「親友=恋人」


は買い物を終えて、宿の部屋へと帰ってきた。
「ただいまー」と言って、部屋の中に入ると、が嬉しそうに「ーっ!!」と叫んで、飛びついてきた。
すると、はきゃっと小さく悲鳴を挙げた。
悟空がぱっとから離れ、慌てた様子で「ご、ごめん……」と謝ってきた。
はニコリと明るく笑って「大丈夫、大丈夫。気にしないで?」と言った。
「あー、よかった。怒ったかと思ったー」
俯いてしょんぼりとしていた悟空が、その言葉を聞いて嬉しそうに笑った。
一瞬、の瞳が金色の瞳と目が合う。しかし、はさっと目線を逸らした。
それから「あ、何か食べる?一杯買ってきたの」と言って、抱えていた買い物袋から物を取り出そうとした。
しかし、悟空は首をぶんぶんと横に振って「ううん、いらない」と言った。
「えー?珍しいねぇ、雪でも降るんじゃない?」
が茶目っ気たっぷりに言った。すると、悟空がムスッとした顔で「そんな事ねぇよ」と言った。
「ごめん、ごめん。あー、お茶入れるけど、悟空いる?」
「……いらねぇ」
「えっと……んじゃあ、何か欲しい物はある…?悟空……?」
は、急に元気が無くなった悟空に困惑しながら、話しかける。
しかし、悟空は俯くだけで返事をしない。
すると、は今にも泣き出しそうな顔をして、悟空の顔を覗き込んだ。
「私が……悪いんだよね?なら謝るよ。ゴメン。でも……理由がわかんないんだ。一体……」
「……目」
悟空がポツリと呟いた。が首を傾げる。
「……目、逸らした」
「……あぁ、それか。それねぇ」
が意味深げに呟いた。すると、悟空が怒ったように「それってどういう意味だよ!?」と言った。
「だー!!あのね、あれは恥ずかしかったの!!」
もどかしげにが叫んだ。悟空が不思議そうに首を傾げる。
「ずっと思ってたんだけど……私、私……悟空の事……す、き……だったの//」
頬を朱に染めながら、が呟いた。
すると悟空がぎゅっとの体を抱きしめた。
そして、力強い声で答えた。
「オレも好きだった、ずっとずっと好きだった」
「……なんだ、両思いじゃん…」
がクスッと、幸せそうに笑った。





親友=恋人という方程式の出来上がり?





終わる。



*あとがき*
書いてて物凄く恥ずかしくなった代物。
珍しく純愛じゃん、オレ!!(笑)
珍しく普通じゃん、オレ!!(笑)
もっと甘くても良かったなぁ。けど、砂糖吐き出し警報発令中だったし……。
とりあえず、悟空のキャラが若干掴めたぞ!