宝塚歌劇歴史年表

定着期(大正後期) 大正7年

宝塚歌劇の創成期とその背景を理解するために、明治末期から昭和初期に到るまでの歴史をまとめました。使用した資料は大笹吉雄「日本現代演劇史」、雄松堂復刻版「歌劇」などです。単に宝塚歌劇のみならず、同時代の国内の演劇状況を一覧する意図のため、新劇・新派などの記述も含まれています。

凡例

4月 宝塚関連
5月 オペラなどの音楽劇関連
6月 新劇関連
7月 新派関連
8月 歌舞伎関連
9月 その他の演劇関連(文学など)
10月 社会状況


大正7年(1918)
大正8年(1919)
大正9年(1920)
大正10年(1921)
大正11年(1922)
大正12年(1923)
大正13年(1924)
大正14年(1925)
大正15年(昭和元年)(1926)

大正7年(1918)

1月 宝塚少女歌劇第16回公演
  1. 歌劇「石童丸」橋詰せみ郎作。吉野(2)・大江(I)。「刈萱道心」である。
  2. 歌劇「厩戸王子」小林作。秋田露子(3)・雲井(I)。
  3. 歌劇「鼠の引越」久松作。高砂(3)・春日花子(3)。
新春公演が20日間になる。この公演では二期・三期生が中心のようである。

2月 帝劇「ハムレット」。坪内士行翻訳・演出・主演。

2月 ローヤル館オペラ「椿姫」。これでローヤル館は閉館。
2月 東京歌劇座「天国と地獄」(浅草日本館)。清水金太郎夫妻、浅草オペラに加わる。
2月 箕面有馬電気軌道株式会社、阪神急行電鉄株式会社(阪急)に改称。田舎電車からの脱皮をはかる。

3月 宝塚少女歌劇第17回公演
  1. 歌劇「一寸法師」小林作。小倉・高砂。
  2. 歌劇「新世帯」赤塚濱荻作。篠原・高砂・高峰。西洋物。
  3. 歌劇「神楽狐」久松作。高峰・雲井。
  4. 歌劇「静御前」久松作。篠原。
  5. 歌劇「羅浮仙」楳茂都作。大江・雲井。
  6. 管絃合奏。
「羅浮仙」が高く評価され、東上演目に加えられる。
3月 ローシー離日
3月 原信子歌劇団「アルカンタラの医者」(浅草観音劇場)。田谷力三、堀田金星ら。以降演目を変えて続演。

5月 宝塚少女歌劇第1回東京公演。演劇雑誌「新演芸」発行元玄文社の招聘による。
  1. 歌劇「雛祭」小林一三作、作曲高木。
  2. 歌劇「三人猟師」作久松。雲井・小倉・大江の猟師、親狐篠原。
  3. 歌劇「ゴザムの市民」加藤邦作。小倉・逢阪
  4. 歌劇「羅浮仙」楳茂都作。
  5. 歌劇「コサツクの出陣」獏与太平作。
  6. 歌劇「桜大名」作久松。
特に「三人猟師」「ゴザムの市民」が好評。篠原・小倉に人気が集まる。東京5日間公演の後、名古屋御園座で1日、京都岡崎公会堂で2日の公演をする。また、東京で天津乙女・初瀬音羽子ら4名を採用する。

6月 近代劇協会「ヴェニスの商人」(有楽座)。上山草人の再起公演。
6月 セントラル・オペラ「公女ニーナ」(ローヤル館)。岸田辰弥主催。
6月 原信子歌劇団「サロメ」(浅草観音劇場)。その後「小公女」でとりあえず浅草観音劇場は終わり。

7月 宝塚少女歌劇第18回公演
  1. 歌劇「猿蟹合戦」久松作。
  2. 歌劇「造物主」久松作。高峰・雲井・篠原。
  3. 歌劇「七夕踊」楳茂都作。大江・小倉。
  4. 歌劇「クレオパトラ」小林作?。主演は雲井・篠原の役代わり。高峰・小倉・瀧川。
  5. 歌劇「江島物語」小林作?。高浜喜久子(3)・沖野石子(3)・小川夏子(2)。
  6. 管絃合奏。 この公演が東京組(天津ら)初舞台。当時は入団すぐに舞台に上がっている。

7月 「赤い鳥」創刊。鈴木三重吉が主催した大正期を代表する童話・童謡雑誌である。

8月 「歌劇」創刊。初期は小林一三自身が編集をしている。
8月 一期生由良道子死去。日舞の人であり、男役をうまくこなした初期のスターである。

9月 芸術座+公衆劇団(河合等)「沈鐘」(松竹=歌舞伎座)。
9月 歌舞劇協会「カルメン、沈鐘」など(有楽座)。高木徳子、伊庭孝、岸田辰弥、石井獏ら。竹内平吉作曲。
9月 坪内士行、宝塚入り

10月 宝塚少女歌劇第19回公演
  1. お伽歌劇「馬の王様」前田牙塔作。高峰・篠原。投稿脚本のようである。
  2. 歌劇「青葉の笛」。篠原/雲井・瀧川/小倉・大江/瀧川などの役代わり公演。
  3. 歌劇「鼎法師」楳茂都作。小倉・瀧川。
  4. 歌劇「出征軍」。
  5. 「お瞽祭」久松作。雲井・高砂・篠原。
やや低調だったようである。東京公演で評価された瀧川末子がスター化していく。
-- この頃、養成会を学校組織に改変する計画が公表される
10月 歌劇三派大合同「リゴレット、ルチア」(駒形劇場)。原信子、清水金太郎ら

11月 三期生宇治朝子、スペイン風邪のため死去。「三人猟師」の子狐で評判になった娘役。
11月 芸術座「緑の朝」(明治座)。
11月 島村抱月急死
11月 川上貞奴引退


この頃から、浅草オペラ全盛期。



copyright by K.Sugiura, 1996-2006