クラウドワークスやらランサーズやら

なんかちょっと話題になってたようだ。

クラウドワークス社長が梅木雄平氏のステマ疑惑の記事に対して遂に絶縁宣言

一応、備忘のためにリンク貼っておくけど、他意はない。

何があったかは、よそ様のウェブサービスの評価のことなので、それを云々する気はない。私の立場でその手のものを云々することは、自分の首を締めることになりかねないので。

どっちのサービスがどうとか、何があったかとか、そんなものは

50歩100歩

のことであって、どうでも良いのだ。

それよりも個人的に気になってしょうがないのは、こういったクラウドソーシング系のサービスの利用者のことだ。特に発注側。

簡単に言ってしまえば、

舐めるなよ!!

と言いたくなるようなものばかりが並んでいるからだ。

一々具体的な案件にリンクを張っても、どうせ時が経つと消えるだろうから張らないけれど、

「この要求で、どうしてこんな単価ですか?」

としか言いようがないものがずらずら並ぶ。

それなりに高度な技術を必要とするようなものの時給がコンビニのレジより安いとか、面倒臭い打ち合わせが必要そうな案件が総額2000円とか。素人が発注するものだから、こういった世界の相場観がないのは、まぁしょうがないにしても、曲りなりにも「技術者」に仕事を頼むのだから、そういった安過ぎる、下手すれば最低賃金にもならないような単価で発注しようとか、舐めてるとしか思えない。

と、こういった話をすると、すぐに「海外のクラウドソーシングを使うと」とか言い出す奴がいる。確かに物価の違いとかもあって、海外のクラウドソーシングが安いのは知ってる人は知っている。

クラウドソーシングはここまで来ている!oDesk(オーデスク)が生み出す衝撃波

リンクはてきとー。探せばいくらでも情報は出て来る。とにかく安い。

とは言え、その安さを享受するためには、発注側はそれなりのことをしなければならない。

  • 英語(現地語)で発注しなければならない
  • 商習慣や常識、文化の違いに対応しなければならない
  • 発注するべきことは、整理済みでなければならない
  • 「出社」とか出来ない

などなど。そういったことが出来る発注者のみが、この安さを享受する資格がある。

そういったことを無視して、「今やグローバルのクラウドソーシングはぁ!」とかと言ってしまって、国内クラウドソーシングの発注単価の安さを肯定することはありえない。「アメリカのビッグマックの値段は」とか言ったところで、日本で買う限り意味がないのだ。国内にしか発注出来ない仕事であれば、国内価格でやるしかない。

しかし、実はそういったことよりも、もっと残念なことがある。そういった無茶苦茶な単価の仕事であっても、申し込む奴がいるということだ。

彼等はコンビニのレジの単価よりも安い単価で技術者の仕事を引き受けてどうするつもりなのだろうか。打ち合わせどころか完成物の期待仕様を読むだけで飛んでしまうような発注金額の仕事を引き受けてどうするつもりなのだろうか。その仕事は完遂出来るのか? 顧客が求めそうなクレームに対応して心が折れないだけの報酬なんだろうか?

昔、内職仕事斡旋関係の仕事にちょっとタッチしてた時に、

主婦内職が来たらその業種は終わり

と言われたものだ。専業主婦は小遣い銭になれば満足してしまうし、昔は専業主婦は大量にいたので、いくらでも安い単価で発注出来る。なので、主婦内職になってしまったら、価格破壊が起きてしまって、その業種の内職は成立しなくなってしまうという話だ。出す方として都合が良さそうに見えるのだけど、斡旋する方もサヤが抜きにくくなるので、結局誰も得をしなくなってしまう。

今、クラウドソーシング系の仕事を見ていると、そういった現象が起きているのではないかという気がしてならない。無意味な価格破壊が起きてしまって、最後は誰も幸せにならない未来図が見えてしまう。

労働契約の場合、最低賃金に満たない契約は出来ない。でも、請負契約にはそれはない。

「最低賃金」があるのなら、「最低発注金額」があっても良いでは?

だから、いくらでも安く発注出来てしまう。

最低限「回る」金額でないと仕事が出来ないのが本来だ。社会全体で自分の足を食うタコみたいなことをしてて良いとは思えないのであるが。海外は安い? それは安くても「回る」からだよ。海外に出せるんだったら、海外に出せばいーじゃん。出せないくせに、国内の単価がどーたら言うことはないよ。