『建物の区分所有等に関する法律』

 
目       次

第1章 建物の区分所有

   第1節 総則(第1条 --- 第10条)

   第2節 共用部分等(第11条 --- 第21条)

   第3節 敷地利用権(第22条 --- 第24条)

   第4節 管理者(第25条 --- 第29条)

   第5節 規約及び集会(第30条 --- 第46条)

   第6節 管理組合法人(第47条 --- 第56条)

   第7節 義務違反者に対する措置(第57条 --- 第60条)

   第8節 復旧及び建替え(第61条 --- 第64条)

第2章 団 地(第65条 ---第68条)

第3章 罰 則(第69条・第70条)

 附則(第1条 ---第18条)

 制 定 昭和37年4月 4日法律第69号
  改 正 昭和58年5月21日法律第51号
             (昭和59年1月1日施行)
   最終改正 昭和63年12月30日号外法律第108号
 〔消費税法附則59条による改正〕
 〔法務・建設・自治大臣署名〕
 

 
   第1章    建物の区分所有

   第1節    総  則

(建物の区分所有)

第1条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉
 庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、こ
 の法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

(定  義)

第2条 この法律において「 区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第4条第
 2
項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。

2 この法律において「 区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。

3 この法律において「 専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。

4 この法律において「 共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属し
 な
い建物の附属物及び第4条第2項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。

5 この法律において「 建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第5条第1項の規
 定により建物の敷地とされた土地をいう。

6 この法律において「 敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関
 す
る権利をいう。

(区分所有者の団体)

第3条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行なうための
 団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者
 を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用
 部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様
 と
する。

(共用部分)

第4条 数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその
 一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。

2 第1条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることがで
 きる。この場合には、その旨の 登記をしなければ、これをもって第三者に対抗すること
 ができない。

(規約による建物の敷地)

第5条 区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、
 通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。

2 建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となっ
 たときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみな
 す。
建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったと
 きも、
同様とする。

(区分所有者の権利義務等)

第6条 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所
 有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。

2 区分所有者は、その専有部分又は共有部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内
 において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求
 することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償
 金を支払わなければならない。

3 第1項の規定は、区分所有者以外の専有部分の 占有者(以下「占有者」という。)
 に準
用する。

(先取特権)

第7条 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設に
 つき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分
 所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び
 敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。 管理者又
 は管
理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権につい
 ても、
同様とする。

2 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみな
 す。

3 民法(明治29年法律第89号)第319条の規定は、第1項の先取特権に準用す
 る。

(特定承継人の責任)

第8条 前条第1項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行
 うことができる。

(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定)

第9条 建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕
 疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。

(区分所有権売渡請求権)

第10条 敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求す
 る権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを
 請求することができる。
 

    第2節   共用部分等

(共用部分の共有関係)

第11条 共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これ
 を共用すべき区分所有者の共有に属する。

2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 ただし、第27条 第1項
 の
場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。

3 民法第177条の規定は、共用部分には適用しない。

第12条 共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には、その
 共用
部分の共有については、次条から第19条までに定めるところによる。

(共用部分の使用)

第13条 各共有者は、共用部分をその用方に従って使用することができる。

(共用部分の持分の割合)

第14条 各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。

2 前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有
 す
るものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者
 の
専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積
 に
算入するものとする。

3 前2項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。

4 前3項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

(共用部分の持分の処分)

第15条 共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。

2 共有者は、この法律に 別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離
 し
て持分を処分することができない。

(一部共用部分の管理)

第16条 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は
 31
第2項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共
 用すべ
き区分所有者のみで行う。

(共用部分の変更)

第17条 共用部分の変更(改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しない
 ものを
除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の
 決議で決する。
ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずる
 ことができる。

2 前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼす
 べきと
きは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

(共用部分の管理)

第18条 共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。
 ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

3 前条第2項の規定は、第1項本文の場合に準用する。

4 共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。

(共用部分の負担及び利益収取)

第19条 各共有者は、 規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担
 に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。

(管理所有者の権限)

第20条 第11条 第2項の規定により規約で共用部分の所有者と定められた区分所有
 者
は、区分所有者全員(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のた
 め
にその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、
 相
当な管理費用を請求することができる。

2 前項の共用部分の所有者は、第17条 第1項に規定する共用部分の変更をすること
 が
できない。

(共用部分に関する規定の準用)

