第二五話 真言と護符
…… 時に流れる型 と 場に広がる型
玄徳が、背に真っ直ぐ、炎の柱が昇り詰めた時、
二元を尽くした彼の頭に、めりめりと髻が現れた。
業が晴れ渡った、彼の意識は、万物に広がり渡った。
「待たせたな、孟徳、遅くはなったが、いま還った。」
豹変した姿を見て、頭より先に、心が感応した。
孟徳は跪き、何度も何度も、彼の足に頭を付けた。
神々しい光を放つ玄徳に、孟徳は懐かしい姿を見た。
「久しぶりだが、再会を喜び合う、時間はない。
私は、衆生の業を負って、次は、地獄の世に赴く。
残された天命を使って、君に、真実を見せておこう。」
さながら、母親に泣いてせがむ、子供のように、
孟徳は、どうか行かないで欲しいと、泣きついた。
玄徳の変わり方は、孟徳の現れ方まで、変えていた。
「案ずるな、友よ、すべて神の為にしたことだ。
たとえ、地獄に落ちようと、地獄の悲しみはない。
それより、私の天命は渇くが、君の使命は是からだ。」
そして、厳しい顔に戻ると、心を合せよと言い、
彼は、万物に遍満する、至高のマントラを唱えた。
原子が騒ぎ、時空が震え、天と地が崩れ去って行く。
経験知
一 真言とは、時に流れる型のこと(singon)
二 護符とは、場に広がる型のこと(gofu)
三 真言は、貫かれた神の言のこと
四 護符は、偏らない神の姿のこと
五 真言とは、普遍性を有するもの
六 護符とは、不偏性を有するもの
七 曼荼羅は、不変性を有するもの
八 AUMとは、至高の真言のこと
九 Aは創造、Uは維持、Mは破壊
十 AUMとは、万教同根を解く鍵
覚醒の書
真言 … 時に流れる型、貫かれた神の言(mantra)
護符 … 場に広がる型、偏らない神の姿(yantra)
羯磨の書
無形の神 … 貫かれた言は、いつまでも聞える
有形の神 … 偏らない姿は、どこまでも見える
解脱の書
曼荼羅 … マンダは型のこと、ラは有すること
時に応じて、マンダラはマントラに
場を変えて、マンダラはヤントラに