでに奥歯の虫歯も治れば嬉しいかも、なんて都合良く追加でお願いをしておく。
 さて、ここで一人で震えているのも惨めだし、そろそろ家に帰ろうか。一人おせち料理をあてに酒でも飲んで暖まろう (お酒は20になってから)、初日の出の特番も観たいしな。そう思って階段を降りようとした時。
 境内の真中に、ぽつねんと女の子が佇んでいた。
 さっきまでは誰も居なかったはずなのに……。
 燃えるような紅い着物を着た、三つ編みの女の子。背丈は低いが、大きな瞳と透き通った目鼻から感じる限り、歳は自分と同じくらいだろうか。手に鞠のようなものモノを持って、こっちをじーっと見てる。
 直感的に鳥肌が立った。これって。
 もしかしなくても、幽霊って奴じゃないのか?
「ねぇ、きみ」
 女の子は半分以上逃げ腰の雄介に向かって、可愛らしく微笑んで言った。
 張りがあり艶のある、しっかりとした声音で。
「今ちょっと退屈なんだぁ。ね、私と遊んでくれない?」
「遊ぶって、そんな事いきなり言われても……」
「遊んでくれたら、きみの言うこと何でも聞いてあげるよ」

 きみの言うこと何でも聞いてあげるよ

 それってSEXもアリですか?
 と、尋ねそうになって慌てて口を押さえた。そんな事を聞いたら駄目って言われるに決まってるじゃないか。聞かないで、後から強引に迫ってみる。そっちの方が都合が良いに決まってる。そんな打算的なことをとっさに考えてしまう辺り、よほどに驚いていたのだ、雄介は。
「本当に何でも聞いてくれるのか?」
「嘘はつかないよ」
「じゃあ、遊んであげるよ」
 雄介は相手が幽霊っぽいことを強引に頭の中から吹き飛ばして、階段を駆け降りると女の子の側まで近寄った。駄目元である。もし上手い事行けばラッキー、その程度の思いであった。
 近づくと、尚更この少女の美しさが際立って見えた。どこかしら高貴で、そして整った面構え。好きなアイドルにもどこかしら似ていて、思わず見入ってしまう。
「で、何をして遊ぶんだ?」
「かくれんぼ」
 少女は嬉しそうに言った。
「たった2人でかい?」
「そう。鬼は君。わたしが隠れるから、最初に20数えて。それでわたしを見つけれたら、君の勝ち。なんでも言うことを聞いてあげるよ」
「もし、俺が負けたら?」
「遊んでくれるんだから何もしないよ。でも……それだと面白くないか。じゃあ、あなたの言うことを聞いてあげた後、わたしの言うことを聞いて。それでいいでしょう?」
「ああ、わかったよ」
 そして少女は、自分の名を燕と名乗った。
「じゃあ燕ちゃん、数え始めるよ」
「いいよ。けど、ずるっこは無しだからね」
 神社の傍らに生えている大木を目隠しに、雄介はゆっくりと、声を殺して数を数え始めた。

 1、2、3、4、5……

 そうやって数えているうちに、さすがになんだか馬鹿らしくもなってきた。いい年をした男女、それも初対面同士が深夜の神社でかくれんぼ? 俺は良い様にからかわれているだけじゃないのか? だとしたらなんて間抜けな奴なんだ。もしそうなら、元旦からついてないよなぁ……。

