大根はあまり好きな食材じゃない。
いや、食べるのは好きなんだけど、調理するべき食材として、あまり好きではない。
なんであまり好きでないかと言えば、大根って
無理やり主役になろうとする
ところが嫌いなのだ。
煮染めに大根を入れたらよくわかると思う。なぜだか奴は主役になろうとする。まぁ、煮染めは他が地味だから、大根が主役になっても「まぁいいか」と思ってもらえる。言うなれば、奴にとっての煮染めは「ホーム」だ。
ところが、それをいいことに「ふろふき大根」として主役に抜擢すると、自分では何も出来ないで、味噌とか塗ってもらわないと、味としてイマイチになってしまう。しかも、そうしたところで、「おかず」にはちょっと物足りなくて、せいぜい酒の肴にしかならない。
もっと地味な脇役として使おうとすると、大根は
- 味が染みない
- 水気が多い
- 場所取る
といった問題があって、なかなか脇役になってくれない。大根を活かそうと思うと、濃い目の味付けにするとか、水分を抜くといったような工夫が必要になってしまう。そういった工夫をしたところで、
たかだか大根
に過ぎなくて、ことさらに有能な脇役にはなれない。
そんなことを思うと、
大根役者
って、よく言ったものだなと思う。