主の晩餐のパン

私は普段鬼畜なことをしていてもクリスチャンだ。昔は執事やら「第二種兼業牧師」やらやっていた。まー20年近く前のことだけど。

教会の儀式で「主の晩餐」あるいは「聖餐式」というのがある。キリストが十字架にかかる前に弟子達と食事をした時に、パンを分け与えて祝福したという故事にまつわる儀式だ。

この「パン」はユダヤ人の「過越しの祭」のもので、パン種つまりイーストが入っていないのが正式である。だから、原理主義的に儀式を行うには、イーストを入れないパンを作る必要がある。

私が伝授されたのは「小麦粉、塩、油」という材料だけで、作り方はなかった。なので、試行錯誤してレシピを作る必要がある。

パンなので、多分小麦粉は強力粉だろうと考えた。

試行錯誤の結果塩はやや多め。なぜなら、このパンはまるっきりおいしくない。なので、塩気の勢いで食わないことには食えたもんじゃない。いっそ「小麦粉で作ったお煎餅」みたいにした方がいい。

油はまぁ適当に。これが多くても少なくても、大勢に影響はないようだ。ただ、入れないと焼く時に焦げつきやすいので、ちょっとだけ入れる。

水はよくわからないので、普通のパンくらい入れる。もうちょっと多くても良い。普通のパンはイーストで膨らませるのであの堅さになる。このパンはイーストを入れないので、やや柔かめにしておかないと、食えたもんじゃない。

これらを混ぜ合わせて、オーブンで焼く。

試行錯誤の結果、生地はあまり寝かさない方が良いようだ。あまり寝かすと堅くなってしまって食えたもんじゃない。寝かせてなければ、クッキーのような感じにサクサクになる。この方がいい。まー、長く寝かせると「小麦粉で作った煎餅」みたいになるので、この方がいいという向きには良いのだが、作り方の関係でどうせボロボロしてしまう。

まー、そうやって試行錯誤していくらかでもおいしいものを作ろうとしたのだけど、やっぱりおいしいものは作れなかった。まぁおいしけりゃ良いってもんじゃないけど、下手に作ると儀式で使う1かけらさえも、まともに食えないんだよねぇ。やっぱりイーストは偉大だ。

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