第21条 建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む)が区分
 所有者の共有に属する場合には、第17条から第19条までの規定は、その敷地又は附
 属施設に準用する。
 
 

    第3節   敷地利用権

(分離処分の禁止)

第22条 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、 区分所有者
 は、
その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分する
 ことができ
ない。ただし、 規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。

2 前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部
 分に係る敷地利用権の割合は、第14条 第1項から第3項までに定める割合による。
 た
だし、 規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による

3 前2項の規定は、建物の専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する所
 有権その他の権利である場合に準用する。

(分離処分の無効の主張の制限)

第23条 前条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の 規定に違反する
 専有
部分又は敷地利用権の処分については、その無効を善意の相手方に主張することが
 でき
ない。ただし、不動産登記法(明治32年法律第24号)の定めるところにより分
 離し
て処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、そ
 の処
分がされたときは、この限りでない。

(民法第255条の摘要除外)

第24条 第22条第1項本文の場合には、民法第255条(同法第264条において準
 用する場合を含む。)の規定は、敷地利用権には適用しない。

 

    第4節   管 理 者

(選任及び解任)

第25条 区分所有者は、 規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理
 者を選
任し、又は解任することができる。

2 管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有
 者は、その解任を裁判所に請求することができる。
 

(権  限)

第26条 管理者は、共用部分並びに第21条に規定する場合における建物の敷地
 及び附
属施設を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権
 利を有し、義
務を負う。

2 管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。 第18条第4項(第21条に
 お
いて準用する場合を含む。)の規定による 損害保険契約に基づく保険金額の請求及
 び受領
についても、同様とする。

3 管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

4 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第2項後段に規定する事項
 を含む。)
に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。

5 管理者は、前項の規約により 原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者
 に
その旨を通知しなければならない。 この場合には、第35条 第2項から第4項まで
 の規
定を準用する。

(管理所有)

第27条 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができ
 る。


2 第6条 第2項及び第20条の規定は、前項の場合に準用する。

(委任の規定の準用)

第28条 この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規
 定に従う。

(区分所有者の責任等)

第29条 管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者
 がその責めに任ずべき割合は、第14条 に定める割合と同一の割合とする。ただし、
 規
約で建物並びにその敷地及び附属施設の管理に要する経費につき負担の割合が
 定められ
ているときは、その割合による。

2 前項の行為により第三者が区分所有者に対して有する債権は、その特定承継人に対し
 ても行うことができる。

 
   第5節    規約及び集会

(規約事項)

第30条 建物又はその敷地若しくは附属施設の 管理又は使用に関する区分所有者相互
 間
の事項は、この法律に定めるもののほか、 規約で定めることができる

2 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者
 全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めるこ
 とができる。

3 前2項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。

(規約の設定・変更及び廃止)

第31条 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上
 の多数
による集会の決議によってする。この場合において、規約の設定、変更又
 は廃止が一部
の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を
 得なければならない。


 
2 前条第2項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は
 廃止は、
当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はそ
 の議決権の4分
の1を超える議決権を有するものが反対したときは、することが
 できない。

(公正証書による規約の設定)

第32条 最初に建物の専有部分の全部を有する者は、公正証書により 、第4条第2
 項、
第5条第1項並びに第22条第1項ただし書及び第2項ただし書(これらの規定を
 同条
第3項において準用する場合を含む。) の規約を設定することができる

(規約の保管及び閲覧)

第33条 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建
 物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管
 しなければならない。

2 前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理
 由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない。

3 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

(集会の招集)

第34条 集会は、 管理者が招集する

2 管理者は、少なくとも 毎年1回集会を招集しなければならない。

3  区分所有者の5分の1以上で 議決権の5分の1以上を有する者は、管理者に対
 し、会
議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、
 の定数は、
規約で減ずることができる。

4 前項の規定による請求がされた場合において、 2週間以内にその請求の日から4
 週間
以内の日 を会日とする集会の 招集の通知が発せられなかったときは、その請
 求をした区
分所有者は、集会を招集することができる

5 管理者がないとき は、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有する
 も
のは、集会を招集することができる。 ただし、この定数は、規約で減ずることが
 できる。

(招集の通知)

第35条 集会の招集の通知は、会日より少なくとも 1週間前に、会議の目的たる事項
 を
示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮す
 る
ことができる。

2 専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、 第40条 の規定により定め
 ら
れた 議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の1人)にすれば足りる。

