自己都合退職でも、有給消化は当然の権利

Facebookのウォールでの話。労務なエントリが続いてるけど、別に社労士になろうとか、そーゆーつもりはないw

有給山盛り残ってる状態で、会社辞めようとしたら、有給使わせてくれなさそうだと。まぁこの手の話はいっぱい聞くし、私も有給0で退職出来たのは、最初に勤めていた会社だけだった… とゆーくらい珍しい話じゃない。

でも、結論から言えば、

使っても何の問題もない

のだ。

結論はこれだ、

退職間際の労働者から、残った年休を退職日までの勤務日に充てたいといわれたら、拒むことはできませんか?

年休は労働者の権利ですから退職間際の年休の申請に対して拒むことはできません。
実際上、退職前の業務の引継ぎなど必要がある場合は、退職日を遅らせてもらうなど、退職する労働者と話し合ったほうがよいでしょう。

労働局様が言うんだから、間違いはない。

雇用側は、有給を取得させるのは義務。有給は「取得届」であって、「取得許可願」ではない。つまり、届を出されてしまったら、認めなければならない。許されているのは、「時季変更」だけ。取らせたくない事情は当然にあるのだけど、それで交渉可能なのは、届を出す(書く)前までだ。

いい加減、負の連鎖を断ち切れよ

「その時期取られると困るから別の日にしてくんない?」ってことは可能。だからまぁ、会社はそれを駆使して、有給を取らせなかったりするわけだけど、あくまでも「時季変更」だけ。

ところが、

残り出勤日数 ≦ 残り有給日数

の場合、「代わりの取らせる日」がないので、時期の変更は不可能となる。どうしても必要がある場合は、退職日をずらす必要がある。

また、有給期間中に引き継ぎの都合とかで呼び出した場合、その日の有給は取り消すことになるので、労働者本人の同意が必要

年休で休んでいる者を会社の都合で呼び出せますか?

年休をいったん与えた以上、年休日の労働者を呼び出すことができないのが原則です。労働者本人が同意している場合には、呼び出して来てもらうこともできますが、その場合は年休を取り消して改めて与えるべきでしょう。

また、退職願には希望退職日が書いてあるものだけど、一度それに同意してしまったら、どちらか一方の都合で動かすことは出来ない。私の頃にあったのは、退職前に有給消化していたら、退職日前に辞めたことになっていたとゆー奴。これをやると、「自己都合退職」がいきなり「会社都合退職」になってしまって、労働側はいきなりラッキーなこと(=会社側不利)になってしまう。ブラック企業はやりがちだけど、労働側は泣き寝入りしない方がいい。

なんてことは、それなりの人や機関に聞けば教えてくれるし、ググればいくらでも出て来る。

自己都合 有給消化

さて、現実の問題であるけど、会社を辞める場合には「引き継ぎ」なるものがある。それを理由に退職前の有給消化を渋るところが少なくない。そんな時にはどうすれば良いかと言えば、

退職日をズラす

と良い。もちろん一度合意した退職日を動かすのは、また同意しなければいけない。もう1つの手は、

残った有給を買い上げ

してもらうことだ。一般に有給の買い上げは出来ないことになっているのだけど、それは「休む権利を金に変えてはいけない」とゆー理由で禁止されているので、取得するアテのない有給について金にするかどうかは、ある程度自由になっているようだ。

希望退職時の退職金と有休消化について

退職をする職員から未消化の年次有給休暇を買上げて欲しいとの要望がありま
したが、買上げをしても法律違反にはなりませんか。

派遣110番によく寄せられる質問と回答例(FAQ)

有給買い上げと退職日の変更は、一見結果は同じに見えるのだけど(退職日をずらすとゆーことは給料を払う必要がある)、次に行く会社の入社日が迫っている場合は、いろいろ面倒なことが起こりえるので、どっちを選択するかはケースバイケースになる。また、後者の場合は「前例がない」と言って断わることも考えられるので、最初から余裕のある退職日にしておいて、退職日をズラす方が交渉しやすいのではないかと思う。

何しろ、退職した後、会社は「あなた」に何の権利も有していないし、逆も然りだ。各方面に気をつかったところで、それに対して評価される機会はない。よく、「立つ鳥後を濁さず」とか言って、綺麗に退職することを良しとする風潮があるのだけど、そもそも、そういった気遣いは評価される機会はあまりない。悪くすれば悪評が立つとゆーことを警戒して、業界内転職の時には過度に気をつかう人もいるけど、それを良くしたところでたいして得るものはないし、本当に評価をするべき立場にいる人は、「悪評」は一つのエビデンスとして扱うだけで、「真相」のウラを取ることをするものだ。だいたい、これから辞めようとゆー会社からの評価を考える暇があったら、次に行く会社での評価を考えた方が、ずっと建設的だ。だから、

有給は情け容赦なく取得

してしまっていい。