* 二月半ばのショートストーリー * 0229・@ 「・・・・ボクの誕生日って、一体何時なんだろ」 「は?二月二十九日でしょ――。何言ってんの」 「いや、だからさ、今年とか閏年じゃない時の話。二月二十八日?それとも三月一日?そんなのいつでもいいみたいで――」 「それは違う」 不二が言いかけた言葉をさえぎって菊丸が言った。ついさっきまで興味ありませんって顔していたのに、今度は大真面目の顔だ。不二はそれに少し驚いた。 驚いたから、並んで歩いていた菊丸の横からすこし後ずさって歩く。そのまま不二は菊丸の、一歩ほど後ろをついてゆく。 なんだか怒られる前の雰囲気のようだ、と不二は思った。 * * * 菊丸は、よく分からないことでよく怒る。大抵が菊丸本人には関係の無いことだ。自分に関係の無いことで、何故菊丸は怒るんだろう、それも真剣に。不二には不思議でたまらなかった。菊丸が起こる理由も、その訳も。 いつも笑ってる(へらへらしてる)菊丸が怒る時、いつも優位な不二は一歩後ずさる。 それは、恐いわけじゃなくて――――――。 * * * 「不二は二月二十九日生まれ。それ以外は違う」 「でもっ」 不二は俯いて菊丸の後を追う。視界には菊丸の足しか見えない。唇を噛締めて言葉を紡いだ。 「でも、それじゃあ四年に一回しか」 恐いわけじゃなくって・・・・。 もっと別の、感情が。 「エージに祝ってもらえないじゃない・・・・・」 感情が、不二を支配する。 「だからっ、さ!」 急にふりかえった菊丸に不二は目を見開いて驚いた。もう少しで菊丸にぶつかるところだった。菊丸はいつも前フリ無しに行動する。そして今回もそうだ。 少し屈んだと思ったらすばやく不二にキスをする。 「誕生日なんかなくったって、祝う事は出来るでしょ?」 唇に手を当てた不二の顔は真っ赤だった。ココを何処だと思ってるの、道端だよ?、何考えてんの、えいじのばか!、瞬間に浮かんだ文句はすべて口には出せずに終わった。 * * * 今度はちゃんと、菊丸の真横に並んで歩く。菊丸はいつも不二の歩調に合わせて歩いてくれている事を、不二は知っていた。 (ちっとも優しくなんてないけど、優しいんだ、エージは) 未だに赤い顔でとなりを見ると、菊丸はすこし困ったような顔をして笑った。それで不二の顔もますます赤くなる。見られたくなくて、とっさに俯いた不二を見て、菊丸は笑った。 * * * 「俺が言いたかったのは、不二が生まれた日はたったひとつしかなくて、他のどの日も代わりになんかならないくらい、大切で、大切な、・・・・・・・なんていえばいいのかな、こんな時。言葉に出来ない」 照れ隠しに、国語勉強しとくべきだった〜、なんて言いながら、菊丸は頭を掻いた。 「だからさっ!不二はもっと自分の誕生日とか、自分の事とか、もっともっと大切にしなきゃ!でないと俺、怒るよ?」 その言葉に、不二ははっとする。 そういえば――――。 * * * 菊丸が怒る時はいつも、自分に関係のあるときだ。例えば、有刺鉄線で切り傷つくってもほおっておいた時とか(もうちょっとで化膿するところだった)、熱が有るのに学校へ行ったときとか、倒れるまで部活やったときとか・・・・・・・。 どれもこれも、菊丸には直接関係の無いこと。でも、自分にとって関係のある事で、むしろ自分にしか関係の無いことばかりだった。 あの時も、あの時も、菊丸は本気で自分に怒った。それもすっごく怒る。熱を出して学校にきたときなんて、ほっぺをおもいっきりつねられた。泣きそうな顔で「ばかやろう」ってだけ言って、ボクを保健室に引きずっていった彼。 すべて、自分のことを思っての事。 (やっぱり、優しくなんか無いけど、優しいんだ―――) * * * 「じゃあ、さ、こうしよう」 「うん?」 「誕生日がこない年は、誕生日おめでとう!のお祝いじゃなくって、産まれてきてアリガトウ!のお祝いにしよう」 「どう違うの、それ」 「全然違う!」 「ふうん、で、何時やってくれるの?」 「今日!」 間を置かない菊丸の答えに、不二は笑った。 (誕生日ひとつで真剣になってくれる君が好き) →誕生日企画へ舞い戻る ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ(以下略) いや、甘いのを書いてみようと思ったらこんな事に!!(ヒィ!)先輩やけに乙女だよ〜〜!でも自分的に乙女にしたかったわけじゃないんです〜〜〜!!! 先輩の誕生日、直接祝ってないし〜。何故!最初はお祝い文だった筈なのに何故!!(笑) と、いいますか、えっとですね、非常に申し訳ないんですが、 HARU様!ごめんなさいっ! 229ヒッツの切番(甘い菊不二ならなんでも!) というリク、これでカンベンしてやっていただけないでしょうかぁ!!!!!!(泣き) いや、本当に申し訳ないと思っているのですが、何せワタクシ、甘いのが書けない人間でしてっ!!! リクがココまで遅れちゃったのもその所為なんですスミマセン!すみません! 先輩の御誕生日企画ブツ兼リク・・・・非常に申し訳ないんですが、宜しいでしょうかぁ!!!?? これ以上甘くは書けそうに有りません(泣き) すみませんでした〜〜。 |