2001.08記てんやわんやの引っ越しから一年たちました。無垢の床は磨かれて光沢を帯び、腰壁や天井の木はアメ色に色づいて来ました。我が家においでになったお客様にはゲストブックへの記帳をお願いしているのですが、皆さん、広々、のびのび、気持ちが良い、ゆったりする、というような感想を書いて下さいます。工務店と丁々発止やりながら作り上げたわがままな住宅の1年間の住みごこちや気のついたことを書いてみます。出来上がった家はテレビや雑誌で見るような建築家、住宅設計家の手になる住宅とはちがって、地方工務店の手作り住宅ですので、ほんとうに普通の家ですけれど、住みやすい家だと思っています。
我が家にはじめていらした方は狭い玄関からリビングに入るなり(たぶんにお世辞かとも思いますけど)「ひろぉ〜い」「ペンションみたい」と開口一番おっしゃいます。冬場だと、「あったか〜い」。でも、ファンヒータやエアコンは見当たらないのです。(エアコンは冷房用途なので2階に設置)ま、寒がりで、ちょっと寒い、と言う方もいました。
小さい子は「わぁ、木のおうちだぁ」と叫びます。こちらの感想の方がペンションにたとえられるよりは私には好ましく感じます。実際、まだほんのりと木の香りがしています。我が家は工場のそばにありますが、窓を閉めてしまえばうるさいと感じたことはありません。外に出るとちょっと気にはなります。照明もできるかぎりたくさんつけたので、必要に応じて使い分け、不便を感じたことはありません。
吹き抜けの効用
居心地の良いリビングダイニングはお母さん達の作業場になる日があります。幼稚園児が半ダースぐらい、付添の大人が数人来ていてもそれほど狭苦しいとは感じないで済んでいます。吹き抜けと天井の高さのおかげで活発な園児たちの喧騒も緩和されるのでしょう。
冬は構造上どこかで極低周波で共鳴するのか、ときどきさ〜っと冷気がおりてくることがあります。まさに「呼吸する家」なのですが、冷気の「ししおどし」のような感じです。ちょっとそれは寒いのですが、補助暖房をまったく用いずに床下蓄熱体からだけの熱の供給と生活熱だけでしたから、この冬はもう少し対応してみようと思っています。床にごろりと転がって毛布をかけているとぽかぽかして気持ちがいいです。
扉を開け放っておくと、リビングからでも2階の子供の寝息が聞こえます。扉を閉めてしまえば聞こえません。家の中で適度なプライバシーを保ちつつ、気配だけはある、というような感じでしょうか。ただ、階段、吹き抜けと音声の反射を含めた到達経路があるので、名前を呼ばれて、はてどこから呼ばれたか?となることもあります。
2階ホールは小さい子供がいる我が家にとって便利な室内物干になっています。スギ花粉の飛ぶ時期でも梅雨の時期でも夕立の時期でも便利に機能しました。ベランダに干してちょっと乾き足りないかなぁと思うときにも使ってます。これも吹き抜けが上下階の通気機能を担っているからだと思っています。
内装
腰壁を玄関まで回してしまったので、姿見を下げる場所が無くなってしまいました。ヒンジが強力なら玄関収納の扉の裏側かなとは思っています。また、せまい玄関風除室の上り框(かまち)を斜めにして長さを稼いだのですが、靴箱の収まりがよくありません。図面では気がつかなかったのです。
ホンのわずかですが、国産地マツ柾目の床板からもヤニが出ます。2年ぐらいは出るでしょうとは工務店社長の談です。床材は生活でキズがたくさんついて味になってきました。
また、2階吹き抜けに面する窓ですが、重いガラスではない扉にするべきでした。まず外れることはないとは思いますが、大きな地震が来たときなど心配です。
それから、家の呼吸を助けるため石膏ボードを多用しているので、壁にものを留めるのに間柱を探すのに気を使います。これも住んでみないとわからないことでした。ハイブリッドソーラーシステム
思ったより初期のトラブルは多いものでした。工務店の展示場の「四季の家」はほとんどトラブル無し、熱媒の補給のみという話だったのですが。流石に1年経った今はほぼ初期トラブルは出尽したのでは、と思っています。気がついたときに連絡をいれると迅速に対応してくれています。内容報告はされるので満足度100%とは言えないまでも、対応に不満はありません。以下の様なことがありました。
