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ごく一般論として、構造は簡単な程理解は容易です。また、一度に把握するべき
事柄は少ない程把握するのは容易です。ですから、プログラムの構造を考える時
にも、このことは十分留意して行う必要があります。
一般にプログラムの構造は、以下の2つに分類されます。
- 階層構造
上位モジュールは自分に属する下位モジュールのみを呼び出します。
- 網型構造
モジュールは相互に自由に呼び出します。
一長一短ありますが、一般には階層構造が望ましいとされています。以下に階層
構造の利点を書くと、
- 1つのモジュールを考える際に、自分とその下位モジュールだけを考え
れば良いので、一度に把握する事柄が少なくて済む。
- モジュールを変更する際に、影響をあたえるモジュールが少なくて済む。
- モジュールの設計において、段階的詳細化の手法が利用出来る。
また網型構造の不利な点を挙げると、
- モジュールの関連が複雑になるので、ロジックを追い難い。
- モジュールの変更が広い範囲に影響をあたえやすい。
しかし、階層構造にも不利な点があって、
- 冗長なコードになりやすい。
- 階層が深くなりやすい。
いくつかの不利な点はありますが、そのリスクを負っても利点の方が大きいので、
階層構造を推奨します。実際には、procedureは階層構造にして、functionを活
用するような設計を行えば、階層構造の欠点をカバーすることが可能です。
Masami Ogoshi
2001-11-12