3 第1項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したとき
 はその場所に、これを通知しなかったときは区分所有者の所有する専有部分が所在する
 場所にあててすれば足りる。 この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時
 に
到達したものとみなす。

4 建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分
 所有者に対する第1項の通知は、 規約に特別の定めがあるときは、建物内の見や
 すい場
所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示
 をした時に到
達したものとみなす。

5 第1項の通知をする場合において、 会議の目的たる事項第17条 第1項、第31
 条
第1項、 第61条 第5項、第62条 第1項又は第68条 第1項に規定する決議事
 項であ
るときは、その 議案の要領 をも通知しなければならない。

招集手続の省略)

第36条 集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くこと
 ができる。

(決議事項の制限)

第37条 集会においては、第35条 の規定によりあらかじめ通知した事項について
 のみ
決議をすることができる。

2 前項の規定は、この法律に集会の決議につき 特別の定数が定められている事項を除
 い
て、規約で別段の定めをすることを妨げない。

3 前2項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。

(議決権)

第38条 各区分所有者の議決権は、 規約に別段の定めがない限り第14条 に定め
 る割
合による。

(議 事)

第39条 集会の議事は、この法律又は 規約に別段の定めがない限り、区分所有
 者及び議
決権の各過半数で決する。

2 議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる。

(議決権行使者の指定)

第40条 専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき
 者1人を
定めなければならない。

(議 長)

第41条 集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合
 を除
いて、 管理者又は集会を招集した区分所有者の1人が議長となる。

(議事録)

第42条 集会の議事については、 議長は、議事録を作成しなければならない。

2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、 議長及び集会に出席した
 区分
所有者の2人がこれに署名押印しなければならない。

3 第33条 の規定は、議事録に準用する。

(事務の報告)

第43条 管理者は、集会において、 毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告を
 し
なければならない。

(占有者の意見陳述権)

第44条 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき
 利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。

2 前項に規定する場合には、集会を招集する者は、 第35条 の規定により招集の通知
 を
発した後遅滞なく、集会の日時、場所及び会議の目的たる事項を建物内の見やすい場
 所
に掲示しなければならない。

(書面決議)

第45条 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項につ
 いては、
区分所有者全員の書面による合意があったときは、集会の決議があった
 ものとみなす。

2 第33条の規定は、前項の書面に準用する。

(規約及び集会の決議の効力)

第46条 規約及び集会の決議は、 区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生
 ず
る。

2 占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者
 が規約
又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
 

    第6節    管理組合法人

(成立等)

第47条 第3条に規定する団体で区分所有者の数が30人以上 であるものは、区分
 所有
者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並び
 にその名称
及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記を
 することによって
法人となる。

2 前項の規定による法人は、管理組合法人と称する。

3 この法律に規定するもののほか、管理組合法人の登記に関して必要な事項は、政令で
 定める。

4 管理組合法人に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗する
 ことができない。

5 管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理
 組合法人につき効力を生ずる。

6 管理組合法人は、区分所有者を代理して第18条 第4項(第21条において
 準用す
る場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額を請求し、受領す
 ることが
できる。

7 民法第43条、第44条、第50条及び第51条の規定は管理組合法人に、破産法
 (大
正11年法律第71号)第127条第2項の規定は存立中の管理組合法人に準用す
 る。

8 第4節及び第33条第1項ただし書(第42条第3項及び第45条第2項において準
 用する場合を含む。)の規定は、管理組合法人には適用しない。

9 管理組合法人について、第33条第1項本文(第42条第3項及び第45条第2項に
 おいて準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定を適用する場合には第
 3
3条第1項本文中「管理者が」とあるのは「理事が管理組合法人の事務所において」
 と
第34条第1項から第3項まで及び第5項、第35条第3項、第41条並びに第43
 条
の規定を適用する場合にはこれらの規定中「管理者」とあるのは「理事」とする。

10 管理組合法人は、法人税法 (昭和40年法律第34条)その他法人税に関する法
 令の
規定の適用については、同法第2条第6号に規定する 公益法人等とみなす 。こ
 の場合に
おいて、同法第37条の規定を適用する場合には同条第3項及び第4項中「公
 益法人等」
とあるのは「公益法人等(管理組合法人を除く )」と、同法第66条の規定
 を適用する場
合には同条第1項及び第2項中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理
 組合法人を含
む。)」と、同条第3項中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(管理
 組合法人を除く。)」
とする。
 

