引っ越しはおおわらわ2


 さて、2日後、連絡がありました。ラフにウエッブにリポートを書いてから、本社のウエッブのinfoのメイルアドレスに連絡をいれました。私は企業クレーマーでもなく、正当な主張をしたいだけですから、できるだけ感情的にならないようにします。infoのメイルアドレスを利用したのは電話が『待ち』に入ってしまったからで複数のラインから接触を試みようという作戦です。

 まずは効率の良い引っ越しが出来たことに関するお礼と、若干の苦言という感じで、あくまでも「御社のますますの発展を熟慮したうえで」というスタンスをとります。そうすればそれから後も良い関係を続けることができます。クレーマー対策部署のヤクザのような部隊が出てくる、なんていう紛争処理のプロトコルを未だに持っている会社も有るぐらいですから。若干の苦言、には事実のみを淡々と述べたほうが良いです。そして、かなりがっかりしている、と。あと、実働部隊にけん責など行かないように、お願いをしておきました。とても頼もしく効率的に引っ越しを実行してくれたと。ただ、若さかららか、価値判断を*多少*ミスった様です。

 さて、メイルも電話もほぼ同時でした。それも両方で最善をつくしたいとのオファーです。ピアノまで含めて16万円ほどで丸ごと一軒の引っ越しを引き受けてやってくれた会社です。基本的にこちらからは感謝を表しておきます。基本は双方にメリットが有ること、です。こちらは被害者である、という意識は両者にとってあまり建設的な結果を生まないと思うからです。

 先方の担当者は名乗り、わびます。連絡がなかったのはお盆休みであったためで、何度も説明をさせることになったのは留守居の者が受けたため、ということでした。これは改善すべき点として挙げておきましょう。顧客には現在はお盆の休暇中であり、担当できる人間が不在であるので、状況の把握と内部向けの説明が不十分にならないとも限らないと電話対応者は正直に言うべきです。微に入り細に入り「そうですねぇ」「そうですかぁ」「それはそれは」などと相づちを打って話を聞いてしまわないことです。最後まで説明させて「今担当者が不在ですので...」といわれた私は大変がっかりしました。これは敵対者を増やす可能性が高いでしょう。

   

 お盆開けに担当者が見に来てくれて現状を確認し、当社の責任で回復すると約束してくれました。こちらからは自然素材を利用している(それも宮大工の様な希有な棟梁親子が木と木目を選びながら作ってくれた)ので工務店共々とても残念に思っていると伝えます。引っ越し屋さんのアレンジする一般のハウスクリーニング業者では状況を悪く為てしまうだけかもしれませんから、できれば工務店と相談して決めて欲しいということにしました。

 

 問題となっている瑕疵責任は4点です。

 飾り丸太の左手の跡:
 こちらは工務店が目の細かいサンドペーパーで丁寧に水研ぎをしてくれて回復できました。工務店は無償でやってくれました。(解決)


 引っ越し元の玄関階段の破損:
 集合住宅の管理をしている自治会に連絡をとり、そちらで直したうえで引っ越し屋さんに請求書が行くように手配しました。1枚ですので6000円程度のはずです。(解決)


 2階エアコン取り付け時の冷媒による畳のしみ:
 これは床暖房用の畳を使っていますので、ケルヒャーを用いて染み抜きをしてみてもよいと申し出ました。ケルヒャーというのは高圧水蒸気釜をもったドイツ製の洗浄器です。140度の水蒸気を高圧で吹きつけますから、水にとけない油なども「水蒸気蒸留」の原理で落ちてしまします。ちょうど手元に借りてきた中型機がありましたので、やってみようかと思ったわけです。ところが工務店はできれば取り換えさせて欲しいといいます。たしかに、強力なケルヒャーを使うと畳のへりや畳の色も飛んでしまうかもしれません。ここは工務店にお願いすることになりました。工務店に連絡をとるように連絡をしましたが、工務店には9月3日現在、連絡はないそうです。
 ところが同日、「引っ越しのアンケートハガキを見ました」といって別部署から電話がかかってきました。妻がアンケートにも書いたのです。「こちらでやりますので。」なんだかちぐはぐですが、畳は替えてくれそうです。まくら元にある地球温暖化ガスの染み、なかなか消えてくれません。担当のかたに工務店と連絡をとるように工務店の電話を教えました。翌日工務店に連絡を入れてみると、まだ何もないとのことでした。


 1階床の汚れ:
 玄関から階段入口までがとくに薄墨を流したように汚れています。実はやすりでもかけてその後から無塗装用の塗装、リボスアウロワックスをかければおしまいと私は考えていましたが、そうもうまく行かないようです。工務店でよごれ除去をいくつか試してくれましたが、やすりでは冬目だけのこって凸凹になる、溶剤では泥はおちない、ぞうきんでは泥を擦り込むだけである...しかし、国産マツ材の柾目板、です。私は、長い目でみれば小さい子供もいることだし、これも味になるのではないかと監理も担当してくれた工務店の設計部の青年に声をかけると、「でもこれわぁ、ちょっと...」棟梁にもすまないですしね。

 唯一の解決策は床の張り替え、です。しかし、*宮大工の様な*棟梁はF1合板を捨て板にしてその上に酢酸ビニル樹脂と釘で木目を選んで柾目板を止めていっています。一部だけ奇麗にはいで、同様な板を貼るしか無いんじゃないかと工務店の監理者は腕組みをします。そうなると壁の下も剥がさなければならなくなるとか。それはおおごとです。住み始めているのに床工事!!とにかく、たたき台が欲しいから、工事見積と工期を教えてくださいと頼みました。

 さて、どうしましょう。マツですからとても柔らかい木です。小さい子がいる我が家やどうせ凸凹になってしまうだろうと思っています。しかし、工務店側とて、新築の我が家をそのような形で住み始められるのは心苦しいと思ってくれています。

 でも現実をみましょう。形のあるものは必ず形を失います。工事見積を上限として下限0までの間で、何らかの誠意を見せてもらう、なんてことが出来るのではないかと思えます。おカネという形でなくても引っ越し屋さんがもっているサービスのなかに双方にメリットがあるものを両方が納得、得した、助かったと思える価値が...

 この問題の先は長そうですが、まぁ(よ)ねもと流に交渉していこうと思っています。

次へ

2000.09.05