実は以上の設定を行っても、まだいくつかの問題が残ります。
残る問題のひとつはヘッダに
Content-Transfer-Encoding: 8bitという行があることです。これは ISO-2022-JP コードを使う以上、本来 『7bit』になるべきなのですが、どうやら設定では直せないようです。 これが原因で、メールなどが中継される途中でエンコードが変換されて しまい、読めなくなってしまう問題が複数報告されました。詳しくは HAT 氏の
Microsoft Internet Mail の問題というページで、丁寧に解説されています。
http://ux01.so-net.or.jp/~hat/mailer/ms.txt
例えば Subject に
Subject: Re: 日本語のようなヘッダがあった場合、多くのメール/ニュースリーダはこれを
Subject: Re: =?ISO-2022-JP?B?GyRCRnxLXDhsGyhC?=のようにエンコードしますが、MSIM/IN は
Subject: =?ISO-2022-JP?B?UmU6IBskQkZ8S1w4bBsoQg==?=のように、ASCII 部分を含めてエンコードします。このこと自体は規格的 にも問題ないのですが、このような Sbject のメールを MIME ヘッダを デコードしない/できない人に送ると、その返事は
Subject: Re: =?ISO-2022-JP?B?UmU6IBskQkZ8S1w4bBsoQg==?= (Subject: Re: Re: 日本語)のようになり、これが続くと徐々に『Re:』が増えてゆくという、悲しい 事態が生じます。
また、Subject ならさほど実害はないかもしれませんが、例えば Reply-To: に日本語の名前を設定してある場合なども、同様に全て MIME エンコード されてしまいますので、例えばアドレスが
あさだたくや <asada@nurs.or.jp>でしたら
=?ISO-2022-JP?B?GyRCJCIkNSRAGyhCIBskQiQ/JC8kZBsoQiA8YXNhZGFAdGhyZWUtYS5jby5qcD4=?=のようになって、下手をすると返事が書けない状態になってしまいます。
そもそも MEIM/IN の MIME エンコードヘッダは、規格的には間違ったものに なっています。RFC 2047 Message Header Extensions によると、encoded-word は 75 文字を越えてはいけませんが、MSIM/IN はこの規則にしたがってません。
ファイルを添付する場合、ファイルの説明や名前に日本語が使われていると、 それらがそのまま(SJIS で)書き込まれてしまうようです。添付するファイル には、これらの部分に日本語を含まないようにしておく必要があります。