 15、16、17、18、19、20。

「もーいーかい」
 それでも数え終わったので、一応お約束で聞いてみる。
 これで無言だったらさっさと家に帰ろう。そう思った時。
「もーいーよ」
 けっこう近くから、燕と名乗った少女の声が聞こえた。つまり間違いでは無い。少女を見つければなんでも言うことを聞いてくれるのだ。少年は大木から目を離すと、そう広くは無い境内を真剣な表情で見回した。祭りも行われない狭い神社である、隠れる場所なんてほとんど無い。
 雄介は大木から離れると、境内の中でも一番隠れやすそうなポイントを探した。社の裏手、賽銭箱の陰、鳥居の向こう側……そしてそれらのポイントをしらみつぶしに探してみる。が、さすがというか簡単には見つからない。
 もーいーよ、の声は比較的近くから聞こえてきた。雄介はもう一度大木の前に戻り、なんとなく大木を見上げてみた。数百年もの歴史を刻んできた、覆い被さるような強大な影。その枝に赤い布の切れ端を見つけた雄介は、思わず叫んでいた。
「見つけたっ!」
 まさか木を登っていたなんて。灯台下暗し、つまりは意表を付かれた訳である。が、見つけたことには変わりが無い。かくれんぼは俺の勝ち。よし、なんでも言うことを聞くって言っていたよな。なら……。
「あはは、見つかっちゃったね」
 燕は3メートルもあろう高さの枝からひょい、と飛び降りると、雄介に向かって嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「約束だよ。なんでも言うことを聞いてあげる」
「もう一度聞くけど、本当になんでもいいんだな」
「うん」
「じゃあ……あんたとSEXしたいってのは、駄目か?」
 雄介は喋ってから、ごくりと唾を飲み込んだ。最初から駄目元である、断られることなんて端から承知だった。けれど期待していないと言えば嘘になる。念願の、脱・童貞。もしかしたらこんなにもあっさりと叶うかもしれないのだ。
「SEXって……伽の事?」
「伽……ああ、そうとも言うな」
 いきなり少女の口から出た時代錯誤な言葉に一瞬戸惑うも、雄介は頷いた。
 緊張で心臓がバクバクいっている。
 もしかして俺、ただのスケベ野郎と思われている? 思われるだろうなぁ。普通頼まないぞ、こんな事。お友達になってくださいから始めるべきだったかな、等と後悔し始めていたとき。
「いいよ。でもいいの? そんな簡単なことで」
 そうして燕は可笑しそうに笑ったので、雄介は思わず拍子抜けしてしまった。
「簡単なことって……」
「じゃあ、こっちに来て」
 燕は社の前まで歩くと、着物の裾から錆付いた鍵を取り出し、それを社の錠前に差しこんだ。
 ぎしり、と重く響く音と共に、社の扉が開く。
「この中でいいでしょ?」
「……ああ」
 喉が空からだったが、雄介はなんとか燕の後をついていくと、社の中に足を踏み入れた。
 途端、真っ暗だった社の中に幾つモノ灯が燈る。
 そして燕は社の扉を閉ざした。
「あなたの名前、まだ聞いてなかったね。なんて言うの?」
「伊藤、雄介」
 着物越しからでも判る華奢な体を雄介に預けて、悦の含んだ声で燕。しかし雄介はそれどころではない。間近で見ると、燕は本当に可憐な美少女だった。腰まで伸びた漆黒の三つ編み。淫靡な麗しさをたたえた艶かしい瞳。ほのかにほてって薄ピンク色に染まった肌。そして極めつけは、血でも塗ったかのような真っ赤な唇。その生暖かい体温を肌で直に感じては、雄介は煩悩を押さえることなんてできっこなかった。
 半ば強引に冷たい床へと押し倒す。着物がはだけて薄い鎖骨があらわになると、さらに煩悩は加速する。
「嫌いじゃ無いよ、強引なの」
 雄介は燕の唇を奪った。最初はきつく唇を交わすだけのキス。そして燕が口を開くのと同時に、舌をこじ入れてディープキス。この時点で、既に雄介の股間はばじける寸前だった。ジーンズがぱんぱんに盛り上がっている。
「ん。着物、脱がして」
 着物を強引にはだけると、控えめだが形の良い乳房が現れる。雄介はむしゃぶりつくように乳房を口に含んだ。開いた手で反対側の乳房を揉みしだく。マシュマロよりも少しだけ硬い感触に酔いしれる。
「あ…うんっ」
 感じているのか痛みのためか、燕は小さく眉を顰めた。そんな事もお構いなしに、雄介は2つの乳房を好き放題に犯していく。乳首を口に含み、唾液でべたべたになるまで舐め上げる。次第に尖ってくる薄桃色をした乳首を甘噛みすると、燕は身体をきゅっ、と硬直させた。
 雄介は立ちあがるとジーパンを勢い良く脱ぎ、トランクスをずり下ろした。すでにはちきれんばかりにそそり立った男根。燕は気だるそうに身体を起こすと、それに真っ赤な舌を這わせた。