総じてハイブリッドソーラーシステムは快適かつ高効率なシステムです。しかし、電力も化石燃料も使います。停電の時にはまったく役にたちません。そういう意味では太陽の日差しのコントロール、風のコントロールを意識した我が家の設計はパッシブソーラー的であるともいえ、よかったと思っています。ただ、冬はかなり乾燥しますので、洗濯物を室内に干したり、お風呂の湯気を加減して導入したりしました。シックハウスには成りえないですが、乾燥に弱いアトピーの長男は良く鼻血を出しました。粘膜が弱く切れやすいのでしょう。 メーカーであるチリウヒーターからの依頼ということで工務店が5ヶ所ほど温度センサを取付けて冬期の10日間データ取りを行ないました。工務店からは「たいへんいいデータです」との報告を得ました。生データの開示をお願いしたのですが、いまのところ返答はありません。PAM制御やPWM制御を早期に導入せよとまではいいませんが、更なる省エネを推進して欲しいものです。停電時にもしばらくバックアップができたらもっといいですね。
- 補助ボイラー点火せず
秋口になって試しに補助ボイラーによる加熱をテストしておこうとして気がつきました。なんのことはなく、ボイラー本体の内部配線が浮いていたためでした。
- 床下蓄熱体に蓄熱終了後、お湯取りにいかない
お湯取り側のポンプのフィンにゴミ(溶接クズか塗料片か)が引っ掛かっていたためでした。モーターの加熱を避けるためにマグネカップリングになっているのでポンプの動作音はしていました。真冬の晴天の続くころだったので、どのぐらい灯油を損してしまったのか測りしれません。最初はそんなものかと思っていたのでしたが、ちゃんと動くようになたらほんの数時間で55度のお湯がとれたのでビックリしました。数か月その状態で運転していたことになります。コレクタの温度が98度まで上昇し(熱媒が循環しないため)発覚したのでした。お湯取り表示がないにもかかわらず、貯湯タンクオーバーフローから湯気がぼうぼう出たのです。
- 熱媒の容量不足
制御盤が警報「ピーピー」と鳴って朝おこされました。「問い合わせ開始時間」つまり熱コレクタに温度を問い合わせに行って液量不足の警報が出るので、朝寝坊したい時には設定時間によっては苦痛でしょうね。熱媒(不凍液)は最初は減りやすいものだそうです。論理的な裏付けは良く分かりません。気泡が抜けるってわけでもなさそうですし...その後も数回起きています。煩雑に起きるときには雷による誤動作か母基板の異常が考えられるそうです。我が家の場合はアースに落としてもらえばいいはずなのですが。
- 制御パネルブラックアウト
調べてみたら外コンセントが抜け落ちていました。狭いすき間なのでちゃんと入っていなかったようです。
- 熱媒漏れ
熱コレクター往きのパイプから赤い熱媒が垂れていました。その後に雨が降って流れてしまったので場所は特定出来ませんでしたが、接続部分を中心に点検してもらいました。
2002.年9付記
今では配管からではなく、水道水を補給するときに飛沫が飛んで、上部のリザバーから少々漏れたものがしたたり落ちたものではないかと思っています。自分で給水するようになって気がつきました。- 給湯系の凍結
厳冬期の3日間ほどソーラー給湯系が凍結しました。ソーラーシステムの貯湯タンクやポンプ、補助ボイラーの乗っているコンクリート台の直下のところで配管内部が氷結したらしいのです。幸い、我が家は朝日の直射する東側に設備が設置してあったので数秒から数分で自然に出るようになりました。寒い北側に設備を置かなければならない設計の家は要注意、です。晴天の晩の放射冷却による冷え込みなので、そういう朝はまず晴天なので大きな問題にはなりませんでしたが、今後、さらに冷え込む異常低温になるようなら対策が必要です。2002年1月付記
ハイブリッドソーラーシステムの制御用電脳のROM交換が行われています。2.06から2.2へ。制御系の甘さがユーザから指摘されていることへの対応でしょう。年末には補助ボイラーのリレーの無償交換が行われました。省エネ対策の一環だそうです。声がとどきはじめたのでしょうか??2002年9月付記