11 管理組合法人は、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令
 の規定の適用については、同法別表第三に掲げる法人とみなす。

(名  称)

第48条 管理組合法人は、その名称中に管理組合法人という文字を 用いなければな
 らな
い。

2 管理組合法人でないものは、その名称中に管理組合法人という 文字を用いてはな
 らな
い。

(理  事)

第49条 管理組合法人には、理事を置かなければならない。

2 理事は、管理組合法人を代表する。

3 理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。

4 前項の規定は、規約若しくは集会の決議によって 管理組合法人を代表すべき
 理事を
定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定
 め、又は規約
の定めに基づき理事の互選によって管理組合法人を代表すべき理事
 を定めることを妨げ
ない。

5 理事の任期は、 2年とする。ただし、 規約で3年以内において別段の期間を定め
 たと
きは、その期間とする

6 理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了
 又は辞
任により退任した理事は、新たに選任された理事が就任するまで、なおそ
 の職務を行う

7 第25条、民法第52条第2項及び第54条から第56条まで並びに非訟事件手続法
 (明治31年法律第14号)第35条第1項の規定は、理事に準用する。

(監  事)

第50条 管理組合法人には、監事を置かなければならない。

2 監事は、理事又は管理組合法人の使用人と兼ねてはならない

3 第25条並びに前条第5項及び第6項、民法第56条及び第59条並びに非訟事件手
 続法第35条第1項の規定は、監事に準用する。

(監事の代表権)

第51条 管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組
 合法人
を代表する。

(事務の執行)

第52条 管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の決議によ
 って行う。 ただし、この法律に集会の決議についての特別の定数が定められている事項
 及び第57条 第2項に規定する事項を除いて、規約で、理事その他の役員が決するも
 の
とすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、保存行為は、理事が決することができる。

(区分所有者の責任)

第53条 管理組合法人の財産をもってその債務を完済することができないときは、区分
 所有者は、第14条 に定める割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。た
 だし、第29条 第1項ただし書に規定する負担の割合が定められているときは、その割
 合による。

2 管理組合法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかったときも、前項と同様と
 する。

3 前項の規定は、区分所有者が管理組合法人に資力があり、かつ、執行が容易であるこ
 とを証明したときは、適用しない。

(特定承継人の責任)

第54条 区分所有者の特定承継人は、その承継前に生じた管理組合法人の債務について
 も、その区分所有者が前条の規定により負う責任と同一の責任を負う。

(解  散)

第55条 管理組合法人は、次の事由によって解散する。

(1) 建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあっては、
  その共用部分)の全部の滅失。

(2) 建物に専有部分がなくなったこと。

(3)  集会の決議

2 前項第3号の決議は、 区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数でする。

3 民法第73条から第76条まで及び第78条から第82条まで並びに非訟事件手続法
 第35条第2項及び第36条から第37条ノ2までの規定は、管理組合法人の解散及び
 清算に準用する。

(残余財産の帰属)

第56条 解散した管理組合法人の財産は、規約に別段の定めがある場合を除いて、第1
 4条に定める割合と同一の割合で各区分所有者に帰属する。

 
    第7節    義務違反に対する措置

(共同の利益に反する行為の停止等の請求)

第57条 区分所有者が第6条 第1項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそ
 れがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利
 益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため
 必要な措置を執ることを請求することができる。

2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、 集会の決議によらなければならない。

3 管理者又は集会において指定された区分所有者 は、集会の決議により、第1項の他の
 区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。

4 前3項の規定は、占有者 が第6条第3項において準用する同条第1項に規定する行為
 をした場合及びその行為をするおそれがある場合に 準用する

(使用禁止の請求)

第58条 前条第1項に規定する場合において、 第6条 第1項に規定する行為による区分
 所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第1項に規定する請求によってはその障害を
 除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難
 であるときは、他の区分所有者の全員 又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、
 訴え
をもって、相当の期間の当該行為に 係る区分所有者による専有部分の使用の禁
 止を請求
することができる。

2 前項の決議は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数で する。

3 第1項の決議をするには、 あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与え
 なければならない。

4 前条第3項の規定は、第1項の訴えの提起に準用する。

(区分所有権の競売の請求)

第59条 第57条第1項に規定する場合において、 第6条 第1項に規定する行為によ
 る
区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共
 用
部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるとき
 は、
他の区分所有者の全員又は管理組合法人 は、集会の決議に基づき訴えをも
 つて
、当該
行為に係る区分所有者の 区分所有権及び敷地利用権の競売を請求するこ
 とができる

