新作情報47「奴隷秘書21」(シネマジック)
期待していた奴隷秘書の新作ですが、ドラマに凝りすぎて肝心の責めのシーンが中途半端な作品となってしまいました。女優(白鳥七瀬)が良かったのに残念です。
監督は吉村彰二。SMビデオの創生期から活躍している人で、代表作は「シスターL」、最近では「奴隷花 98」を撮っています。作品に共通して言えるのは、ドラマ性(というか、段取り)を重視し、作品が丁寧に作られていることでしょう。ただ、責めのシーンでは男優が途中でアップで映ったり、責めが良いところで終わったりと、意外に責めが重視されていません。この作品も彼の良い点と悪い点がはっきりと出ています。
ストーリーは両親が巨額の借金をしている白鳥が某オーナー会社の社長秘書募集に応募します。即採用となりますが、秘書というのは表向きで実際はサディストの社長(山本竜二)の奴隷兼愛人として採用されます。白鳥は借金の為に断ることが出来ず、山本も男性秘書(速水健二)の調査により白鳥の両親が借金をしていることを知っています。白鳥は社長の寵愛と調教を受けながらも、だんだんと速水に惹かれていきます。ある日、プレイ中に社長が腹上死してしまいます。遺言により、白鳥が社長の座を引継ぎ、ビデオは終わります。虚構の中では良くある話ですが、このストーリーの説明とか段取りの為の時間が多く割かれています。秘書採用の面接のシーンでは、白鳥以外の面接のシーンも映りますし、社長の死のシーンでは翌日の新聞記事が映ります。ビデオを一時停止して読んでみましたが、ビデオに合った内容がきちんと書かれていました。
主演の白鳥七瀬は身長162センチ、髪が長く清楚な顔つきをしていて、白いブラウスと黒いミニスカートが良く似合います。胃下垂の気がありますが、スタイルの良い美人と言って良いと思います(小林里穂に似ている?)。苦痛責めには弱いらしく、甘い責めにも涙を見せてくれます。声にしっとりとした感じはありませんが、泣き声が自然で演技臭くありません。このビデオのヒロインには合っていると思います。
責めのシーンは以下の通りです。
1)白鳥を裸にさせ、後ろ手縛り。抵抗もせずに縛られるところが若干納得行かず。テーブルに仰向けに固定して、山本が性器を舌や指で愛撫し、身体を嘗め回す。固定された白鳥はきれいだが、責めらしい責めはなく、せめてバイブ責めくらいあったら良かった。
2)フェラチオ。無い方が良かった。
3)挿入したバイブを縄で固定し、全裸で犬の散歩。最後にエクスタシーに達するが、顔が下を向いているので、表情が判らず(それよりも、あんなんでイクのかなぁ)。
4)(ドラマの段取り説明部分の後)蝋燭責め。前手縛りの四つん這いにし、背中の下部を責める。泣き声はいいが、カメラはお尻から撮っていて顔が下を向いているので、表情が判らず。顔がアップで写った時は既に涙でびっしょりになっており、最初の涙の一筋が見たかった。蝋燭責めの後は指責め。ここでも、泣き声が続いていて、映像としては良いが、ファックシーン→山本の腹上死のシーンは余計。
5)全裸で後ろ手縛りにしての、ベッドシーン(速水)。並みのファックシーン。
以上、ドラマ作りにかけるエネルギーの半分でも、責めのシーンに費やしてもらいたかったです。
ところで、白鳥七瀬は前作「奴隷花 98」で、クリップ責め、蝋燭責め、甘いけど鞭責めに涙していました。もし、白鳥が好みであれば、前作と同時にレンタルすれば補完しあって良いかもしれません。次回作は7月に発売になるアートビデオの「汚された堕天使」の新作です。斎藤茂介監督ですが、まぁ、めちゃくちゃタコビとはならないであろうと淡い期待をしています。
しかし、女優がいいのに、責めが中途半端なビデオは罪が深いです。

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