好きだと一方的に告げられた其の後、

「友達とそれ以上、どっちがいい?」

理不尽な選択権はボクに譲られた。



















ひ・と・つ










誰もいないはずの教室に帰ったら君がいた。

窓側の一番後ろ。ボクの席。
其処には君がうつ伏せになって寝息を立てていた。

・・・・帰っててっていったのに。




「英二」

そっと名前を呼んでみる、僅かに空気が震えた。

「英二」

いや、震えているのは自分の――――――――――声。




返らない返事に安心して、
向かい側の椅子に座って視線を落とす。


流れる紅髪を梳くってそっと口付ける。
一連の動作はボクの意思を無視した。身体が、動く。




「それでいいの・・・・?」

静かな声が聞こえた。些かの動揺はボクの声に現れる。
もう一度、震えた。

「起きてたんだ」

英二の声が聴こえた瞬間に離した手が宙を彷徨う。
それを右手で掴まえて、英二の座る机の上に置いた。
其の侭右手でボクの髪に触れる。
胸が締め付けられる。息が苦しい。こんなに苦しいのに―――


英二は構わずボクの髪を梳いた。
ボクは堪えきれずに英二の学生服を握った。
指先も小さく震える。


もう一度問う。

「それで、いいの」

「じゃあ、英二は?英二は友達でいいの....」

「不二がいいなら」

間を置かない率直な答えに胸が潰れそうになる。
唇を噛締めて息を殺した。


「――――――ずるい。いつも最後はボクに選ばせるんだ」

答えはひとつしかないのに―――――。

「ボクがひとつしか選べないことを知ってるくせに」

「答えは?」

「友達じゃ、―――――嫌、だ」

もう一度唇を噛締めて、息を止めた。震えるぐらいの思いに潰されそうになる。

苦しくて、惟苦しくて、小さな吐息が漏れた。吐息すら震えているのが解る。

「英二」





君は俯いて顔をあげようとしないボクに、

「好きだよ」

と告げて、其の侭ボクも好きだと返した。



答えがひとつしかない理不尽な選択肢。
作った君は、ずるい。





 * * *

(色々と)ごめんなさい。

とりあえず戻る。




ええっとですね、影響受けてます★(オイ)
いや、文体とかじゃなくってですね、こう、切ない感じの・・・・・
銀色夏生さんという方の詩集をひとつ手に入れまして、
そんで私ずっぽりはまりまして(笑)
切ないんです〜!!!

それで、影響されて「先輩の切なさを書きたい」なんてまた馬鹿なことを言い出して
出来た結果がコレです(泣き)
友達からそれ以上ヘ、ってのを表現してみたかったんです。難しいですね。(とほほ)
愛は有るのに(笑)

えっと、最初の教室に帰ったらの「帰ったら」はわざとです(笑)
メイツの愛の巣3年6組。(阿呆)





銀色夏生さんの詩


8月4日
小堤防の前の坂を
自転車をおしながら帰る彼を見かける
今日は学校に行ってきた
ひとつも話しはしなかった
ひかれあった笑顔だった

幸福を感じたのは
孤独だったからか

まだ何もはじまっていない
長い夏があるだけ






ああああああああぁメイツ!!!!!!!!
(ツボな物は全部メイツに見える病気)

多分今に、趣味の頁に夏生さんの詩イメイジ絵を載せると思います(笑)