ついに手に入れました。我が家の電子記録データ!この頁脚部か自立住宅起点ページの冬期温度データに追加しました。メーカーに感謝!です。2000年〜2001年2月までの期間、茨城県つくば市で記録した朝の最低室温では15.5度でした。普段は18度はありました。蓄熱体温度は30度ほどにしておいたのですが、工務店の社長が「それじゃ寒くねぇっすか?」というので少しずつ上げて38度ぐらいまで設定しました。建てたばかりの自然素材の家なので、急に部分的に温めないほうが良かったのです。今シーズンはもう少し上げて見ようかと思います。数日晴れないと蓄熱体の温度がさがるので加温のために石油バーナーを点火すると大分灯油を消費します。蓄熱出来ない日が続くと、はやく晴れてくれぇと心から願ってしまいます。
2002年1月付記
室内外気温と月ごとの灯油消費を公開し始めました。この頁の脚部から。窓・出窓
窓枠の米松は直射日光にあたると多量のヤニをだします。アルコールでふき取ってリボス(天然塗料)で再塗装、という作業を繰り返しています。出窓による広々感は高目の天井と吹き抜けと相まって訪れた方が感心して下さいます。冬期はやはり寝室の二重サッシの外側の内面にはひどく結露します。階段の中間にあるペアガラス窓も内側に布をたらして空気の流れを遮ったところ結露しました。吹き抜け南面壁にあるペアガラスはめ殺し窓は空気が流れるので結露はみられませんが、その分熱交換して熱が外に漏れているであろうと考え、ホームセンターで熱収縮シートを購入し1層足しました。
キッチン・食品庫
頭上に圧迫感のある戸棚やプルダウン戸棚を省略し、そのぶん食品庫の棚などを有効利用しているのでキッチンもとても広々としています。高いところの戸棚って意外に使わないんですよね。一旦収めたら死蔵してしまう。そんなわけで、他のお家にお邪魔させて頂いたときに、つい我が家のキッチンの解放感を再認識することがあります。床面積としてはもう45センチほど狭くても良かったかなと思えるほどです。システムキッチンは870ミリ高ですが、90センチ高でもよかったかなと思います。ただ、ガスレンジの位置が高いので、中華鍋を振るのが辛い、デス。中華鍋を使うことが多いのでしたら、ガスレンジは低いほうがあおりやすいのです。
キッチン出窓はわざわざ窓を切り詰めてもらったのですが、その必要はなかったかなとも思っています。また、格子入りのペアガラスの方が良かったかもしれません。2階東側はそうしているので外観の統一感と言う観点から、です。
食品庫の冷蔵庫はキッチンすっきりには効果絶大なのですが、夏場は熱がこもることがわかりました。窓が南北にあるのですが、天井際につけなかったので熱気は天井近辺に溜まってしまいます。食品庫は冬に冷えてもいいので、夏の換気のために簡単な換気口をつけようかと思案しています。軸流ファンをつけると約5万円かかるとのことです。食品庫は缶詰、野菜、米、乾物、大物の鍋、袋菓子などの収納に便利にしています。また、動作音のうるさいパン焼き器、多量の熱を出す炊飯器などがキッチンから食品庫に移ったことでリビングダイニングは快適な空間になっています。ガスレンジの排熱は同時吸排換気扇で部分換気されますから。そのためにも食品庫の換気は考えないといけないと思っています。電源・配線
いまのところ3ピンのケーブルを持つものが少ないので、外国製品の極一部に重宝しているだけです。今後、アースの良さが出てくるとよいのですが、最近の電気製品はプラスチック筐体が多くて簡単にアースがとれないのが難点です。今後導入するオーディオ機器などは3ピンプラグに変えて行こうと思います。やっぱりオーディオやビジュアルの配線は強く言っていた鴨居型か配線を支えるループみたいなものを天井際につけておくべきでした。リアスピーカだけは配線を天井内を通したんですが、プロジェクタのコンポーネントあるいはD4ケーブルをどうするの?今後増えるかもしれないサラウンドのリアサイドスピーカは?やっぱり見えるところで邪魔にならない高いところを回したほうがいいなぁ。
雨水利用
約20万円かかった雨水システムですが、(システムというほどのものではないですが)非常に便利にしています。ガチャポンプはひと漕ぎで約1リットルくみ出せますので、じょうろに汲むのが水道よりずいぶん早いのです。ガチャポンプは風力発電機とともに我が家の装飾になっています。道行くご近所の人の注目の的になっています。ただ、プロジェクト発足当初は、農業用のローリーはフタル酸エステルを含むかも、と書いたのですが、実際、雨どい、雨水配管、雨水再配分配管は塩ビですので、あまり気にしなくてもよかったワケですね。
