声を聞いて欲しい。

 言葉を聞いて欲しいの。
  

        音は無いけれど思いは有るから。












・・・・・・「不器用な貴方」



首筋に紅い爪痕をつけて帰った弟に、姉はなにも言わずに傷薬を塗ってくれた。只優しく微笑まれるだけで、どうしてこんなに泣きたくなるんだろう。きっと姉は自分の心境を察知してくれている。まるでこんな日が来ることを知っていたかのように、いや、実際覚悟をしていたんだろう。
今までが不思議だったのだ。
コンプレックスのひとつもなく美しく純粋に育っていける人間なんて存在しない。




・・・



次の日、一際紅く色付いた場所に、由美子は傷バンを貼ってやった。別にいいのにと主張する弟に由美子は「だってなんだか意味深なんだもの其の傷跡」と、笑いながら。周助はわからないといった風に首をかしげると、由美子はまた笑った。「あんたはまだ知らなくていいことよ」そう言った直後に、玄関から声が聞こえた。

「不二ー、いくぞ」
「あら、手塚君来たみたいね。じゃあね、周助、いってらっしゃい」

今なおクスクス笑う由美子を背に、周助は鞄を持って玄関へ出向いた。右手を振って「いってきます」の合図をして。



・・・



不二は手塚に会うのが少し嫌だった。何故なら彼は不二周助の事に関しては驚くほどにするどいから。自惚れているわけではないが、彼は彼自身のことになると、すごく鈍いのに自分の事になると聡い。この傷を見たらばれてしまう。自分に起こった変化を。其の予兆を。
出来るだけ傷をかくそうと、いつもは閉めない学ランのホックをとめて、不二は玄関を出た。

おはよう!

と、言う代わりに、にっこり笑ってみせる。言葉の代わりになった不二のあいさつ。

「なんだ其の傷は」

おはようと返す前に、手塚は不二に問いただした。
反射的にびくりと身体を震わせて、おそるおそる手塚を見上げる。

「・・・・・・・・・」

いたずらをして叱られる子供のような不二の仕草に、手塚は今日はじめてのため息をついた。





きっと彼は気付いている。

きっと彼は傷付いている。


二人は思った。


結局、手塚もまた、それ以上は不二に何も聞かなかった。



・・・



「お前はな、いいやつだぞ。俺が保証してやろう」

教室に入る前に、手塚は不二に言った。云わんとしてる事に不二も気付き、其の回りくどさに声も無く笑った。

――だから喋れなくったっていいだろう?

手塚の声が、姿を変えて不二に伝わる。

――不器用だね、でも伝わるね、すごいね。

口に手を当てて目を細めてやわらかく笑う其の仕草に。手塚にもまた、不二の言葉が通じた気がした。







そして場面は昼休みに移る。













続く。



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うわーーー我ながら嫌な終わり方ですね!何が嫌って偉そうな終わり方!!!おまえ何様だよって感じですね!(泣き)

今回菊丸君は出てきませんでしたね。後半出てくる予定だったんですが、まぁ、いいか!(善くない)きっとこの後菊丸君は手塚部長にミンチにされるでしょう。あ、ここの出場者はみんな(一応)白いです!珍しく菊丸君も白いです!(笑)先輩は当然のように真っ白です!!(白不二派)

それにしてもひッさしぶりですね〜。(涙)話思い出すために、はじめっから読んでみたんですが・・・・・・・ギャグかこれは!!!!爆笑しまくりでした。ギャハハハハ!!(何)
ほ、ほんにんシリアス&ほのぼののつもりなんですが・・・・・・・。(笑)

今回は塚不二風味でしたね!(笑)

マイ設定では先輩は部長と一緒に学校に来ています。そして帰りは菊丸君と帰っています。(たしかそうだったような・・・・・/死)乾さんはですね、オトコノコ三人で学校いくは抵抗があるといって、部長に先輩を任せています。でも、部長に用事があるときなんかは先輩と一緒に学校へ。基本的にひとりにしません!あぶなっかしいから!!(笑)部長ばっかり過保護な気がしますが、乾さんもちゃんと先輩を心配しております。まぁ、それは後日・・・・。おいおい出していきたいと思ってます。部長と乾の考え方の違いを〜。(笑)