2009年5月更新
従来、照明や空調装置などの低圧電源には、発電機を回転させる電動発電機(MG)が使われていましたが、1960年代には半導体技術の発展により静止形インバータ(SIV)が台頭しました。
量産型SIVを最初に採用したのは、1968年デビューの東京都交通局旧6000系ですが、東急電鉄でも1969年に登場した旧8000系のM2車であるデハ8200形に、東京芝浦電気(当時)の開発した10kVAのSIVが搭載されました。
1976年には冷房電源にも対応した大容量タイプが量産を開始し、8500系7次車より搭載され本格的に普及しましたが、現在ではMGはもちろんSIVも旧型のものは淘汰が進んでいます。このような中、もっとも古いタイプがわずかながら残っており、貴重な存在となっています。
大井町線のデハ8290形(8590系組込車を除く)に搭載されている10kVA-SIV。出力は単相交流200V・7.5kVA、直流105V・2.5kWで、制御装置や照明などの低圧電源用に開発されたものです。
8000系、8500系、および8090系用に100台以上が製造されましたが、車両の組成替えや廃車などに伴い数を減らしており、現存するのはわずかとなっています。近年でも2000年にデハ8296とデハ8282、2005年にデハ8298とデハ8290の二電源化工事が行われ、100kVAの大容量タイプに換装されています。写真は、現存する中でもっとも古い個体で、1971年製のものです。
側面には、熱放散のためキーストンプレートと呼ばれる、波状に加工された板が張られています。
BS-33形SIV装備車に搭載されている起動装置です。架線からの直流1500Vを引き込む入力回路に相当し、高速度遮断器やフィルタリアクトルなどで構成されています。
大井町線の8090系編成は Tc2-M-M2-M1-Tc1 の5連となっており、3両目のデハ8290形山側にSIV本体、海側に起動装置(遮断器箱)が搭載されています。