■言葉


地元情報誌を見ていたときにちょうどシニア特集をやっていました。
趣味や好きなタレント食べ物などのランキングから、今一番欲しいものや好きなテレビ番組など色々なことが紹介してありました。

たくさんの設問のなかに一番目を引いたものが『今の若い人に言いたいこと』です。
そのかなでわりかし大きく取り上げられていたものが『正しい日本語を話して欲しい。最近の言葉は分からない。このまま日本語が壊れていかないか心配です。(73歳)』でした。

『正しい日本語を話して欲しい』というところに疑問を持ってみました。
はたしてこの73歳の方は今まで正しい日本語を話してらしたかというところが問題です。
そもそも日本語が石器時代に生まれたとして、この73歳の方が生まれた昭和3年までどれだけ日本語が変化したでしょう。
時間をかければかけるほど、時代背景や話す人、土地によって言葉というものはめまぐるしく変化を遂げてきたと思います。
結局そう考えるといつの時代に使われ、どんな人が使った日本語が正しいのかということになります。
『正しい日本語を話して欲しい』など見ますと、あなたの時代に使われていた日本語は確実に正しい日本語だったんですか?と聞きたくなります。
正しい日本語の基準もないのに『正しい』とつけられると納得できません。

壊れる日本語というより、進化していく日本語。
大河ドラマなどで使われる言葉など、聞いていて理解するのに時間のかかりそうな言葉がたまに出ます。
それは慣れ親しんでいない言葉だからであって、今現在使われていないという事は、それだけ変化していったということだと思います。
ということはあと千年後となれば、もう今生きてる人は誰も理解できないような日本語になっているかもしれません。
今の言葉を後生にもずっと伝えていきたいと思うことから無理ではないかなと思います。
昔話も神話も伝えられるうちに一部分が欠落したりおかしくなったりしているはずです。
どんなに受け継いでいく人たちががんばってもどうしようもない話しです。

外来語の氾濫もどうだろうということもたまに問題になりますが、外来語も実はりっぱな日本語だったりすると思います。
やってきたのが英語圏であれフランス圏であれ、日本にやってきて独自の進化を遂げた『日本語』に間違いありません。
知らないから使わないで欲しいではなく、知らないなら調べようとしたり意味を広く伝えることをしなければいけないと思います。

言葉は一分一秒かわっている生き物だと思います。
慣れ親しんだ言葉がどんどん消えていくのも悲しいことだと思います。
しかし今まで変ってきたものですから誰も止めることはできないのではないだろうかと思います。





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