2 第57条第3項の規定は前項の訴えの提起に、前条第2項及び第3項の規定は前項の
 決議に準用する。

3 第1項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から
 月を
経過したときは、することができない

4 前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算におい
 て
買い受けようとする者は、買い受けの申出をすることができない

(占有者に対する引渡し請求)

第60条 第57条 第4項に規定する場合において、第6条 第3項において準用する同
 条
第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法に
 よっ
てはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維
 持を
図ることが困難であるときは、 区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の
 決議に基
づき、訴えをもって、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用
 又は収益を目的
とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することがで
 きる。

2 第57条第3項の規定は前項の訴えの提起に、第58条第2項及び第3項の規定は前
 項の決議に準用する。

3 第1項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けたものは、遅滞なく、その
 専有部分を占有する権限を有する者にこれを引渡さなければならない。
 

    第8節     復旧及び建替え

(建物の一部が滅失した場合の復旧等)

第61条 建物の価格の2分の 1以下に相当する部分が滅失 したときは、各区分所有
 者は、
滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる。ただし、共用部
 分につ
いては、 復旧の工事に着手するまでに第3項又は次条第1項の決議があったとき
 は、こ
の限りでない。

2 前項の規定により共用部分を復旧した者は、 他の区分所有者に対し、復旧に要した金
 額を第14条に定める割合に応じて償還すべきことを請求することができる。

3 第1項本文に規定する場合には、集会において、滅失した共用部分を復旧する旨の決
 議をすることができる。

4 前3項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

5 第1項本文に規定する場合を除いて、 建物の一部が滅失したときは、集会におい
 て、
区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数で、滅失した共用部分を復旧
 する旨の決
議をすることができる。

6 前項の決議をした集会の議事録には、その決議についての 各区分所有者の賛否
 をも記
載しなければならない。

7 第5項の決議があったときは、 その決議に賛成した区分所有者(その承継人を含
 む。)
以外の区分所有者は、決議に賛成した区分所有者(その承継人を含む)に対し、
 建物及
びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。

8 第5項に規定する場合において、 建物の一部が滅失した日から6月以内に同項又は次
 条第1項の決議がないときは、各区分所有者は、他の区分所有者に対し、建物及びその
 敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。

9 第2項及び前2項の場合には、 裁判所は、償還又は買取りの請求を受けた区分所有者
 の請求により、償還金又は代金の支払につき相当の期限を許与することができる。

(建替えの決議)

第62条 老朽、損傷、一部の滅失その他の事由により、建物の価額その他の事情
 に照ら
し、建物がその効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要するに
 至ったときは、
集会において、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数
 で、 建物を取り壊し、か
つ、建物の敷地に新たに主たる使用目的を同一とする
 建物を建築する旨の決議
(以下「建
替え決議」という。)をすることができる。

2 建替え決議 においては、次の事項を定めなければならない。

  (1)  新たに建築する建物(以下「再建建物」という。)の設計の概要

  (2)  建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額

  (3)  前号に規定する費用の分担に関する事項

  (4)  再建建物の区分所有権の帰属に関する事項

3 前項第三号及び第四号の事項は、各区分所有権の衡平を害しないように定めなければ
 ならない

4 前条第6項の規定は、建替え決議をした集会の議事録に準用する。

(区分所有権等の売渡し請求等)

第63条 建替え決議があったときは、集会を招集した者は、 遅滞なく、建替え
 決議に賛
成しなかった区分所有者(その承継人を含む。)に対し、建替え決議の
 内容により建替え
に参加するか否かを回答すべき旨を 書面で催告しなければな
 らない。

2 前項に規定する区分所有者は、同項の規定による催告を受けた日から2 月以内に回
 答
しなければならない。

3 前項の期間内に回答しなかった第1項に規定する区分所有者は、 建替えに賛成しない
 旨を回答したものとみなす。

4 第2項の期間が経過したときは、建替え決議に賛成した各区分所有者若しくは建替え
 決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者(これらの者の承継人を
 含む。)又はこれらの者の全員の合意により 区分所有権及び敷地利用権を買い受けるこ
 と
ができる者として指定された者 (以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の
 満了の
日から2月以内に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を
 含む。)
に対し、 区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求する
 ことができる。
建替え決議があった後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得し
 た者(その承継人
を含む)の敷地利用権についても、同様とする。

