急性膵炎
acute pancreatitis
「概念」
膵酵素が活性化され膵組織を自己消化するもの。
「疫学」
好発年齢は30〜50歳代、男女比は2:1
「病因」
アルコール>特発性>胆石症>副甲状腺機能亢進症>高脂血症
副甲状腺機能亢進症(高Ca血症により、膵管内結石が生じるため)
高脂血症(脂質代謝に関与する酵素が、活性化されやすくなるため)
「病理」
自己消化により分解された脂肪は、
トリグリセリドと遊離脂肪酸となる。
前者は、そのまま、血中に吸収される。
後者は、Caと結合して、組織に沈着する。
「症状」
腹背部痛(胸膝位で軽減、飲酒で増強)
発熱、頻脈、低血圧、悪心、嘔吐、腹満
テタニー(遊離した脂肪に、Caが結合する)
Cullen sign(腹腔内出血による臍周囲の着色)
Grey‐Turner sign(腹腔内出血で左腹部の着色)
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| Cullen sign | Grey‐Turner sign |
「合併症」
早期(DIC、ショック、呼吸不全、腎不全、MOF)
後期(膵仮性嚢胞、膵膿瘍、腹腔内膿瘍、感染症)
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| 急性期 | 寛解期 |
「検査」
WBC↑、CRP↑、ESR↑、Plt↓、血糖↑、Ca↓、Ht↑
血中アミラーゼ(24時間でピーク、1週間で正常化)
尿中アミラーゼ(血中のよりも、後で増加、長く持続)
sentinel loop sign(腸管麻痺による左上腹部空腸ガス)
colon cut-off sign(横行結腸圧迫による臍周囲結腸ガス)
内視鏡的逆行性胆管膵管造影は禁忌(内圧の上昇による障害)
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| sentinel loop sign | colon cut-off sign |
「治療」
多くの軽症例は保存的に、少ない重症例は外科的に。
絶飲食、胃液吸引、H2 受容体阻害剤、麻痺性鎮痛薬。
モルヒネは禁忌である(Oddi活約筋を収縮させるため)
「予後」
20%が慢性化し、30%が重症化する。
死因は、循環不全、腎不全、呼吸不全。
「参考」(重症度判定)
合計が2点以上のとき、重症と判定する。
| 1点 | ショック、呼吸困難、神経症状、重症感染症、出血傾向 Ht<30%、BUN>40mg/dl or Cr>2.0mg/dl、BE<-3mEq/l |
| 2点 | Ca<7.5mg/dl、空腹時血糖>200mg/dl、PaO2<60mmHg LDH>700IU/l、TP<6.0g/dl、PT>15秒、Plt<10万/mm3 |