〜情けない男祭り〜に捧ぐ駄文。
「ッテェ・・・・・・っ」
「どうした桃?!」
「ちょっと・・・・足捻ったみたい・・・なんスけど・・・・・」
部活中、ストロークをしていた桃がいきなりしゃがみ込んだ。心配になった部員達は桃に
近づいて様子を見る。
「もうすぐ大会がある。無理しないで保健室へ行って先生に見てもらえ。」
部長のツルの一声で周りに集まっていた部員は散り散りになる。
「じゃぁ・・・越前。ちょっと桃を保健室まで送って来い。」
「え・・・」
「つべこべいわず、早く!」
「・・・ハイ。」
ちょっとムスっとしながら桃城に肩を貸す。・・・とは言っても背があまりにも違うので
桃城は腰を曲げなくてはならず、余計にキツかった。(気付けよ部長・・・)
「悪ィな・・・越前・・・」
「何てことないスよ・・・」
こんなに小さなリョーマに肩を借りなくてはならない自分が情けなくてちょっと泣けて
きた桃城だった。保健室は幸いにもグラウンドから校舎に入ってすぐの場所にあった
ので、さほど遠くはなかった。
ガラリとドアを開けて先生を呼ぶ。
「先生ーー?」
「ハイハイ。」
「あ、ちょっと足捻ったみたいなんですけど・・・」
「あら、桃城君じゃない。」
「え・・・?」
「この前も確か足捻挫したって来たわよね?」
「う゛・・・・・」
そういえばこの前も捻挫で保健室に運ばれたのだった、あれは確か新学期早々
ハデにコケて・・・・そう思うとさらに情けなさ倍増だった。
「クセになっちゃったのかしら?大変ねぇ。シップと包帯渡しとくから、あなた巻いてあげて?」
「え・・・オレですか?」
「えぇ。ちょっと先生、用事があって今から出かけなきゃいけないのよ。ゴメンね。あ!もう
時間だわ。とりあえずそこの用紙に記入しといてくれればいいから〜〜・・・・」
そういいながら保健室を後にする先生。ケガ人より大事な用なのだろうか・・・・?
「包帯なんて巻いたことないっスよ・・・・」
包帯を見ながら呆然を立ち尽くすリョーマ。いかにもといった感じである。
「あぁ、オレ自分で巻くから。越前は記入頼む。」
リョーマから包帯を受け取り、シップを張った上に巻きつけようとする桃城。
ふと、前かがみになって用紙に記入するリョーマの後ろ姿が目に映った。
・・・・その姿に桃城の中で火が付いた。
「越前・・・・」
「んーー?何スかーー?」
ペンを走らせて桃城を見ずに返事をする。するといきなり後ろから両手を鷲づかみに
され、頭の上まで引っ張られた。
「何すっ・・・・・ってえぇ?!」
すばやく桃城が手に持っていた包帯で両手を縛る。ぐるぐると「縛る」というよりは「巻きつける」
という表現の方が正しいだろうか。包帯が半分ほどなくなると桃城はリョーマをベットへと
押し倒した。
「ちょっ・・・・冗談やめてくださいよ・・・っ」
「俺はいつだって本気だぜ??」
ニヤリを笑みを零しながらリョーマの上にのしかかる。既に両手の自由を奪っている分だけ
桃城の方が有利だった。
すると・・・
パタパタパタ・・・
遠くの方から足音が聞こえてきた。
・・・・・・・・・やばい!!!
急いでリョーマに巻きつけた包帯を取り去り、元の位置に戻る。
ガラッ!
ドアが開かれる。
「桃、大丈夫?」
入ってきたのは天才・不二周助だった。なんでこんなイイ所をピンポイントで狙ったかの
様に邪魔しにくるのだろうか。しかもよく見ると顔が笑っていない。
「え・・・あ・・・大丈夫ッス・・・・」
「まぁ、越前君を襲うくらいだもんねv元気に決まってるよねvvv」
絶対零度の微笑みで桃城に向かって言う。思わず桃城の声が裏返った。
「え゛・・・・見て・・・たんですか??!」
「あぁ、カーテン全開だったしね?」
「えぇ?!・・・あぁ!!!!」
今更やっと気付いたのかといわんばかりにベットの上で座っていたリョーマが睨む。
「まぁ、でも気付いてたのが僕だけでよかったねv」
「・・・・・・・・・・・」
最早言う言葉すら見つからない桃城であった・・・・
End.
只今「救姦病棟☆24時」というサイトで開催されている「情けない男のお祭り」に
捧げたSSです・・・とりあえず送りつけるのは初(!)なので未遂にしときました・・・(汗)
桃リョも結構好きなんです・・・vvv(何!)