5 前項の規定による請求があった場合において、 建替えに参加しない旨を回答し
 た区分
所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあ
 り、かつ、建替
え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著
 な事由があるときは、
裁判所は、 その者の請求により、代金の支払又は提供の日
 から1年を超えない範囲内
おいて、建物の明渡しにつき相当の期限を許与す
 ることができる。

6 建替え決議の日から2年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には 、第
 4項の
規定により区分所有権又は敷地利用権を売り渡した者は、 この期間の満了の日
 から6月
以内に、買主が支払った代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権
 を現在有
する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができ
 る。 ただし、
建物の取壊しの工事に着手しなかったことにつき正当な理由があ
 るときは、この限りで
ない。

7 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、 建物の取壊しの工事の着
 手を妨げる理由がなくなった日から6月以内にその着手をしないときに準用する。 この
 場合において、同項本文中「この期間の満了の日から6月以内に」とあるのは、
 「建物の
取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなったことを知った日から6月
 又はその理由が
なくなった日から2年のいずれか早い時期までに」と読み替える
 ものとする。

(建替えに関する合意)

第64条 建替え決議に賛成した各区分所有者、建替え決議の内容により建替えに参加す
 る旨を回答した各区分所有者及び区分所有権又は敷地利用権を買い受けた各買受指定者
 (これらの者の承継人を含む。)は、建替え決議の内容により建替えを行う旨の合意を
 し
たものとみなす。

 
    第2章       団   地

(団地建物所有者の団体)

第65条  一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設(これらに関
 する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所
 有
者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)
 は、
全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための
 団体
を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者
 を置
くことができる。

(建物の区分所有に関する規定の準用)

第66条  第7条、第8条、 第17条から第19条 まで、第25条、第26条
 28条、
第29条、第30条 第1項及び第3項、第31条 第1項並びに第33条
 ら第56条ま
での規定は、前条の場合に準用する。この場合において、これらの規定
 (第55条第1
項第一号を除く。)中「区分所有者」とあるのは「第65条に規定する
 団地建物所有者」
と、「管理組合法人」とあるのは「団地管理組合法人」と、第7条第
 1項中「共用部分、
建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設」とあるのは
 「第65条に規定する
場合における当該土地若しくは附属施設(以下「土地等」とい
 う。)と、「区分所有権」
とあるのは「土地等に関する権利、建物又は区分所有権」
 と、第17条、第18条第1
項及び第4項ならびに第19条中「共用部分」とあり、第
 26条第1項中「共用部分な
らびに第21条に規定する場合における建物の敷地及び附
 属施設」とあり、並びに第2
9条第1項中「建物並びにその敷地及び附属施設」とある
 のは「土地等並びに第68条
の規定による規約により管理すべきものと定められた同条
 第1項第一号に掲げる土地及
び附属施設並びに同項第二号に掲げる建物の共用部分」
 と、第17条第2項、第35条
第2項及び第3項、第40条並びに第44条第1項中
 「専有部分」とあるのは「建物又
は専有部分」と、第29条第1項、第38条、第53
 条第1項及び第56条中「第14
条に定める」とあるのは「土地等(これらに関する権
 利を含む。)の持分の」と、第30
条第1項及び第46条第2項中「建物又はその敷地
 若しくは附属施設」とあるのは「土
地等又は第68条第1項各号に掲げる物」と、第
 33条第3項、第35条第4項及び第
44条第2項中「建物内」とあるのは「団地内」
 と、第46条第2項中「占有者」とあ
るのは「建物又は専有部分を占有する者で第65
 条に規定する団地建物所有者でないも
の」と、第47条第1項中「第3条」とあるの
 は「第65条」と、第55条第1項第一
号中「建物(一部共用部分を共用すべき区分所
 有者で構成する管理組合法人にあっては、
その共用部分)」とあるのは「土地等(これ
 らに関する権利を含む。)」と、同項第二号中
「建物に専有部分が」とあるのは「土地
 等(これらに関する権利を含む。)が第65条に
規定する団地建物所有者の共有で」と
 読み替えるものとする。

(団地共用部分)

第67条 1団地内の附属施設たる建物(第1条に規定する建物部分を含む。)は、前条
 に
おいて準用する 第30条 第1項の規約により団地共用部分とすることができる。こ
 の場
合においては、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することが
 でき
ない。

