■柿ピー物語


お菓子のパッケージの裏にある、キャッチコピーを見ながらぼりぼり食べることが楽しみの一つだったりします。
食べながら読むわけですから、あまり頭にはいるということはありませんが、この行為が時間的余裕があるからこそできるという優越感を感じるので、毎日働きアリのように働く人たちを思うと、自分がものすごく幸せであるなぁと思うのです。


時間的余裕があるという優越感にひたるべく、実は意図的に暇な時間をつくったに過ぎない状況で、柿ピーをぼりぼり食べていました。
なにげなく裏のキャッチコピーやら、柿ピーの売り文句を読んでいたんですが、ある文章にクビッタケになりました。


 『手ムキ原料を選別し〜』


手ムキ・・・手ムキ・・・。
ということでわかったことを一つ。
わたしが今食べている柿ピーのピーナッツは手ムキらしいのです。

ふと思ってみました。イメージ的に舞台は大正時代。
田舎から(東北地方雪深い山々の村に住んでいる限定)都会の工場に連れてこられた工女の話し。
ピーナッツの手ムキは中国で行われているようですから、東南アジア系の若い娘っこが一家を助けるために、泣く泣く中国に連れてこられ、手ムキの工女として働く物語を考えてみました。


貧しい農家に生まれた長女マリン(16)。
一家の畑は天災続きで今年も米を収穫できずに、法外な利子で増えつづける借金を抱えていました。

家庭環境としては、病気がちの父と、乳飲み子を抱える母、まだまだ幼い弟たち(15人ほど)。
毎日いらっしゃる借金取りの柄は日に日に悪くなるばかり。
一家の生活を支えるため、少しでも借金を返すため、街に行っては観光客向けに働くマリン(16)。
しかし働いても働いても借金は増え続けるばかり。
とうとう借金取りもしびれを切らして、明日までに払えと迫り、どうにもこうにも首の回らなくなった一家は、借金取りの言われるままに、安い賃金なのにもかかわらず、その場しのぎの持参金に目がくらんで、とうとう長女マリン(16)を中国のピーナッツ手ムキ工場へ工女として売られていくことになりました。

工場での仕事は劣悪で日に19時間労働は当たり前。
朝は早く、食事は菜っ葉の汁物だけ。
ノルマは一人一日100キロ以上の皮むき。
忙しい時期になると(夏場)ノルマ150キロ以上は当たり前。
それでも膨大な借金を返すため、家族の生活を守るため、少ない賃金であっても一生懸命働くマリン(16)
そう言えば父がタバコが欲しいって・・・弟たちにもおもちゃを買ってあげたい。
それだけが工場でがんばっていくマリン(16)の支えでした。
しかしそんな願いもむなしく、マリン(16)は劣悪な労働条件により短い命を散らしていくのでした。


とか色々思い考えていたらていたら、全部食べてしまいました。
うぇっぷ。
きっとマリン(16)の爪の垢が含まれていたため、お腹を壊したのだと思います。
イタイよー。




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