風力発電機
やっぱりというか、風力だけではとても実用になっていません。自動車用の安価なバッテリではピーキーな風力発電機の電力を貯めきれず、また、風力発電機自体が停止時に暗電流としてバッテリからの電力を消費していることがわかりました。出力は小さくても低風速で発電するタービンの方が良さそうです。太陽電池とハイブリッド化しないと使い物になりそうもありません。どこかに24ボルト分の小さくて安価なパネルは無いものでしょうか。
2001.10付記
小さなPVパネル〔32ボルト8ワット:24ボルトでは6ワットになります)を手に入れてハイブリッド化しました。バッテリの状態はみるみる好転して電気を使えるようになりつつあります。なにかと難しい個人風力発電ですが、難しいなりにリポートし続けようと思いました。間違いなく教育、啓蒙には効きます。はい。熱交換換気扇
ナショナルの製品がついていますが、防振パッキンがつぶれてくるのか、「強」にすると振動で音がでます。2階小屋裏のちょうど寝室の真上なので、あまりうるさいようならパッキンを増やした上、ウオークインクロゼットの上に移設しようということになっています。当たり前のことですが、熱交換換気扇は外気の湿気をそのまま室内に取り込みます。エアコンで除湿した空気もどんどん捨ててしまうわけです。ちょっともったいない気もしないではありません。また、フィルタが簡単なものなので、木炭を使った衝突型の簡易フィルタでも自作しようかと思っています。
この夏の猛暑で
2001年の7月の暑さはすごかったですね。ついに大きめのエアコンを導入することにしました。機種は省エネ大賞の「全開PAM白くまくん」の3.6キロワットの製品です。これで全館を冷すのには1時間に0.5から1度ぐらいずつの勾配で冷えていきます。ちょうどいい温度になったときには外気温も下がっているということもありましたが、はっきりと除湿の効果を体感できるので、暑さに極端に弱い妻のために買いました。東側に室外機を置くようにし、午後の日差しを避けて効率を少しでも上げるように工夫しました。もちろんヨシズ、スダレで外側から熱の進入を避けています。
なんとカリバチが外壁材のコーキングに穴をあけてくれました。壁材のすき間を埋める充填剤は狩人蜂のあごで噛める硬さなのです。外壁はダイケンのものです。チョウトンボやオニヤンマの飛翔が見られるほどの田舎なので、ご愛嬌といったところです。その中にヨトウムシを蓄えられるのはちょっとf^^;; なので補修しました。良く見なかったけれどベッコウバチだったかもしれません。ベッコウバチならクモを狩って来ているはず。まぁ外壁材は防水透湿シートとの間で外側通気層を形成しているので、穴が開いていてもなんの問題もありませんけど。玄関の横でしたからね。でも大満足
風邪を引かなくなる、引いても重くならないというのは本当でした。また、太陽熱温水も使いでがあり、他社と比べてかなり高額だったホシザキの食洗機との相性はピッタリです。ただ、60度のお湯なので設定で70度を越えているとちょっと怖いときがあります。今は、日没後に冷めることも考えて上限を上げていますが、60度のお湯が欲しい場合はシステムキッチン内部に混合水栓を取付けるなどして対応する必要があるかもしれません。
必死になって勉強し、考え、いままでの経験を総動員して創った我が家は、妻も子供たちも大変気に入ってくれています。私の部分は少々折れても、実質的に利用している時間の長い家族にとって快適な家を、という態度はうまく実を結んだと思っています。もっともっとやりたいことはあったのですが、やっぱり我慢するところは我慢するしか有りませんでした。まだ壁にクギを打ったりは少し躊躇するときもありますが、シンプルで明快な快適な生活のできる入れ物として利用していこうと思っています。それにくわえて、これからは少しずつ庭造りです。晴れても、雨でも風がふいても楽しめる我が家。じゃぁ曇りの日はどうするかって?そりゃ庭いじり、ですよ、絶対 (^_^)