脂肪酸貯蔵について述べよ

「機構」
食物から摂取される脂肪の大部分を占める
中性脂肪は、
小腸内腔で胆汁酸と膵リパーゼの作用により、
脂肪酸モノアシルグリセロールに分解され、
これらは胆汁酸とミセルを形成し小腸上皮細胞中に吸収される。

その小胞体中で、
脂肪酸モノアシルグリセロールは、
アシルCoAシンテターゼ
アシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ、の作用を受け、再び中性脂肪に変換される。

この中性脂肪は、他のリン脂質、コレステロール、蛋白質等とキロミクロンを形成する。
キロミクロンの大部分は、中性脂肪で占められており、
リンパ管ヘ入り、胸管を経由して左鎖骨下静脈より血液中に入って、各組織分布する。

食物摂取時、糖質は脂質より優先してエネルギーとして利用される。
糖質のエネルギー量が十分な場合は、毛細血管壁に存在する
リポ蛋白質リパーゼの触媒作用を受けて、
キロミクロンを構成する中性脂肪から脂肪酸が遊離される。
この脂肪酸は脂肪細胞内に取り込まれ、中性脂肪に再合成され、
脂肪滴として脂肪細胞中に貯えられる。

脂肪性食物を摂取し、キロミクロンが入ったばかりの血液では血清が乳濁しているが、
キロミクロンは半減期約10分で消失して血清は透明になる。
その透明化に関与している
LPLは、クリアリングファクターとも呼ばれる。

糖代謝が活発でエネルギー供給が過剰な場合には、
肝臓で解糖系により生じる
アセチルCoAから脂肪酸が生合成される。
生じた脂肪酸は肝臓内で中性脂肪に変換され、血中に入り脂肪組織に運搬される。
以下、キロミクロンと中性脂肪の場合と同様、
LPLによる加水分解と中性脂肪への再合成の過程を経て脂肪細胞中に貯えられる。