「うぁぁっ!」
 竿を下から上までぞろりと舐め上げられただけで、雄介は我慢できずに射精してしまう。こんな可愛い子にフェラチオをしてもらったのだ、早漏遅漏以前の問題だった。そして飛び散った濃いザーメンが燕の顔に降り注ぐと、燕は嬉しそうにその白くべたついた液を手ですくい、口の中へと飲み込んだ。
「濃くっておいしいよ。うふふ、溜まっていたんだね」
 溜まっていたわけではない。極度の興奮からだった。そんな事はどうでも良いと言うかのように、大きく喘ぐ雄介の、精子を吐き出した男根を愛しそうに眺める燕。
「ふふ。これからが本番だからね」
 まずは軽く手でしごいてあげる。そして亀頭に優しく口付けた。するとあっという間に強度が戻った男根を、赤く濡れた唇を広げて喉元まで含み、上下にゆっくりと頭を揺らす。じゅぶ、じゅぶ、と唾液が生み出す卑猥な音が社に響く。そのたまらなく淫靡な音に、雄介の意識はあっという間に2度目の高へとに追いやられてしまう。
「駄目だっ、出る!」
「んくっ」
 2度目にも関わらずに、雄介は多量の精子を燕の口へと吐き出した。燕は目を虚ろに細め、まるで美味しいジュースでも飲むかのようにどろりと粘ついた粘液を飲み下した。
「うふふ。美味しいよ、君の精液」
「はぁ……はぁ……そういってもらえると……嬉しいよ」
 二度目の射精の余韻に浸りながら、雄介は言った。
「それじゃあ、今度は俺の番だな」
「へぇ、若いと元気なんだね。まだ物足りないの?」
「だってさ、燕ちゃんが満足してないだろ」
 それに雄介の目的、脱・童貞はいまだ叶ってはいないのだ。
「ふーん。それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」
 燕はそう言ってから着物の帯を解くと、股帯びを脱ぎ全裸になった。その、幼くも美しいボディラインに雄介がごくり、と唾を飲み込む。
「で。これからどうしたらいいの?」
「じゃあそのまま横になって」
 燕の身体をを仰向けに横たえると、雄介は圧し掛かる格好で燕の唇を奪った。そして舌を差しこみ、燕の口内をじっくりと嬲るように攻める。次第に舌を絡めあいながら、雄介は燕の太ももに手を伸ばした。ぴくり、と燕の身体が小さく跳ねる。
 優しく太ももを撫で上げつつ、次第に燕の 「女」 の部分に手を伸ばす。するとそこは既に熱く熟れ、淫らな液を垂れ流していた。
「指を入れるよ」
「ん、いいよ」
 確認を取ってから、指を入れようとするが、これがなかなか上手くいかない。なんにしても 「初めて」 なのだ。そうそう簡単に事が運ぶわけがなかった。
 仕方が無いので、雄介は姿勢を下げて、燕の 「女」 の部分を除きこむような姿勢をとった。裏本や無修正ビデオで何度も見たことの有るソコは、思っていた以上にグロテスクで、ねばついた粘液がひどくいやらしい。
 独特の匂いがするそこに、雄介は恐る恐る、ゆっくりと人差し指を差し入れてみた。
「んっ」
 ぴくん、と燕が身体をのけ反らす。驚いた雄介はおっかなびっくりで聞いてみる。
「もしかして、感じているとか?」
「うん、気持ち良いよ。でも、もう少し激しくして欲しいかな」
 言われるがままに、雄介は燕の中を指でかき回した。しだいに白濁色をした粘液が雄介の指にまとわりつき始める。それは本気汁、つまり燕はしっかりと感じてくれているのだ。
 調子に乗った雄介は、穴の上で小さく膨らんでいるクリトリスにさわりと触れてみた。
「んあっ!」
 燕の悲鳴と共に、燕の秘部からぴゅ、と液が迸った。AVで見たことがある、潮吹きという奴だろう。余程ここが気持ち良いのだろうと高をくくった雄介は、クリトリスを指で転がし、そして舌先で弄んだ。
「ああっ、だめっ、そこ、気持ちいいよっ!」
 身体をのけ反らし、燕は悲鳴に近い声を上げた。
「もっと激しくして! 中にも指を入れてっ!」
 燕の言葉に従い、クリトリスを舐めながら、指を 「女」 の中にいれてかき回す。
「ひあっ、もう駄目っ、ああっ、いっちゃううっ!」
 1分も経たない内に燕は絶叫を上げると、身体をぴ−んと仰け反らせた。中に入った雄介の人差し指が、熱い肉壁によってきゅきゅ、と締め付けられる。
 ああ、俺がいかせたんだな……。
 雄介は身体を小さく九の字にかがめ、小刻みに震わせている燕の姿を見下ろしながら、そんな感慨にふけった。
 初めての俺が、女の子をいかしたんだなぁ……。
 けれど、まだ満足しては行けないのだ。肝心の事が残っているからである。
 そう、脱・童貞である。