2  一団地内の数棟の建物の全部を所有する者は、公正証書により、前項の規約を設定す
 ることができる。

3 第11条 第1項本文及び第3項並びに第13条から第15条までの規定は、団地共用
 部分に準用する。この場合において、第11条第1項本文中「区分所有者」とあるのは
 「第65条に規定する団地建物所有者」と、第14条第1項及び第15条中「専有部
 分」
とあるのは「建物又は専有部分」と読み替えるものとする。

(規約の設定の特例)

第68条 次の物につき第66条において準用する 第30条 第1項の規約を定めるに
 は、
第一号に掲げる土地又は附属施設にあっては当該土地の全部又は附属施設の全部に
 つき、
それぞれ共有者の4分の3以上でその持分の4分の3以上を有するものの同意、
 第二号
に掲げる建物にあってはその全部につきそれぞれ第34条の規定による集会にお
 ける区
分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議があることを要する。

  (1) 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部
  の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合
  における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有
  に属するものを除く。)

 (2) 当該団地内の専有部分のある建物

2 第31条 第2項の規定は、前項第二号に掲げる建物の一部共用部分に関する事項で区
 分所有者全員の利害に関係しないものについての同項の集会の決議に準用する。

 

    第3章                 罰   則

第69条 次の各号の一に該当する場合には、 その行為をした管理者、理事、規約を
 保管
する者、議長又は清算人は、10万円以下の過料に処する。

 (1)  第33条 第1項本文(第42条第3項及び第45条第2項(これらの規定を第
  66
条において準用する場合を含む。)並びに第66条において準用する場合を含
  む。以下
この号において同じ。)又は第47条第9項(第66条において準用する場
  合を含む。)
において読み替えて適用される第33条第1項本文の規定に違反して、
  規約、議事録
又は第45条第1項 (第66条において準用する場合を含む。)の
  面の保管
をしなか
ったとき。

 (2)  第33条第2項(第42条第3項及び第45条第2項(これらの規定を第66条に
  おいて準用する場合を含む。)並びに第66条において準用する場合を含む。)の規
  定
に違反して、 正当な理由がないのに、前号に規定する書類の閲覧を拒んだと
  き。

 (3)  第42条第1項または第2項(これらの規定を第66条において準用する場合を含
  む。)の規定に違反して、 議事録を作成せず、または議事録に記載すべき事項を
  記載せ
ず、若しくは虚偽の記載をしたとき。

 (4)  第43条(第47条第9項(第66条において準用する場合を含む。)において読
  み替えて適用される場合及び第66条において準用する場合を含む。)の 規定に違
  反し
て、報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 (5)  第47条第3項(第66条において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令
  に
定める登記を怠ったとき。

 (6)  第47条第7項(第66条において準用する場合を含む。)において準用する民
  法
第51条第1項の規定に違反して、財産目録を作成せず、又は財産目録に不
  正の記載
をしたとき。

 (7)  理事若しくは監事が欠けた場合又は規約で定めたその員数が欠けた場合にお
  いて、
その選任手続を怠ったとき。

 (8)  第55条 第3項(第66条において準用する場合を含む。)において準用する民
  法
第79条第1項又は第81条第1項の規定による公告を怠り、又は不正の公告をし
  た
とき。

 (9)  第55条第3項(第66条において準用する場合を含む。)において準用する民法
  第81条第1項の規定による破産宣告の請求を怠ったとき。

 (10)  第55条第3項(第66条において準用する場合を含む。)において準用する民
  法
第82条第2項の規定による検査を妨げたとき。

第70条 第48条 第2項(第66条において準用する場合を含む。)の規定に違反
 した者
は、 5万円以下の過料 に処する。

 

    附    則

(施行期日)

第1条 この法律は、昭和38年1月1日から施行する。

(建物の区分所有等に関する法律の一部改正に伴う経過措置の原則)

第2条 第1条の規定による改正後の建物の区分所有等に関する法律(以下「新法」とい
 う。)の規定は、特別の定めがある場合を除いて、この法律の施行前に生じた事項にも
 適
用する。ただし、同条の規定による改正前の建物の区分所有等に関する法律(以下
 「旧
法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。

(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定に関する経過措置)

第3条 新法第9条の規定は、この法律の施行前に建物の設置又は保存の瑕疵により損害
 が生じた場合における当該事項については、適用しない。

(共用部分に関する合意等に関する経過措置)

