「チキン食べ放題」以上のケンタッキーからの贈りもの

「世界でもっとも有名なシェフ カーネル・サンダースの自伝」の電子版が無料配布されている。

KFC 今日もカーネルの調理法!

このページの下の方にリンクがって、PDFがダウンロードされる。

これは要するに「カーネルおじさん」の自伝なんだけど、これが凄まじい。

最初の方ページを見ると、絵本っぽいレシピとか並んでいたりするので、子供向けの絵本かと勘違いするのだが、がっちり書かれた凄まじいカーネル・サンダースの自伝だ。

どんな話か、具体的なことは割愛。どうせ

無料ダウンロード

だから、興味を持った人は読めばいい。私の下手なレビューでわかった気になるより、実際に読むのがいい。

しかし、高々100ページ強だと舐めてかかってはいけない。私をして(何冊本を買っても、その日に全読する)読了まで思いがけず時間がかかる。それだけ内容が濃いのだ。つまり、あの「ケンタッキーのおじさん」はそれだけ濃い人生を送って来たということだ。

これは「自伝」であるから、「自伝バイアス」はあって当然… とか思うだろうが、起きているイベント自体が濃いものだから、むしろ

「そこもっとkwsk」

と言いたくなるような、そんなイベントの連続だ。「破産して」とか、たったの1行で書いてあったりするのだが、「あれやって、これやって、これが起きて」を並べただけでこの分量だ。よくこれだけ浮沈の激しい人生を送って来たものだと思う。

しかも、読んでも読んでも「ケンタッキー・フライド・チキン」の話は出て来ないのだ。フライドチキンの話は早くに出て来るのだけど、かなり読み進んでも、「ケンタッキー・フライド・チキン」なるフランチャイズビジネスの話は出て来ない。モーテル作ったとか、レストラン作ったとか、破産したとか、そんな話ばかりが続く。なぜなら、「ケンタッキー・フライド・チキン」なるビジネスは、普通の人なら「晩年」と言ってもいい、彼が

年金生活者

になってから起こしたものだからだ。てか、年金生活をしたから出来たみたいな話らしい。その辺の「凄さ」は、ぜひ読んでもらいたい。

という濃い自伝であると共に、これは「最高の自己啓発書」でもある。読んでいるうちに

「よっしゃ、俺も頑張る」

という気分になって来る。自己啓発セミナーとか薄っぺらいビジネス書、あるいは毎日のようにどこかのブログに書かれているような、「こうやって成功した」の類とは全くレベルの違う、「自己啓発」が得られる。

こんな本をサクっと公開してくれた「日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社」に感謝したい。「チキン食べ放題」なんかよりもずっと素晴しい贈りものだと思う。