「行くよ……」
 未だに痙攣を繰り返す燕の小さな身体を仰向けにすると、雄介は燕の 「女」 の部分に自分の男根をあてがった。そして、ゆっくりと腰を前に出す。ぬぷり、と音を立てて、雄介のモノが燕の中へと埋没して行く。
「ああっ……、おっきい」
 熱い吐息と共に、燕がうっとりとした表情でそれを見守る。
 そして雄介の 「男」 が、遂に燕の 「女」 の底へとたどり着いた。
 念願の脱・童貞の瞬間だった。
「動かしていいかい」
「いいよ。けど、最初はゆっくりとね」
 燕の言葉どおり、最初はゆっくりのストローク。長く押し込み、長く引きぬく。ただそれだけの事なのに、雄介はあまりの快感に射精しそうになった。それだけ燕の中は熱く狭く、そして心地よかったからだ。
「遠慮しないで中で出していいからね」
 首元に抱きつかれ、そんな事を耳元で囁かれると、限界は一瞬で来た。
「ダメだっ、出ちまうっ!」
「ああっ、あつうっ」
 雄介から放出された大量の精子が、燕の体内に染み渡る。しかし雄介の男根は未だ堅さを失ってはいなかった。
「ふぅ。今度は……もっと強くしていいよ」
 その言葉を聞くまでも無かった。
 雄介は叩きつけるように、燕の体内に 「男」 を叩きつけた。
「ああっ、気持ち良いよ。もっと強くしてっ」
 互いの淫液が結合部から零れ落ち、腰が叩き合うたびに卑猥な音を立てる。雄介は我を忘れて快感をむさぼった。まさかSEXがこんなにも気持ちの良いものだったなんて。百聞は一見にしかず、もとい、百の自慰行為は1のSEXに劣ることを実感したのである。
 そして、雄介の息が上がって来たころで。
「ダメっ、もういっちゃう!」
 燕は両足を雄介の腰に絡めると、甘く叫んだ。
 雄介も限界だった。更に勢いをつけて腰を叩きつける。次第に競りあがってくる射精感と戦い、それが限界に達した時。
「ああっ、あああああああああっ!」
 燕の膣が大きく伸縮した。まるでそこが両手で搾られているような絶頂感に、雄介はめいいっぱいの精液を吐き出し、充実感に打ち震えたのだった。
 暫くお互い無言で、肩で息をしていた。
 床の冷たさが心地良かった。
「あー、気持ち良かった」
 その沈黙を破ったのは燕の一言だった。
「久々だときくね、やっぱり」
 そんな言葉を燕が吐き出したので、雄介はなんとかく思っていることを口に出してみた。
「なぁ、燕ちゃんてさ。もしかしてこの神社の神様かなにかなんじゃないか?」
「ばれてた?」
 赤い舌をぺろりと出し、笑顔で燕。雄介はなんとなく思っていたことが本当だったことに少々面食らったが、
「いいや、なんとなくね」
 と、言葉を返した。
「でなきゃ、あんな時間に遊んでくれとか言わないだろうし。こんなに簡単にSEXさせてくれるとも思わなかったからさ」
「暇だったんだよねー」
 燕は着物を一瞬で羽織ると、ちょこんと正座をして言った。
「ほら、うちの神社って近場に大きな神社があるから正月だからって参拝客なんてろくに来ないでしょ? そんな時に、可愛い男の子が 「ご縁がありますように」 ってくるんだもん。ここはひとつ、なんとかしてあげなきゃって思ってね」
 そう、わざわざ神様自らの手ほどきによって願いが叶えられたのである。
 こんな幸運、宝くじに当たるよりもご利益があるってものだろう。
「今年は幸先良いなぁ」
「あ、そうそう。奥歯の虫歯も治しておいてあげたから。ちゃんと歯は磨かなきゃだめだよ」
 そして燕は立ちあがると、
「それじゃあ、お客さんが来たから。また、ね」
 参拝客が来たのだろう。燕はまるでそこに最初から誰も居なかったかのように、一瞬に姿を消してしまったのだった。
 雄介は暫くぼーっと床に寝転がっていたが、空が明けて来ると服を着替え、社の外へと出た。
 暖かな陽の光が心地良い。
「さーて、今年も頑張ろうか!」
 雄介の控えめな、けれど充実感が詰まった叫び声が、誰も居ない境内に響き渡った。

 さて。
 雄介が自宅に戻ると、ベッドの上にちょこんとすわった笑顔の燕がいた。
「えへへ。暇だから遊びに来ちゃった」
「暇だからって……」
 絶句する雄介に、燕は悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「神社はどうするんだよ」
「神主がいるから大丈夫だよ。それよりも雄介、また遊んでくれない?」
 ご縁がありますように。
 まさかこんなカタチで叶うなんて。
「雄介、あなた果報者だよ」
 首元に抱きつかれても、あんぐり口を開けたままの雄介。
 そう、彼の破天荒な人生は、ここから始まるのであった。

続く…予定?