第4条 この法律の施行前に区分所有者が共用部分、新法第21条に規定する場合におけ
 る当該建物の敷地若しくは附属施設又は規約、議事録若しくは旧法第34条第一項の書
 面の保管者についてした合意又は決定(民法第251条又は第252条の規定によるも
 のを含む。以下この条において同じ。)は、新法の規定により集会の決議で定められた
 も
のとみなす。この法律の施行前に新法第65条に規定する場合における当該土地又は
 附 属施設に係る同条の所有者がこれらの物又は規約、議事録若しくは旧法第36条にお
 い
て準用する旧法第34条第1項の書面の保管者についてした合意又は決定も、同様と
 す
る。

(既存専有部分等に関する経過措置)

第5条 新法第22条から第24条までの規定は、この法律の施行の際現に存する専有部
 分及びその専有部分に係る敷地利用権(以下「既存専有部分等」という。)について
 は、
この法律の施行の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日か
 ら適
用する。ただし、次条第1項の指定に係る建物の既存専有部分等については、同項
 に規
定する適用開始日から適用する。

第6条 法務大臣は、専有部分の数、専有部分及び建物の敷地に関する権利の状況等を考
 慮して、前条本文の政令で定める日前に同条本文に規定する規定を適用する既存専有部
 分等に係る建物及びこれらの規定の適用を開始すべき日(以下「適用開始日」とい
 う。)
を指定することができる。

2 法務大臣は、前項の指定をするときは、あらかじめ、その旨を各区分所有者又は管理
 者若しくは管理組合法人の理事に通知しなければならない。

3 前項の規定による通知を発した日から1月以内に4分の1を超える区分所有者又は4
 分の1を超える議決権を有する区分所有者が法務省令の定めるところにより意義の申出
 をしたときは法務大臣は、第1項の指定をすることができない。

4 第1項の指定は、建物の表示及び適用開始日を告示して行う。

5 適用開始日は、前項の規定による告示の日から1月以上を経過した日でなければなら
 ない。

6 法務大臣は、区分所有者の4分の3以上で議決権の4分の3以上を有するものの請求
 があったときは、第1項の指定をしなければならない。この場合には、第2項及び第3
 項の規定は、適用しない。

第7条 法務大臣は、前条第4項の規定による告示をする場合において、区分所有者が数
 人で有する所有権、地上権又は賃借権に基づき建物及びその建物が所在する土地と一体
 として管理又は使用をしている土地があるときは、その土地の表示を併せて告示しなけ
 ればならない。

2 前項の規定により告示された土地は、適用開始日に新法第5条第1項の規定による規
 約で建物の敷地と定められたものとみなす。

3 前条第2項及び第3項の規定は、第1項の規定による告示について準用する。

第8条 附則第6条第1項の指定に係る建物以外の建物の既存専有部分等は、附則第5条
 本文の政令で定める日に、新法第22条第1項ただし書の規定により規約で分離して処
 分することができることと定められたものとみなす。

(規約に関する経過措置)

第9条 この法律の施行の際現に効力を有する規約は、新法第31条又は新法第66条に
 おいて準用する新法第31条第1項及び新法第68条の規定により定められたものとみ
 なす。

2 前項の規約で定められた事項で新法に抵触するものは、この法律の施行の日からその
 効力を失う。

(義務違反者に対する措置に関する経過措置)

第10条 この法律の施行前に区分所有者がした旧法第5条第1項に規定する行為に対す
 る措置については、なお従前の例による。

(建物の一部滅失に関する経過措置)

第11条 新法第61条第5項及び第62条の規定は、この法律の施行前に旧法第35条
 第4項本文の規定による請求があった建物については、適用しない。

(不動産登記法の一部改正に伴う経過措置)

第12条 第2条の規定による改正後の不動産登記法第93条第3項ただし書、第93条
 ノ2、第93条ノ7、第100条第2項及び第101条第4項から第6項までの規定
 は、
この法律の施行の際現に存する一棟の建物を区分した建物については、適用しな
 い。

(罰則に関する経過措置)

第13条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例に
 よる。

(地方税法の一部改正)

第14条   (略)

(不動産登記法の一部を改正する等の法律の一部改正)

第15条(略)

(不動産登記法の一部を改正する法律の一部改正)

第16条(略)

(都市再開発法の一部改正)

第17条(略)

(大都市地域における住宅等の供給の促進に関する特別措置法の一部改正)

第18条(略)