工務店決定
ソーラーハウスの方式と良いハウスビルダーの条件を私なりに考えてみました。ソーラーシステム
私が検討したのは主に3種です。あとは亜流だと感じました。
OMソーラー住宅
PAC住宅
ハイブリッドソーラー住宅
それぞれに魅力的で、実績が有ります。とくにPACはロジカルで機器の利用は最低限です。OMは換気を前提としたソーラーで、ハイブリッドは太陽熱と化石燃料によるヒーティングを併用します。それぞれに電子メイルでインタビューしてみました。
私の印象では残念なことに、各ソーラー方式の間で特許や意匠、あるいはここでは言及しないもっと低レベルな歴史的経緯があるようです。電子メイルの回答では露骨には言わないけれど、別手法を非難めいた言葉で批評したものも有ったのです。OMの不安は、強風で内外の圧力差が生じるとき加熱された空気を効率良く床下へ導くことができるか?微細なホコリの舞うとき、室内には侵入しないのかと言う点です。屋内を一定の圧力にするために制御が複雑になれば電力消費も増えます。なによりも上昇したがる熱気を床下へ導くダクトというのが今一つ効率が悪そうです。100ワット程度はファンに食われるでしょう。
PACは手法が素晴らしいし、手がこんでいて、これぞ新日本家屋、と思ったのですが、どうもノウハウ料がコスト高で私の財力では苦しい。なにかの理由で土間への日当たりが遮られると、蓄熱する手段がありません。雄弁なwwwサイトには多量の文書がのせられていますが、純粋に化学的な部分はちょっとと思える部分もありました。
ハイブリッドは99年現在のwwwサイトの文章のアカウンタビリティの低さ、無駄にお湯を作り浪費せよと言っているかのような化石燃料併用システムで真に省エネか?という疑問がありました。しかし、間違いなく蓄熱効率は3社中最高です。取り寄せたビデオの中の「まるでホテルのような快適さです」というコメントが、ホテルの空調による乾燥などによる不快感を出張の度に経験している私には理解できません。計画換気に50ワット、不凍液循環ポンプとコントローラに150ワットぐらいでしょうか。
ハウスビルダーについて
私が住宅展示場やウエッブで調べて赴いた工務店を見定めるときの基準は以下のごとくです。話をちゃんと聞いてくれること
話をちゃんときいてくれて、出来れば趣味が合って、主義が合えばなお良い。大手ハウスメーカーの営業の方の人柄は家の質に響かないから営業の方と意見が合う、とかいい人だっていうのは全く意味がない。営業の方についてはその人の住まいに関する価値観を問いました。マニュアルにはないでしょうから。
家造りに熱意をもっていること
こちらの提案に対してその実現に知恵をしぼってくれる、あるいはくれようとすること。
ハードとソフトに理解があること
つまりそれは、家の造り方と機能性について、それに素材の特質や使いこなし方に関する知識を正確にもっているということに他なりません。木の呼吸を止めない方法、アレルギー対策、適材適所、ちょっとした仕掛けなどに豊富な知識と経験を持っていること、そしてなにより私たちが目指している50年から70年はもつ家を目指していること。
作品を見学させてくれること
オープンハウスなどでできるだけたくさんの作品を見せてくれること、これは自信の現れ、説得力があります。しかし、外見や中味でも同じようにみえてしまうこともあります。この家のポイント、なるものを教えてもらうと良いと思います。
造った家に責任をもつこと
これは施主である私たちと責任をもちあうと言うことです。つまい住み手の感想を聞いて住まい造りに反映させていること。コストに関する説明を細部にまでしてくれること
見積もりがあやふやではいけません。きっちりと算出根拠となる仕様をおさえていること、これは信頼感のみなもとです。調子のいいことばかり言っていたり、他社の悪口を言っているような所は避けるつもりです。そう言う点では、信頼できる人が納得出来る家を造ってくれたと評価する工務店を紹介してもらうというのは良いことなのだと思います。実験的部分をもっていること
これは、ふつう、重要ではなく、かえって危険なことかもしれませんし、少なくても大手のマニュアル通り、仕様通りにつくって品質が保証されるタイプのメーカーや工務店では難しいかもしれません。せっかく自分の家を注文住宅で造るわけですから、大手のプランと同じでは面白くないでしょう。住宅にも個性を持たせたいが、それは奇をてらうのではなく、機能として持たせたい。そこで実験的な部分を協力しつつ家を造れないかと思いました。私のような施主は特殊な部類にはいるのかもしれませんが。それが自立志向型の住宅です。
そうそう、モデルハウスをみるときに家の外側の側面や背面を見てエアコンの室外機の数を数えてみましょう。最高7台ついたモデルハウスを見つけたときにはなんじゃこりゃぁと思いました。熱計画がしっかりされていれば、エアコンの数は増えないはず。それも思ったより小型になるはずです。高気密、高断熱を謳っていてエアコンがたくさん付いているようなモデルハウスは実装でタコっていると見ていいです。数値は出せるが実装のノウハウがないのです。
