スペシャル☆オーダー



「はい、カルー、綺麗になったわよ。」
「クウェーーーーーッ!!」
ビビは毛づくろいで細かい羽のついた手を洗うために外に出た。

手を洗い終え、甲板に出る。

「いい天気〜♪」
雲ひとつない空、そよ風が吹き注ぐ。
「きゃっ!」
都合上により突風が吹いた。
ビビは床に倒れこんだ・・・・はずなのだが・・・
「あら??」
不思議とどこも痛くない。ふと煙草の香りに気が付き目を開けると
「大丈夫ですか?お嬢さん」
「サンジさん!ありがとう」
そこにはいつも通り煙草を咥えたサンジが居た。
「どこも怪我はありませんか?」
「ええ」
「それは何よりで」
恭しく微笑する。その微笑を直に見ることが出来ずに、ビビは目をそらした。
それと同時に、サンジの右腕が自分の腰に回されていることにきづいた。
慌てて離れようとした途端にサンジの声がした。
タイミングを逃して、ビビはその姿のまま硬直してしまった。

「それにしても,ビビちゃん軽いな〜、色々大変なのは判るけど、
 ちゃんと食べないといざって時に力がでないよ」
「う・・・うん、判ってるわ・・・けど」
「ってわけで、はい」
「え??」
差し出されたのは青い液体。きらきらと光を反射して輝いている。
「どうぞ。サンジ特製ブルーハワイです」
「あ・・・ありがとう。」
きらきらと魅力的な光を放つカクテルを少し喉に通した。
「おいしい・・・・・」
強めのアルコールに微妙な塩身がかった味が心地よい。
「貴女の瞳の色に合わせて作りました」
「!!」
確かにその吸い寄せられるような青は、毎日鏡で見てきた自分の瞳と同じ色だった。
「どうぞ、部屋でゆっくり飲んで下さい」
一礼してからそこを立ち去ろうとするサンジに思わず声を掛けてしまった。
「サンジさん、行っちゃうの?!」
「え・・・・」
まさか呼び止められるとは思わなかったらしい。
ビックリした顔で振り返った。
「あ・・・!ううん、違うの!!何でもないわ!!
 只、・・・・・・・・ありがとう」
「いえいえ。じゃあね。」
手を振りながら厨房へと消えていくサンジ。

サンジの姿が見えなくなったにも関わらずずっと厨房の方を見つめていたビビは、
カルーの自分を探す声に気付き、奇妙なキモチでそこを去った。



自分の部屋で、ベッドに腰をおろす。
何故だか、すぐにはカクテルの残りを飲む気分にはなれなかった。
胸が苦しくて、それを飲み干したら自分の気持ちが溢れてきてしまいそうで・・・・・

『貴女の瞳に合わせて作りました』

あの時の笑顔が頭から離れない。
カクテルと、サンジの笑顔によってビビの中はいっぱいになってしまった。
けれど少し無理をしてカクテルを一気に飲み干してみた。
途端にキモチがスッキリとした。

「私・・・・・・好きなのね・・・・あの人のこと・・・・・」

空になったグラスを見つめ、ビビは今までにない満足感を感じながら呟いた。

「サンジさん・・・・・ごちそうさま」




                                 終。終りったら終わり!




今さっき紅葉サマに要求されて20分位で書き終えました。
すごいです!早いです!!焦りがこんな所にでてきてます!!(笑)
紅葉さんがすぐそばにいるのでもう命令されるままでございます。
こんな甘くなる予定ではなかったんですけど・・・・・・・・・
砂吐いてしまった方すみません。後片付けを私がしますのでそれで許して下さい。
あーもー!さっきから紅葉さんがウルサイです。
バトルロワイヤルを読みながら「ギャー!」だの「ふざけんなクソ」とか言ってます。
それはそれで、読んでくださった方ありがとうございました。
                                            大和 明