また、玄関吹き抜け、西側の大きな窓や屋根南面の天窓は失格です。西日側だったら熱反射ガラスでも使っていれば別ですが。そういう、熱収支という観点で家を見てみるとずいぶん違いが出て来ます。大手メーカーだけでなく、軽量鉄骨を得意とする一級建築士の作った個性的な家、というのでも悲惨な例をみることが出来ます。住んでいる方は、たぶん、こういうふうにおっしゃるのではないでしょうか?「たいへんすばらしい住み心地で、冬でも太陽のあるうちは暖房もいりません」 夜はさむ〜いのかも。そこで私はある工務店を選びました。
ハイブリッドソーラー協会員で、木にこだわるあまり、材木店まで始めてしまったあたり独自の哲学を持っているようです。全面床暖房のソーラーシステムで基本は370リットルの貯湯タンクを備えています。上水の備蓄ができるのです。集熱器パネルとベタ基礎から断熱された蓄熱コンクリートには不凍液が循環します。余った熱は給湯へ回せます。くだんの疑問も工務店の社長の「省エネというより次世代標準と思ってください」という正直な説明も気に入りました。
説明の趣旨はこうです。
はっきり省エネかというと、同じ暮らし方を化石燃料や電力ベースで行うより間違いなく省エネである。灯油の消費も家の作りにもよるが100リットルのタンクで1年間一度も給油しない家もある。当社が施工すれば、レベルの高い健康的な住宅になることと、外断熱と床下蓄熱により躯体が乾燥して長持ちする、というように言葉は事実に裏付けられています。私は、「家の作りにもよるが」という一言に強くそれを感じました。それに、メカ好きの同じ官舎の方がその工務店で新築し、満足しているところからすっかり安心して話を持っていくことができました。その方とのはなしで「自立志向」が出て来たのです。工務店に話をすると即座にアイディアが返ってきます。社長はしじゅう飛び回り、造った家々をアフターケアしつつ観察して回っているようです。あの頃造った住宅はこのあたりがウイークポイントだから そろそろ見ておこう、というように。
従って、すべて外壁から鞘管を使って給排水を配管する等、後々のメンテナンスが大工事にならないような家造りのノウハウがあります。そして、目の届く範囲しか受注しない様なのです。社長の話を伺っていると色々なチャレンジをした失敗談も、同業者との勉強会の話も眼を輝かせながら話してくれます。オープンハウスでも、ここのキッチンの棚は訳ありで実はイマイチで本当はこうしたかった、なんて打ち明け話もしてくれました。話しているだけでこちらもアイディアがインスパイアされます。そうやってラフプランを引いたものを妻と見ながらああでもない、こうでもない、とやりました。いやな顔一つせずに1ダースもの1/100の図面を起こしてくれました。ほんとうはうるさいヤツと思われていたかもしれません。もっともCADは社長の息子さんの仕事ですが。
社長は木だけでなく、土地そのものを見る目まで培っています。私は購入予定の土地物件を見てもらいました。
ああ、ここは私が小さいころ遊んだことが有る。そのあとは小さな借家がたくさん建っていた。水はけも日当たりもいいし、地盤もしっかりしていますよ。安心するものですね。建築士に購入予定地を見てもらう、というのは奨められる方法だと思います。家を造るのではなく町並みを造る、そういう気概も感じました。雨上がりの仕事帰りに購入交渉中の土地をみました。水はけは大丈夫です。また、「岡」の名前がある地名ですので、地盤は頑健と判断しました。怪しいときにはサウンディング調査程度はしておいたほうがよいでしょうね。
工務店の決定とともにわが自立志向住宅はハイブリッドソーラー方式に決定です。ハイブリッドソーラー方式は運転のために電気も化石燃料も使う、贅沢に比しては省エネという確信犯的次世代住宅、です。
そうそう、結果的にもっとも批判的だった方式になりましたが、これは工務店に自然素材利用と外断熱の施工による長寿命住宅のノウハウがあったからです。方式がどうであれ、実装時に適正に施工されていないと机上の空論です。PAC住宅はその点、きっちり監理して品質を維持しているように思えます。残念ながらOM住宅はコストとの兼ね合いからか、熱収支に関しては今一つの協会加盟工務店もあります。こればかりは、家作りのノウハウと施工者の技量なのでどうしようもありません。わたしは、工務店のきっちりとした説明と仕事ぶりを見たから決定したのです。 方式にこだわっていたわけではありません。ソーラーに限らずどんな方式住宅でもきっちりとした施工ができていないと性能を発揮しないばかりか、期待された寿命よりはるかに短いものになってしまうでしょう。躯体内の結露があったら最悪です。家の寿命は短くなり、ライフサイクルコストは上がり、森林破壊やCO2の増加を惹起します。